神の懺悔
うほーいっ! 中華街では麗ちゃんの大手柄でカラスの肉まんを食わずに済んだぜ! 肉まんは静香が気絶したオッサンの口に突っ込んで返してやったぜ。律儀だろ~?
気を取り直して、俺たちは元町から続く丘の上へやって来た。外人墓地とか港の見える丘公園がある丘だ。
建物の殆どはキリシタンな雰囲気が漂うもので、函館とは違う、異国情緒溢れる丘だ。
いくつか無料開放している建物があるので、その中の一つに入ってみた。教会みたいな雰囲気で、ステンドグラスには十字架が描かれている。
おぉ、神よ。スカートめくり、ズボン脱がし、お尻ペンペンにパイタッチにモミモミ他諸々、俺の数多の大罪を許し賜え、アーメン。
って、俺が神だったな! 神でも罪は犯すのか! 普段勉強しない俺だけど、修学旅行で色々学んでるぞ!
「ねっぷってキリスト教信者だったの?」
不意に万希葉が訊いてきた。
「なんで?」
「十字架の絵に向かって合掌してたから」
あれ? 俺、合掌してたのか。気付かなかった。それだけ懺悔に集中してたってことか! 俺の集中力スーパーうほーいっ!
「別にキリスト教信者って訳じゃねぇけど、ここらで懺悔でもしとこうと思ってな」
過ちを顧みて前進する真摯な姿勢! 神たる俺はみんなの鏡だからな!
「じゃあ十字架に張り付けようか」
おいおい万希葉、確かに俺は神だが、そんな儀式は現代に見合ってないぞ!
「それならアタシも協力するぜ!」
「俺も微力ながら親友の懺悔を手伝おう」
「キリストを現代に再現させるんですね!」
麗ちゃん以外ノリノリだなおいっ! あぁ麗ちゃん、貴女は女神だ。
「ヘッヘッヘッ! やれるもんならやってみやがれ! でもな、神たる俺にそんな事したら罰当たるぜ!」
「あ、うん、そうだね」
万希葉も察したようだが、俺も言ってる途中で周囲のオバハンたちから『るっせーよガキ共』って感じの視線を感じて気まずくなったのでそそくさと退散した。
それにしてもこの辺ってお高い感じの人が多いな…。なんつーかその、極端に言えば『おーほっほっほっ!』みたいなの。
とりま、気を取り直して次のスポット行くか!
暑いぜ本州! 気合いだ! 勇気だ! 根っ性っだあああ!!
ご覧いただき本当にありがとうございます!
今回は短いお話となり失礼致しました。
投稿時、24時間テレビで北斗ファミリーがゴールするシーンでございます。




