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転生したが、チートは秘密?  作者: ヤマオヤジ
第1章 プロローグと少年期
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第三話:役に立てたよ

 僕の名は吉岡翔太。過去に色々あったけど、今は小学校四年生の普通の男の子ということで、何とか無事にやっている。


 今日の体育の時間は、跳び箱運動。


 蛙とびから、箱跳びまで練習してみたけどやはり、昔やった記憶があるんだ。一度もやったことがないのに。


 さて、三段跳びから始まって、だんだんに跳び箱の段が増えていく。三段まではみんな普通に跳べるようだ。僕も普通に跳んだ。


 いよいよ五段の跳び箱の高さになった。

 

 僕としては、全然飛べない気がしなかったが、周りの子供たちは、みんな口々に跳べるんだろうかあんなの!だとか、俺には絶対無理だとか叫んでいる。

 

 やはり運動神経の良い子たちは一回で軽々と跳びこす。やはり目立つなあ。一回でクリアしてしまうのは。


 しかたない。


 ここは一回失敗するしかないか。僕は、ドスンと跳び箱の上に乗りかかって飛び損ねてしまった!と頭をかきむしって見せて、みんなの失笑をかって見せた。


 悔しかったけど、いいんだ。これで。うん。

 

 体育の着替えが終わったら、次は算数。今日は過分数と帯分数?始めて習ったのに、やはり頭に全部入っていた。


 僕は先生の授業を聞きもしないで、ドリルを解いていたけど、全然難しくない。どうなってんだ。僕の頭は。。。。

 

 途中で授業を全然聞いていない僕のことに気がついたのか、先生が近づいてきた。


 「また翔太か。お前は先生の話を聞いていたのか。」


 「いえ、すみません。ここのところは近所のお兄さんにやり方教わっていたからドリル解けるかなあ・・・って思っちゃって。」


 先生は僕の解いたドリルを見ていやあな顔つきをした。ご機嫌を損ねたらしい。


 「その割には間違いがいくつかあるじゃないか。え?まあ先生より教え方のうまい家庭教師でもいるなら、その先生に今度からきちんと教えて下さいと言っておくんだな。」


 厭味いやみったらしく先生はドリルを僕に返して授業続けた。


 良かった。所々にわざと間違えた答えを書いておいたんだ。

 

 さて、その日の帰り道、クラスメイトのタケシ君が、どう見ても中学生の二人組に橋の下で腕をつかまれているのに気がついた。


 「オイ、タケシ!」


 「今日は、ちゃんと金持ってきたろうな」


  タケシ君は泣きそうになりながら下を向いている。


 「親の財布から1万円抜いて来いって行ったろうが」


 「1万円、なかったもん」


 「ちっ、しけてんなあ。」


 「バカ野郎、そんときゃ千円札適当に抜いてくりゃいいんだよ。」


 「どうやらボコボコにされたいらしいな。」

 

 この前のオジサンの時と同じだ!僕はタケシ君を助けたかった。


 それで、天使からもらったペンダントを胸もとから出してみると・・・


 あれ?光っていない。


 「お前、俺たち舐めてるの?本当にしちゃうよボコボコに」


 ペンダント、光ってくれ! 

 

 「駄目だわこいつ。もう痛い眼に合わせないと金持ってこねえ。」

 

 どうしたんだよ天使!。このままタケシ君を放っておくのかい?


 だめだ。このままじゃタケシ君がぼこぼこにされちゃう。どうしよう・・・・


 僕はタケシ君のところに駆け寄って、中学生に言った」


「やめてよ。タケシ君いじめないでよ。」


 すると中学生たちは突然出てきた僕をキョトンとした顔で眺めてこう言った。


 「何だおまえ。」


 「俺たちはタケシにおこずかいちょうだい。って頼んでんだよ」

虐めているんじゃねえんだよ」


 何言ってんだ。この中学生、タケシ君をぼこぼこにするって言ってたじゃないか。


 「それともてめえが、おこずかいくれるのか?それとも代わりにぼこぼこになるのか」

 

 だめだ。ペンダントは光らない。


 僕は殴られても怪我はしないだろうけど、僕の力がばれてしまう

 

 「まあ、とにかく一緒に見せしめになってくれるらしいから、タケシとこいつはぼこっちゃおう」


 ひとりの中学生がそういうと、いきなりタケシ君の胸倉むなぐらつかんでおなかにパンチを入れようとした。

 

 その時!その時なんだ。


 やっとペンダントがピカーッ!って光ってくれた。

 

 僕はその中学生に全力で体当たりし、殴りかかってきたもう一人に空手の組手で応戦し、手加減しつつ、組み伏せた。

 

 「もうタケシ君にこんな真似しないと言え!今度はこれじゃ済まないぞ!」


 呆然とする中学生二人組とタケシ君はピカーッ!と光る水晶のペンダントがきちんと見えているはずだ。


 「行けよ。もう、お前たちの顔見たくないんだよ。」


 お化けでも見たかのような顔をしていた中学生2人組は走って逃げて行った。


 「じゃタケシ君。君も気をつけて帰りなよ。」


 茫然と立ち尽くすタケシ君を後にして、僕は帰り道を急いだ。


 ペンダントはしばらく、強い光を出していたがだんだん光らなくなった。


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