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惜別の百合


「あ、その前に」


 これからみそら先生が何かを始めようとしているとき、遮ったのはゆたかだった。

 その声につられてゆたかを見上げると、さっきのあかりを見た後だと見劣りするが、誰よりも高い身長のゆたかを見上げるとやっぱり首が痛い。


「菊地原先生がどうなったのか気になっています。どうせ大丈夫なんでしょうけど」

「あ、それは俺も気になってた」


 どうせ以降のゆたかの表現には苦笑するが、俺も同意する。

 遮られて不満そうに口をとがらせていたみそら先生も小さく笑って、安心して良いよ、との返事。


「彼と接触し、無事であることを確認済みだ。分裂した別の私が彼と会い、情報共有も済ませてある。それを受けて先に戻ったか、私と同じようにリスク分散しながら探索を続けているか、彼がどのような行動を取ったのかはまだ共有されていないけどね。どちらにせよ、君たちは心配しなくて大丈夫だ。男性の私のことを気にかけてくれてありがとう」

「でも、あの丸い形の“無の壁”については……」


 ゆたかが指摘したのは、俺たちが散々見つけてきた球体状の“無の壁”について。

 みそら先生が分裂して調査にあたってくれたのは、その異例の存在を見つける前のことだったはず。

 その状態のみそら先生が菊地原先生と情報共有していたとしても、あの突然出現するやつは知らないはずだ。

 もしあのときの俺たちのように“無の壁”が外側から迫ってくるものとしか認識していなかったら、菊地原先生と言えど虚をつかれてしまうかもしれない。


 しかし、みそら先生はその心配も不要だと言う。


「泡型の“無の壁”については、調査に出た私たちの間でも発見されていたよ。だからそれも含めた情報伝達はできている。残念ながら君たちと一緒にいた私は、伝えることができていない状態で邂逅してしまったようだけどね」

「あ、なるほど……」


 泡型と言って指すのは、俺たちの見つけたそれと同じもののことだろう。

 言われてみて、納得する。

 ただ立ち止まっていた俺たちは偶然あれの出現場所と重なり、不幸にもみそら先生は触れてしまった。

 しかし、調査に向かった分身のみそら先生たちは、そんな俺たちよりあれと出会う確率はずっと高いだろうと考えられる。

 ともすれば、みそら先生の言っていたことには納得感がある。

 みそら先生の言うとおり、俺たちのもとにその情報を持った分身のみそら先生が間に合っていれば、あんなことにはならなかったのかもしれない。

 しかしそれはあらぬ空論で、そのIFは言っても仕方ないし、ここで起きたそれは世界が分かたれることもないかもしれない。


 とにかく姿は見えないけれど、俺たちの心配は杞憂であったことを知り、安堵の息をつく。

 ゆたかも僅かに息を漏らしたのを見て、なんだかんだ言ってゆたかも菊地原先生のことを思っていたのだろうことが知れた。


「では、他に質問はないかな? なければ始めよう、世界渡りの儀式だ」


 みそら先生が俺たちを見渡し、今度こそと頷く。


「まずは安全確保の準備をしよう。花びらを散らすのはゆうな君の発想だったね? あれは良いものだ。私とはアプローチが違うが、とても視認しやすくて良いね。この場においては有効活用させてもらおうか。あ、いや、あかり君は頑張らなくても大丈夫だよ」

『あ、はい』


 みそら先生の言葉を受け取り、あかりが反応する。

 あかりはまた花びらを降らせる準備でもしていたのだろうか。

 優しく微笑むみそら先生に制され、あかりは上げかけていた手を下げた。


「ありがとう、あかり君。ということは、さっきのイメージは君がやってくれていたんだね。やはりあかり君はイメージを実現させる力が素晴らしい。ここに長く滞在していて努力が故の賜物だろうね。でも、ここは私に花を持たせてもらおうかな。ふふ、ちょっとしたダブルミーニングさ。これは私からの手向けだよ」


 みそら先生がイメージする際、果たして仰々しい動作が必要なのだろうか。

 右手、左手の順に両手を広げ、みそら先生を中心に地面に花が咲き乱れる。

 あかりがしたそれのような花びらが宙に舞うものではなく、真っ白な地面から芽吹き、何十倍にも再生速度を上げた動画のような速度で成長して花開く。

 それは視界の端から端に渡るまでのとんでもない広さに対して。

 すっと伸びた茎に咲く白い花弁。先端がカールして豊かに咲くそれらは、花に詳しくない俺でも百合の花だということがわかった。


「綺麗ですね。私たちの関係から、ですか?」


 見惚れたようにみそら先生の咲かせた一面の百合の花畑を眺め、ゆうなが問う。

 みそら先生は頷きながら、笑む。


「ふふ、その意味もまたダブルミーニングだね。百合でも、カサブランカだよ。私はバラのように真っ赤にたぎるのも好きだが、カサブランカのように気高く純潔な花も好きでね。カサブランカには祝福という花言葉もあるんだ。少しばかり時期がずれてしまっているけれど、こうして帰路にたどり着けた君たちに手向けるのに適した花だろう?」

「そうですね。私、百合だなんだって言われるのは好きじゃないんですけど、これは綺麗です」


 俺も、と言ってあかりが頷き、二人は顔を見合わせてほっと息をつく。

 あかりが作った花びらを舞い散らすのも綺麗だと思ったが、視界いっぱいに広がる百合の花畑には壮大さがあり、目をみはる美しさがあった。


 唯一、それを見るゆたかの顔だけが暗い。

 眉尻を下げ、惜しむような表情を浮かべているゆたかに何故かと問えば、


「あきらとお別れになってしまうな、と思ってね」


 言われ、その事実が胸に刺さる。


「危険を感じて急いで帰るように動いてきたけど、私たちがそれぞれの世界に帰れば、あきらとはもう会えなくなってしまう。きっと“無の壁”によってこの“裏側”は閉じられてしまうから、次はないのかもしれない。それに気づいてしまって、途端に寂しくなってしまってね」

「ゆたか……」


 背の高いゆたかは、顔を伏せても表情の変容を見るのは容易い。

 特にあかりの体に変身したままの俺から見れば、寂しそうにするゆたかの顔ははっきりと見えて、胸が締め付けられる想いに駆られてきた。


 そうだ。ゆたかの言うとおり、これでお別れなんだ。

 理解した事実はちくりとした痛みを与え、心の内側に解けていく。


 ふと気になってゆたかを見上げていた視線をゆうなに向けると、同じような表情が浮かんでいた。


「あきら。良かったら、私たちが帰るまでその姿でいてほしいな。一日足らずの付き合いだったけど、私たちにとって、あきらはその姿だったから」


 そう言うゆうなは真剣な顔。

 あかりの体のままだったのは成り行きというか、急に現れた“無の壁”から逃げてみそら先生と合流するのに必死でそんな余裕がなかっただけのこと。

 一日、あかりの体から元の体に戻りたくて動いてきた俺からすれば、そのゆうなからのお願いには複雑に思う感情はあるのだけど、どれもゆうなの気持ちを意固地に断るものでもなかった。


 俺が頷くのを認めたゆうなは、砕けた笑みで笑う。

 ふわりとしたその表情は、俺にとって馴染み深いそれと重なる。


「ありがとう、あきら。そして……ううん、やっぱりありがとう。あなたには謝らなくちゃいけないことがいっぱいあるし、そう言い表せられるものでもないんだけど、あきらにはすごく感謝してるの。あきらが来てくれたおかげで、いろんなことを掛け違える前に素直になれた気がしてる」


 俺の正面に立つゆうな。

 目を細めて笑うゆうなの顔を見上げた途端、ゆうなから優しくも力強く俺を抱きしめられた。

 小さく震えてしまったのは、少し驚いてしまったから。


「うん、やっぱりあきらは違うね。あかりと似てるところもいっぱいあったけど、そうじゃないところもいっぱいあったわ。私は頑固でもう男の子を好きになんてならないなんて思ってるからかもしれないけど、あきらは女の子の才能あったわよ? 可愛らしい性格してるもの」

「い、いらないよ、そんな才能。もう勘弁だ」


 口では嫌がってみせるものの、心の底から嫌だという感情が湧いているわけでもない自分の心境の変化に驚く。

 もちろん本来の自分の体に戻りたいのは間違いないのだけど、あかりの小さな体でいることにも慣れてしまったというか。

 抱きしめられるという行為をとって考えれば、朝に初めてされたときはどぎまぎしていたけど、今では慣れた心地のする感触。

 自分よりも大きなゆうなの体に包まれているという安心感さえ、今の俺には感じられるほどになっていた。


「まあ、でも、俺の方こそありがとう。ゆうなのおかげでたくさんのことが知れて、自分を見直すきっかけになったよ。あと、ゆうながこんなに頭が切れるなんてこと知らなかったから、元の世界に戻ったら喧嘩しないように気をつけるな」

「なによ、それ」


 ゆうなは俺を抱きしめるのをやめ、俺の両肩に手を置いて体を離し、膨れっ面に。

 そんな可愛らしい表情を見せるゆうななんて久しぶりに見たから、思わず笑ってしまう。

 それにゆうなはまた怒ったように振る舞うが、どこかふざけている雰囲気もあり、互いに笑い合う。


「冗談っぽく言ったけどさ、ゆうなに感謝してるのは本当だ。ゆうなが本気になって協力してくれてから、一気に物事が進んだ気がする。ゆうながいなかったら、時間内にここまでたどり着けなかったと思う。だから、ゆうなが味方してくれて良かったって思うよ。ありがとう」


 ゆうなが俺の言葉を笑って受け止めるのを認め、またゆたかの方を見上げる。

 俺が感謝したいのは、もちろんゆうなだけじゃない。


「ゆたかにもすごく感謝してる。俺、ゆたかがいなかったら何もできずにパニックに陥ってたと思う。急に知らない世界に放り出されて、俺は女になってるし、彼女はレズビアンになってるし、他のみんなも性転換しちゃってるし。でも、こんなオカルトなことなら助けてくれそうなやつ――ゆたかがいるって安心感があったから動けて、ゆたかが助けてくれて、救われたんだ」

「いや、私は何もできなかったよ。ただ先生を紹介して、かき乱して、邪魔をしてしまっただけさ。あきらには謝りたい気持ちでいっぱいだよ」


 見上げるゆたかの顔は、先ほどとはまた違った悲しみを帯びたものになっている。

 憂う瞳は、ゆたかの気持ちを思えばこう思うのは違うんだろうけど、すごく綺麗で美しいものに見えた。


 それを、ゆうなが意地悪そうな表情を浮かべて見上げる。


「菅原さんって普段は堂々としているのに、結構ネガティブよね。地が暗いっていうか、自己肯定感が低いっていうか。あきらもこう言ってるんだし、最後なんだから、笑顔で見送れるように感謝で締めたほうが良いんじゃない?」

「ゆうなはしっかりしてるね。今日からの付き合いだけど、私よりよっぽど大人に見えるよ」

「そう? ありがと」


 こうやって言うのよ、とでも言わんばかりに茶目っ気を見せ、ゆたかは一瞬だけぽかんとしてから吹き出して笑う。

 そして、ふと肩の力が抜けたように、ゆたかの表情が軽くなったのが見て取れた。


「しかし、ゆうなの言うとおりだ。私はあきらのおかげで、自分の気持ちと向き合うきっかけができた。腹に抱えていた汚い部分も含めてね。得難い経験だったと思う。どこまであきらの役に立てたのかはやっぱり自信がないけど、私はあきらと出会えたことに感謝しているよ。大げさに言うと、世界を超えた友人関係だと思っている。あきらもそう思ってくれていると良いのだけれど」

「もちろん。俺もゆたかと友達になれたと思ってるよ。……あー、でもそうだな。思い返すと、レズビアンについて知ろうって言われて動いたあれ、やらなくても元の世界に帰れたからな? ゆたかが暴走したせいで遠回りしたのは間違いないぞ?」

「ちょ、ちょっと、あきら。それは言いっこなしじゃないか……」


 ゆたかは慌て、チラチラとあかりの方を気にし始める。あかりはまたよくわからないといった表情で返すだけだが。

 またネガティブなことを含めてきたので、俺もゆうなの真似をしてみただけで、もちろんそのことでゆたかを責めるつもりはない。

 どちらかと言うと文句を言いたいのは菊地原先生に対してだけど、まあ菊地原先生も俺の持つ少なすぎる情報からそれを導き出してくれたわけだし、仕方ないのだろうとは思う。


 そう、ゆうなもゆたかも同じように言ってくれたけど、俺たちには互いに感謝し合う気持ちと謝りたい気持ちが混在している。

 今日一日。たった一日の出来事なのに、いろんなことがあった。

 長く、重く、思い返すだけでも胸焼けがするくらいに濃厚な一日。

 そこであったこと、知ったこと、起きたことは忘れることはないし、これからの俺を形作っていくものになるのだろう。


 俺は助けを求め、助けられる存在だった。

 そんな俺がこうして帰ることができる状態までこぎつけたのは、協力してくれたみんなのおかげに他ならない。

 それは、あかりも適用されること。

 あかりの方へ体を向けると、戸惑いを強く浮かべた表情で、俺より少しだけ高い位置にある視線を交わしてくる。


『な、なんだよ。順番的に次は俺ってことか? 無理すんなよ? お前が俺にありがとうって言うのなんて、想像するだけでも気持ちわりいからな?』

「どんだけ俺のことを毛嫌いしてんだよ、お前は……」


 矢継ぎ早に憎まれ口を紡ぐあかりに、苦笑するしかない。

 そう言えば、みそら先生がいる前でもあかりはいつもどおりの調子に戻っているように思う。

 単にみそら先生に慣れたのか、さっきのあれで人見知りしているどころではなくなったのか。わからないけど、本調子のあかりの方が気持ちが良いのはたしかだ。


「無理じゃねえからちゃんと言う。俺はあかりにも感謝してる。あかりはすごく大変だっただろうけど、あかりがずっと“裏側”にいてくれたおかげで、そこで会ったあかりとの記憶を思い出せたおかげで、ようやく元の世界に戻るために必要な一歩を踏み出せたんだ。ありがとう」


 あかりの反応は、これまでの二人とは真逆に、顔を引きつらせるもの。

 それはすごくムカつくことではあるけど、あかりらしさもある。


『うげ、気持ち悪い……。あー、言っとくけど、ゆうなが言うから仕方なくその姿でいるのを許してるけど、これで最後だからな。もう二度とこんな美少女になれないんだから、その点でも最後まで感謝しとけよ』

「そこには感謝はしねえけど、まあ可愛いのはそうだな。もっと鏡を見ておけば良かったよ」

『おま……気持ち悪いこと言うなよっ』


 自分から言っておいてその反応もどうかと思うが、焦ったように怒り出すあかりの愛らしさがわかってしまうのは、もしかしたらゆうなに毒されてしまったのかもしれない。


 そんな愚にもつかないことを思っていると、おかしそうに笑うみそら先生の笑い声が耳に入ってきた。

 見れば、慈しむような優しい目で俺たちのことを眺めていた。


「うんうん、良いね。そうやって互いに感謝し合う気持ちは素晴らしい。青く、甘酸っぱく、みずみずしい。私たちは危機に苛まれながらも、幸いあの存在は今このタイミングでは邪魔をしてこないようだ。空気を読んでくれているのか、私たちが祝福されているのか。ゆたか君の言うようにこれが最後になるだろうから、もう少しだけ時間の猶予を作るためにも、帰るための扉を作っておこうか」


 それは、俺たちが元の世界に戻るための最終準備。

 みそら先生が軽やかな動作で右手の指を鳴らすと、俺たちの背後に巨大な門が虚をついて出現する。

 それに驚く間もなく、もう一度指を鳴らす音が響き、今度はみそら先生の背後に同様の巨大な門が現れた。

 その門は西洋風で壮麗な装飾の施されており、実用性よりも美術性に優れているタイプのもの。

 高さは先ほど巨大化していたあかりでもくぐれそうなほど大きなもので、二本の太く大きな柱でアーチ状になっており、鉄製と思われる門扉で閉められている。


 さらにもう一度、みそら先生が指を鳴らす音が響くと、その重々しい門扉がひとりでに開き始めた。

 俺たちの後ろ、みそら先生の後ろに現れた二つの門扉が同時に開き出す。

 出現したのは門だけなのに、開いた隙間から見える景色は、決して門の向こう側にある百合の花畑のものではない。

 深淵の闇に星屑が放られ、かき混ぜられているような現実離れした景色が門扉の隙間から覗き込め――直感的にそこが“裏側”における出口なのだと感じる。

 現実離れという観点で言えば、この“裏側”に来てから相当数味わってきたと思っていたのだが、それでもその光景は自分の目を疑いたくなるくらい不可思議なものに見えた。

 自動的に開き出した門扉は完全に開き終え、重々しい金属音が周囲に響き渡る。


「別に門である必要はないのだけれど、よりイメージしやすくするための私なりの工夫さ。これをくぐって出るとき、自分の体に戻るというイメージを強く持つんだ。そうすれば、元の世界に戻れる。成功体験のある方法だよ」


 みそら先生は、自身が生成した背後にある巨大な門に近づき、その柱に手をかける。

 俺たちは突然現れた巨大な建造物に戸惑い見上げて呆けるしかないのだが、みそら先生は親しみあるものであるかのように軽くペチペチと音を鳴らして叩いていた。


「こちらの門は私とあきら君のためのもの。もう一方はあかり君たちのためのもの。準備は整い、すでに危険は可視化されたから、みんな好きなタイミングで帰ると良いよ」


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