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さつこい! 神威編  作者: おじぃ
北海道での日常編2

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神の目覚め

 自室でマグネシウムリボンを燃やして眩い光を愉しんでいると、無線機が鳴動したので、ディスプレイが示す座標に駆け付けた。現場では万希葉の無線機がけたたましく鳴動している。


「私はいいからみんなを助けて!」


 そこには地にへたり込んで助けを乞うはだけたワイシャツ姿の万希葉と、顔さえ見えない無言の黒装束が立っていた。


 泥濘んだ土には気絶させられたと思われるねっぷ、静香、萌香の三人が泥まみれになって転がっている。 まぁ、コイツらはそんな簡単に死ぬようなタマじゃねぇし大丈夫だろう。問題は万希葉だ。心に深い傷を負っているに違いない。


 下手すりゃ殺される状況下で最適解は『万希葉を連れて逃げる』だが、闇雲に動くと黒装束に攻撃されかねない。


 さぁどうする?


 早く警察に到着してほしいところだ。通報したら、先に同様の通報があり、もう此処へ向かっていると聞いたが、複雑な路地裏だけに道に迷ったのか到着が遅い。


 一応硫酸は持っているが、見えない顔面目掛けてぶっかけるのは至難の業だし、正当防衛と見なされなければ俺がお縄になっちまう。


「せんぱいたちー!」


 背後から覚えのある声が聞こえた。


「水菜! 一人で来たのか!?」


 水菜は俺の傍へ駆け寄り、ニコッとした。


「万希葉が心配なのは解るが、一人じゃ危ないぞ?」


 タタタタタッ! ストンッ!


「ぐはっ!」


 刹那、目にも留まらぬ速さで何者かが黒装束の後頭部に踵落としをキメた。この神業は留萌さんに違いない。黒装束は声を上げてその場にズドンと倒れ込んだ。


「麗せんぱいと見知せんぱいも一緒です! 犯人の気を引くために私だけ数秒先に来ました!」


 なるほど、こんな頭脳プレイは知内さんの作戦だろうか。


「ちなみにこの作戦、私が考えました!」


「ええっ!?」


 いやいや、留萌さんかもとは一瞬思ったが、まさかのまさかで水菜かよ!?


「なに意外そうなリアクションしてるんですか! 私らしい頭脳プレイですよ!?」


「そうか、なら次にやることはわかるよな?」


「はい! 犯人をメッタメタのギッタギタに処刑します!」


「いや、万希葉を連れて逃げるんだ。俺が連れてくから水菜は先に逃げて警察官を見付けてくれないか?」


「…了解です!」


 水菜は一人で場を離れるのに気が引けたのか、一瞬躊躇ったが、ピシッ! と敬礼して表通りのほうへ向かった。


 ササッ!


「きゃあっ!?」


「へへへ、一歩でも動いたらコイツがどうなるかわかんねぇぜ?」


 なんてこった。俺たちの前で初めて口を開いた犯人は立ち上がって素早く移動し、万希葉を人質に取りやがった。


 無理矢理立たされた万希葉は蒼褪めて全身を震わせている。


「おい、万希葉に手出しすんじゃねぇ…」


「「ねっぷ!?」」


 俺と万希葉が同時に言った。ねっぷが目を覚ましたのだ。


 この後、下手に動いたら万希葉がどうなるかわからない状況下で、事態は想像だにしなかった展開を迎える。 


 

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 今回はこの作品の舞台となっている札幌からの更新です! しかも今回のお話の現場として設定した場所のすぐ近くです。




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