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さつこい! 神威編  作者: おじぃ
修学旅行編

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26/69

小田原行くぜ!

 うほーいっ! 昨夜は自販機コーナーで麗ちゃんとうほーいっ! だったぜ! 色白な胸の谷間がチラついて部屋に戻っても眠れなかったぜ!


 さてさて、俺たち5人は上野のホテルをチェックアウトして東京ステーションシティなうなのだが、ラーメン屋とかカレー屋とか牛タン屋とか本屋とか土産物屋とか色んな店があるぜ。


 東京ステーションシティってのは東京駅のコトだぜ。


 これから俺たちは特急に乗って城下街の小田原(おだわら)へ向かう。修学旅行らしいだろ!


 ってことで東海道線(とうかいどうせん)ホームに上がったぜ。


 ホームには俺たちが乗る白がメインで、車体の左側にオレンジと緑が広くペイントされたレトロな電車が停車中だ。東京のJRの電車は古くなると地方に引っ越してみんな新しくすると思ってたから意外だぜ。いや実際、他の電車はみんな新しい感じでこの電車だけ浮いてるぞ 。


 このホームの向かい側上方は新幹線ホーム。新幹線を間近で見る絶好の場所なのでそちらに振り返った。


「うおおお!! なんだあの新幹線!! 2階建てだぞ!!」


 俺は停車中の上が白、下が青、中央に黄色い帯を纏った2階建ての電車を見て雄叫びを上げた。


 新幹線といえば、速いけど質素なイメージだが、コイツは一味違うぜ…。


「あぁ、『Max(マックス)』か」


「おっ、勇、新幹線詳しいのか」


 勇が新幹線に詳しい理由はなんとなく察しがつくけどな。


「あれに乗ったことはないが、本州に出る時は寝台特急か新幹線だからな」


 やっぱり。勇は飛行機苦手だからな! 言わないけど。


 ってか何気に羨ましいな。俺なんか殆ど北海道から出ないってのに。


 タンタンタララン、タンタンタラランラン♪


 発車メロディーが鳴り始めたので俺たちは急いで特急に乗り込んだ。


 首都圏のJR線は駅によって曲が違うんだよな。同じ曲でもアレンジが違ったりするらしい。日曜日の夜に浜松町(はままつちょう)から上野へ向かう時「駅によって曲が違うんだな」って言ったら、たまに上京する万希葉が教えてくれた。


 指定席に辿り着くと、四人が向かい合わせになるよう座席を回転させた。海側前方の窓側が静香、通路側が麗ちゃん、後方の窓側が万希葉、通路側が勇。通路を隔てて山側の通路側、勇の隣が俺。何気に疎外感だぜ…。


 ってか勇、ちょっとしたハーレムだな。


 電車は10分もかからないうちに4駅通過して品川(しながわ)駅に到着。この駅の発車メロディーは国鉄職員だったじぃチャンからちっちゃい頃に聴かされた『鉄道唱歌(てつどうしょうか)』だ。


 品川駅を発車すると特急らしく轟音を上げて並走する最新型の各駅停車をどんどん追い抜いて行く。


 電車のモーター音と適度な震動や、リクライニングシートの座り心地が俺の神経を衰弱させてゆく…。


 あ~ねみぃ、きのう寝不足だからな…。


 ◇◇◇


「小田原~、おだわら~、ご乗車ありがとうございます!」


 東京を出発して約1時間で小田原駅に到着。きゃぴきゃぴした声の駅員さんがお出迎え。


「って水菜ちゃん!? 駅員さんやってたのか!?」


 いや~驚いたなぁ。水菜ちゃんはバイトしてるのか~。


「はい! 皆さんをお出迎えするために今だけ駅員さんです!」


「とか言ってそれ、学校の制服だろ。帽子被ってないし」


「さすが勇せんぱい! でもサプライズにはなったでしょ?」


 にっこりと屈託なく勇に微笑みかける水菜ちゃん。


「あぁ、気温は高い筈なのに寒気がした」


「勇せんぱい照れてる~。か~あいいっ!」


 水菜ちゃんは両人差し指で勇の頬を挟むようにぷにぷにした。ラブラブだなぁ。


 階段を上がると、改札の前の自販機の前に立ち止まった。


「なあなあ、こっち来てから何気に気になってたんだけど、あの自販機で飲み物買ってみたい」


「あぁ、次世代型自販機ね」


 万希葉の言う『次世代型自販機』とは、ディスプレイをタッチして購入するタイプの自販機で、人が近付いた時に商品が表示され、年齢や性別を認識し、オススメ商品にはオススメマークが表示され、遠退くとディスプレイが顔になって『東京駅なう』などとつぶやいたり、商品紹介などのスクリーンセイバーが表示される省エネ仕様の自販機である。


 神威は北海道では緑茶『うらら』に相当するJR系の緑茶『朝の茶事(ちゃじ)』の500ミリリットル入りを選択し、Kitacaをタッチした。


 ガコン!


「うおおおおおお!! お茶出たああああああ!!」


 商品が搬出されると、ディスプレイがスマイルの顔になり、『Thank you!』と表示される。


「こういうの見ると東京ら辺来たって感じするよな。よし、アタシも買う!」


 静香はモバイルSuicaのアプリを搭載したスマートフォンをタッチして青森県産の280ミリリットルで150円の高級リンゴジュースを購入。麗と万希葉もスマートフォンで同じものを購入し、勇は天然水『From AQUA』の500ミリリットル入りを購入した。5人が購入したドリンクはいずれも東日本エリア限定商品だ。


 改札を出ると、高さ4.5メートル、幅2.4メートルと、やたら大きい小田原提灯(おだわらちょうちん)のぶら下がる広い駅舎を出て徒歩5分。小田原城下(おだわらじょうか)の広場に到着した。


「なあなあ静香、小田原城は誰が建てたか知ってるか?」


 こういうクイズは静香に振るのがイチバンだ。


「おっ、アタシにクイズとはいい度胸じゃねぇか! 小田原城はな、大工とか、まぁそんな感じの色んな人が建てたんだ!」


「おお、さすが静香!」


「だろ!?」


「がーはっはっはっ!」

「わーはっはっはっ!」


 ちなみに定期考査における『歴史』の点数は二人とも30点前後だ。


 小田原城は14世紀末、土肥(どひ)氏の命により築城されたと伝えられている、標高123メートルの富士山や相模湾、伊豆大島(いずおおしま)や江の島などを一望できる見晴らしの良い城である。


「うほーいっ! 海と山と街が一望だぜ!」


「東京タワーとは違う眺めだな」


「勇せんぱいたち、東京タワー行ったんですかぁ」


「後でランドマークにも行くよ」


 ランドマークでは麗ちゃんと二人で夜景を眺めたいところだが、まだ明るい19時までにホテルへ行かなきゃいけないのは残念だ。


「その前に温泉で万希葉のおっぱい大きくしないとな!」


「ちょっと静香!」


 いやいや、万希葉はCくらいあるけど、静香はAにも及ばないから立場を逆にするべきだろ。まぁあれはあれで需要あるのかもしんないけどな。


 天守閣でワイワイしたり、修学旅行らしく城の中をじっくり見学した6人は、このあと小田原市街を散策し、名物の『小田原おでん』を食べてから箱根の日帰り温泉施設へ向かうのであった。

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 今回は旅行ガイドのようなお話になりましたが、次回は入浴シーンをお送りする予定です!

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