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俺はレズになりたくなかった  作者: ぴーせる
モノローグ:
1/116

俺の彼女を紹介します(※挿絵)

執筆開始日:2009/04/02

小説家になろう初公開日:2010/06/30


 ゆうなと付き合ってからの三ヶ月はあっという間だった。


 俺から告白したのが六月、梅雨もあけて夏を感じ始めたころ。


 交際を開始してからデートを重ね、俺の部屋に呼んだり、ゆうなの家に遊びに行ったり。

 定番の映画館や遊園地、夏だからプールにも海にも連れて行って、ラブホにだって行った。


 思い返せば止まらないほど色んなことをしてきたのに、あれだけ緊張した告白が三ヶ月も前のことだなんて思えない。


 楽しいことというのは、やっぱりそういうことなんだ。


 ゆうなのことを思うだけで、俺の心はぬくもりに溢れる。


 百六十に満たない身長に、程よく締まった体。

 肩まで伸びた茶髪はふわふわで、撫でるとこちらの指まで綺麗になったような錯覚さえ起きる。

 整った顔は綺麗で、柔らかい雰囲気をまとっているのに強い芯を持っているよう。


 どこからどう見ても可愛い、俺の自慢の彼女だ。


 ゆうなの隣を歩くだけで誇りに思い、負けないようしゃんと胸を張れる。


 そんな俺を「あきらは、いじらしくて可愛いね」なんて言われてしまって、少しばかり恥ずかしい。


 でも、釣り合わないなんて思われたくないから、俺はいつだって姿勢を良くするんだ。


 同じ大学に通っている俺たちは、学科こそ違えど、学年は同じ。

 互いの空き時間で会うこともあるし、週に二回は遊べるように工面もしている。


 付き合って三ヶ月が危ないとはよく聞くけど、今の俺たちにそれはなかった。


 順風満帆。

 いくら顔を突き合わせも笑顔は絶えず、冗談混じりでも結婚の話が上がるのは悪いことじゃないと思う。


 ――だから、俺は疑いもしなかった。


 俺たちが歩く道は明るいと信じていたし、蹴躓いたって手を取り合えば平気なんだって。

 喧嘩もしたことなくって、いつも笑い合える関係が続くんだって。


 そう思っていた。


 九月十二日、俺の誕生日。

 その日もいつものように、いつも以上に楽しくなるって。


 ……今思えば、疑えるはずなんてない。


 俺の誕生日に、俺が女に成ってしまうなんて予想できるわけないんだから。


-----


挿絵:COⅡさん

挿絵(By みてみん)


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