神様への疾走!?
「いらっしゃいませいかがですかー」
「らっしゃいらっしゃーい!」
水菜ちゃんの先導で朝から賑やかな上り斜面になっている土産物店街を食べ歩きする俺たち。タコ入りのデカイ煎餅ウマイぜ!
坂が終わると神社へ続く木々が生い茂る薄暗い石段と、屋根に覆われた有料エスカレーター『エスカー』がある。
俺たちのパーティーは江ノ島の雰囲気を満喫するため前者を選び、神様への疾走を決意した。
「うおっ!?」
「どうした?」
勇が心配して声を掛けてくれた。さすが親友!
「滑って踏み外しそうになった。Hey everyone! Please be careful!」
キマッたぜ! バイリンガルな俺は銀河とも意識疎通できるぜ! 主にハナモゲラ語でな!
「さすがねっぷせんぱい! バイリンガル!」
「がははっ! そうだろそうだろ!」
さすが水菜ちゃん! 俺の凄さを解ってるぜ!
石段が少し濡れていたようで、危うく滑落して後頭部を打つところだった。これじゃガチで神様への疾走だ。まったく、江ノ島の神様は悪戯な支配者だぜ。神たる者は俺のように心清らかでなくちゃな!
約1分もの永久ほど長きに亘る試練の如し石段を制覇した俺たちは、石畳を進んで庭園のような開けた場所に出た。
「うおお、ここ見晴らしいいな」
庭園を通過すると、先程より足元が良く緩やかで広い石段がある。眼下には相模湾に浮かぶ白い帆がニョキニョキしたヨットハーバーや、腰越、旧表記で『子死越』の町並みや、背後には木々生い茂る山々が見える。
腰越といえばドラゴン伝説の街だよな。あのアニメのシンドロームはあれが題材になったんかな?
「ねっぷって、神様なんだよね」
万希葉が絡んできた。
「イエース! アイアムゴーッドゥ!」
そうさ! 俺は北海道の神さ! あまりにもオーラが強くて江ノ島の神様と喧嘩しちまった!
「じゃあ空飛んで民の生活を見守りに行かなきゃね」
「おっーと! 残念ながら俺は翼をもぎ取られちまったんだ! いわば地縛神さ!」
かつては雄大な白い翼があったような気がするんだけどなぁ。残念残念!
「な~んだ、役立たずな神様ね」
「なんだと!? 翼は役立たずでもチ〇コは役立つぞ!!」
まったく失礼なヤツだ! 神の遺伝子を後世に継承する能力はバッチリだぜ!
「ちょっ!? 公衆の面前でそういうこと言わないのっ!」
おっと失敬。団体行動だから傍から見ればみんな俺と同類に思われちまうもんな!
「ヒヒヒ、自分で飛べねぇならアタシがアツイビートで魂ごとブッ飛ばしてやんよ!」
「そうだな! 静香のギターはB’zでも通用しそうだもんな!」
だがそれは俺の命を絶つという意味でもあるよな! それはさておき静香のギターはガチですげぇぜ!
「ギャハハ! わかってんじゃねえか!」
気を良くして俺の肩をドスドス叩く静香。うぉ〜、ちょうど肩凝ってんだ。どうせなら揉んでくれ!
石段を上り終えると右手に神社がある。俺たちはそこで賽銭を投げて願い事をし、お守りを購入して広場へ向かった。
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