表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

体育館の悪魔

作者: 口羽龍
掲載日:2026/06/14

 山本貴之は新人の中学校教員。担当は体育だ。小学校の頃からスポーツ万能で、運動神経がよかった。中学校の頃に、体育の先生になりたいと思って、大学で中学校の体育教員免許を取得して、今年から体育教員になった。


 今夜は初めて宿直を任された。宿直は大変だけど、頑張らないと。そして、いい教員にならなければ。そして、多くの中学生からの支持を得なければ。


「今日は宿直か・・・」


 山本は暇そうにテレビを見ていた。中学校の電気は、宿直室以外消されている。校舎はとても静かだ。朝から夕方にかけての騒がしさがまるで嘘のようだ。本当にここは騒がしかったのかと思うぐらいだ。だが、朝になればまた騒がしさが戻ってくるだろう。そして、また教員としての仕事が待っているだろう。


 山本はいつも見ているテレビ番組を、宿直室で見ていた。いつもと違う場所で見ると、どこか新鮮に感じる。どうしてだろう。部屋が違うだけで、こんなに新鮮に感じるものかな?


 突然、誰から部屋をノックした。同僚がやって来たようだ。


「はい」


 その声とともに宿直室に入ってきたのは、同僚の東だ。東はコンビニの袋を持っている。どうやら宿直の山本に差し入れを持ってきたようだ。


「宿直お疲れ様です!」

「ああ、ありがとう」


 東は袋から、缶ビールと柿の種を出した。山本は驚いた。どうやら、宿直を頑張っている山本に、東はご褒美をしようと思ったようだ。


「まさかこんなのがもらえるとは。ありがとう」


 山本は缶ビールを開けた。すぐに飲むようだ。


「誰もいないけど、カンパーイ!」


 東は何も持っていないけれど、山本と一緒に、乾杯のポーズをした。そして、山本は缶ビールを飲んだ。普段は週末しか飲まないが、たまにはいいだろう。東が差し入れをくれたのだから。


 東は宿直室を出ていった。その直後、駐車場から東の車が出ていった。山本は窓からその様子を見ていた。


「はぁ・・・」


 また1人になってしまった。とても寂しいけれど、1晩耐えないと。次の朝には、また多くの人がやってくるから。


「つまらないな・・・」


 山本は缶ビールを飲み、柿の種を食べつつ、スマホで恋人の直美なおみの写真を見た。


「直美・・・」


 直美はこの近くの会社でOLをしている。大学で出会い、交際をしている。だが、その事は誰にも内緒だ。できれば、一人前になってから、プロポーズしたいな。


「頑張るよ・・・」


 そろそろ見回りだ。暗くて怖いけれど、行かなければ。


 山本は暗い廊下を歩いている。廊下は電気がみんな消えていて、非常口の場所を伝える緑の明かりがとても目立っている。廊下はとても静かで、誰かが後ろから来そうで怖い。だけど、宿直で見回りをする以上、耐えないと。


「うーん・・・」


 山本には、少し気になっている事がある。それは、体育館だ。この中学校の体育館は、変な噂がある。ここの体育館を夜に訪れると、生きて帰れないと言われている。それは本当だろうか? もし本当なら、行ってみようかな? そして、自分はそこからの生還者になるんだ。


「あの体育館、気になるな。行ってみるか・・・」


 山本は体育館に行ってみる事にした。体育館は校舎から少し離れた所にある。体育館は今から数十年前にできたもので、主にバスケットボール部、バレーボール部、卓球部が使っている。


「静かだな・・・」


 山本は校舎を抜け、体育館までの通路を歩いていた。そこまでの通路も静かだ。左には運動場があるが、その先には漆黒の闇が広がっている。とても不気味な雰囲気だけど、朝になればまた騒がしい日々になるだろう。


 山本は体育館の前にやって来た。当然、体育館も電気が消されている。


「ここか・・・」


 山本は体育館の中に入った。入った瞬間、山本は驚いた。体育館の用具やボールが勝手に動いている。まさか、お化けだろうか? これはどういう事だろうか? まさか、おばけだろうか?


「えっ・・・、そんな・・・」


 山本は嫌な予感がした。これは帰らないと。何かされそうで、怖い。早く宿直室に戻りたい。


「これは帰らないと!」


 山本はすぐに帰ろうとした。だが、ドアが開かない。どうしてだろう。鍵は外側からかけるのに。


「あれっ、開かない! どういう事だ!」


 怖くなった山本は、近くにあった用具室に入った。ここで隠れて待っていれば、事態が収束すると思ったからだ。早く元の体育館に戻ってほしいよ。


「怖い! ここに避難しよう・・・」


 山本は用具室に入った。用具室はとても暗い。何かが出てきそうだ。だけど、それが収まるまでここにいよう。


「はぁ・・・」


 山本はほっとした。一体あれは何だったんだろうか? 噂とは、あれだろうか? この中学校には一体、何があったんだろうか?


「何だあれは! こんなに怖いとは・・・」


 噂で聞いたが、こんなに怖いとは思わなかった。夜にここに来たら、行けないな。もう行かないようにしよう。


「えっ!?」


 と、山本は誰かの気配を感じた。山本は振り向いた。だが、そこには誰もいない。一体、誰だろうか?


「誰もいないな・・・」


 山本は知らなかった。その間に、天井からロープが降りてきて、首に巻きついているのを。


 突然、山本は首を絞められた。山本は驚いた。今度は何だ?


「うっ・・・」


 山本はばたついた。だが、山本の体が上がっていく。


「カッ・・・」


 山本は気を失い、絶命した。そして、体育館の騒がしさも収まった。




 翌朝、中学校は騒然としていた。山本がいないのだ。一体どこに行ったんだろうか? 昨夜は宿直をしていたのに、宿直室にいないのだ。


「どこに行ったんだろう」


 東は体育館に入った。体育館には、誰もいない。まだ、中学生は朝練をしていないようだ。


 東は用具室に入った。するとそこには、首を吊っている山本がいた。もう死んでいる。


「ギャー―――――――――!」


 東は悲鳴を上げた。まさか、山本は首を吊って死んでいるとは。


 関係者は最初、自殺だと思った。だが、何にも悩んでいる事はなかったという。だが、ある人は言っている。この用具室で首吊り自殺をした中学生がいて、その亡霊ではないかと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ