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さつこい! 神威編  作者: おじぃ
修学旅行編

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43/69

またやっちまったあああ!?

 リビングを出て廊下を20秒ほど歩くと、防音扉の部屋がある。ずっしり重たい皮張りの扉を開けると、烏帽子家の音楽スタジオが広がっている。ここで北海道のスーパースターたる俺は一曲ぶちかますぜ!


 スタジオは教室の倍くらい広く、一面に赤い絨毯が敷かれていて、ステージは一段高くなっていて、中央手前にはヴォーカルマイクのスタンドと、その両サイドにアンプというスピーカーのようなものがあり、奥にはドラムが堂々と構えている。


 ステージの正面は客用スペースを隔ててガラス張りの部屋がある。ここで音響を調整出来るようになっているようだ。構造は完全にレコーディングスタジオだ。


 カラオケボックスにあるような本格的なセットを使って、広視さん、勇、俺の順で三順ほど歌った。マイクを持つ手は中三本で上部を握り、親指と小指は下部に挿して固定する。こうするとマイクの斜め上から声が入り、響きが良くなる。


 広視さんはロードオブメジャーの『大切なもの』、リーダーが水菜ちゃんの地元であり、ここ藤沢の隣町である茅ヶ崎出身、サザンオールスターズの『マンPのGスポット』、リーダーがここ藤沢出身のSMAPの『世界にひとつだけの花』を熱唱。


 勇はL’Arc-en-Cielの『READY STEADY GO!!』、『瞳の住人』、GLAYの『サバイバル』を熱唱。二人とも歌上手いな…。


 俺はEXILEの『Rising Sun』を振り付きで熱唱。他に大塚愛の『さくらんぼ』をきゃぴきゃぴ声で見事に歌い上げた。


 そろそろ疲れてきたので、最後の一曲。これは湘南海岸学院の先輩が遺した伝説の一曲らしい。今回は広視さんの粋な計らいで特別に俺が歌わせて貰える。


 観客は勇と広視さんだけだが、女子に聴かせるには色々ヤバイ曲だから仕方ない。


 学校オリジナルの音源CDをセットしていざ、シンギングターイム!!


「それじゃあ行くぜ!! 聞いてくれ!! 俺のタマシイの叫びを!! 『4545Pシコシコパーティー!』!!」


「おおおっ!!」


 広視さんはガッツポーズで歓声を上げてくれたが、勇は寒い目で見ている。ったく、素直じゃねぇなぁ。


 ジャジャッジャーン!! ジャジャッジャーン!!


 いかにも遊びで作りました的な単純なギターの前奏が流れる。だがこの曲を作った何処ぞの誰かは素晴らしい!


「俺は毎日エロ本読んで、派手にザ×××ぶっ飛ばす! うららかマッキー水菜に萌香ー今日のオカズは誰にしよう!?」


「いいぞねっぷー!!」


「ありがとう広視さーん!!」


 ひゃほーいっ! 歓声を浴びながらのシンギングはサイコーだぜー!! 勇のヤツはシャイだからノれないんだな!


 曲は早くもサビだぜ!


「シー××コパーティ、×ーコシ×パーティ、アイウォントゥーセー××!! シー×シ×パーティ、×ー×××パーティ今日のオカズはうららちゃーん!!」


 うほーいっ! ロックスターになった気分だぜ! 万希葉はこんな気分を味わってたのか!


 歌い終えると、広視さんがアツイ歓声と拍手を送ってくれた。


「よっしゃ、ねっぷの大トリを聴いたとこで、そろそろランチタイムだべ!」


「そうっすね! メシ出来てなくても何か手伝いましょう!」


 俺たちは機材の片付けを済ませて重たい扉を開け廊下に出ると、ちょうど麗ちゃんと鉢合わせた。


「…」


 あれ?


 麗ちゃんは立ったまま微動だにしない。少し口をポカンと開けている。


「どうした?」


 心配になって眼前で手を上下に振ってみた。


「はっ! あ、ごめんなさい。ボッとしてました」


「おう! そうかそうか! メシ出来たから呼びに来てくれたのか?」


 さすが女神さま! 親切だぜ!


「うん。あの、その、今日のおかずは、卵焼きです…」


 言いながら、麗ちゃんは顔を真っ赤にしている。


 まさか…。


 おいおいこれってもしかして、俺またバカやっちまったのか!?

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 更新が遅れまして申し訳ございません。


 ヒトカラやってみたいです。

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