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ビビッと解決ヒーロー便利屋  作者: これくれいろは
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第五話 ビビるだけでもいいじゃない

そして俺は今、ベッドの上で拘束されていた。

なぜこんな事になったのかと言うと、椅子とともに倒れた状態になった俺は見苦しい言い訳とともにご飯を持っている大堀さんにこう言われた。

「そっか、ごめんね。この状態じゃ辛いもんね。」

そこの気遣いはできるのかよ!と思いつつも大堀さんに縄を解かれ足と椅子が分離した。

その音と同時にカチャッとした音が聞こえ、下を見るとそこには手錠がかけられていた。

手錠って足につけるもんなの?と思いこう聞いてみる。

「お、大堀さん?解放してくれるんじゃなかったのかい?」

そう言いながら大堀さんの方を見るが何がおかしいのかわからない顔をしてこう言う。

「そうだよ。だから椅子から君を離してるじゃん。」

続いて二度目のカチャッとした音が聞こえる。

手に手錠つけるの早くね?と思っていたが少し考えてみれば俺も足を解かれたとき抵抗すればよかったのかもしれないと思うのであった。

そこから手の縄を解かれて俺がヤクザ系のドラマで見る海に捨てられてしまうような格好をしたままベッドに誘導させられた。

もちろん多少自由になったが、意外と動き慣れていないのか肩を貸してもらわないと立つことができないような状態だった。

そして無事ベッドまで担がれたのだった。

大堀さんは意外にも怪力だった。

シュッとしててお姉さんキャラなのに筋肉キャラにもなれるとかそれはそれでキャラが濃い!

そんなことを思っている間にも海に捨てられそうな加賀谷爽から磔刑にされているような加賀屋爽に大変身!!・・・というふうになったのだ。

そして、この頃になると俺はもう気持ちが吹っ切れたのかもはや恐怖は微塵もなく何が来ても耐えれるような気がした。


ここまでが俺の回想。

そしてここからが現実。

ベッドで磔刑にされた俺は早速少し冷めたオムライスを大堀さんに食べさせられていた。

もちろん自分で食べたいが、貼り付けられているようなものなので食べることも逃げることも何もできない、そう、お姉さんが食べさせてくれるのだ!断る理由も無かろう!

そんなこと考えているとふと俺のさっきの記憶が蘇る。

あ、あれ?これもしかして何か入ってんじゃね?

そう思いながら少し注意して見ながら食べさせられていると、急に口の中に固い食感があった。

さっき思っていたことが蒸し返され吐きそうになったが、それを頑張って止めて口の中に異物がある状態で大堀さんに聞くことにした。

「お、大堀さん、この硬いのはな、何?」

「あ、気づいちゃった。それは・・・。」

「それ、は?」

「私、オムライス作ったんだけど、そんなに器用にいかなくて・・・焦がしちゃった。」

大堀さんが少し小声になりそうになりながらそう言う。

俺は少し間を開けてから心のなかで、まじかよ!?と思うのであった。


ご飯を食べ終わったあとは俺もほとんど緊張しなくなったのか、少し大堀さんと会話ができるようになった。

「なんでこんな拘束とかしてくるんだ?俺はもう逃げようとする気はねーぞ。」

「そんなこと、決まってるくない?この流れなら。」

そう言いながら少し、照れくさそうにこんなことを言う。

「君が好きだからに決まってるじゃん。」

シンプルな一言に俺の心拍数は一気に跳ね上がった。

落ち着け!俺!俺と心中してきたようなやつだぞ!あんまり信用してはだめだ!・・・でも、いい気分でないことは全くない。

そんなことを思っていると大堀さんがこう聞いてきた。

「そ、それで、君は私のことが好きかい?」

ここでまだわからないと言ってしまうと容易にその後の死チュエーションがわかってしまうので、少しオブラートに包んで言ってみることにした。

「あんまり俺と大堀さんは喋ったことがないだろう?その時点で好きか嫌いかを決めるなんて難しいんじゃないかな〜。この質問の答えはもっと大堀さんのことを知ってからしたいな〜、なんて。」

「・・・そっか。」

え?もしかして完全に間違えた?これは想像道理の死チュエーションになってしまうのか?

「・・・そうだよね。私の気が少し早かったみたい。私も君のことをもっと知りたいから、とりあえずはそれでいいや。」

よかった〜と思いつつ、こうなったらできる限りこうなった理由に迫れるようにしていかないとと思い、俺はいろいろ聞いてみることにした。

「じゃあ、質問です!なんで俺の名前を呼ばずに『君』とか使うんですか?」

「それは、ちょっと恥ずかしくて・・・男性の名前とか呼んだことなくて・・・。」

初心がレベル上限突破してるじゃねーか!?!?

「え?今まで授業とかどうしてたの?」

「あの〜とかで通ってきたし・・・。」

行動が大胆なのにこの差は何?!

とりあえず少しからかってみて、大丈夫そうならあのことを聞いてみよう。

「じゃあ、俺のこと爽って呼んでよ。」

「え?!そ、それはまだちょっと・・・。」

「こんなことしてるぐらいなんだから全然できるでしょ〜。」

「え〜、じゃ、じゃあ、呼んじゃうね?呼んじゃうからね?!」

そう言い、少し間を開けて呼ぶのであった。

「爽?」

「なんで疑問形なんだ?」

「いやだって、慣れてないし・・・。」

少し照れながら言う大堀さんのことを可愛いと思ってしまったのは内緒である。

お姉さんキャラがこういうことできるのはちょっとずるくない?!

ふと時計を見て、今が8時30分になっていることに気づいた。そこであのことを話そうと思った。

「もう8時30分だし、そろそろ俺帰らないと親に怒られちゃうし〜。」

少しほのめかすように自分を解放させる要求をしてみた。

「そうだったよね。私がいらないってことだよね。」

その瞬間俺の背筋がゾッとした。大堀さん明らかに様子がおかしくなっていた。

「そ。そんなことないよ!別に大堀さんがいらないとかそういうことじゃなくてさ!親が心配するというか、なんというか・・・。」

俺は必死に弁明しようとしたがその声は届かず、かき消されるかのように大堀さんの声が聞こえた。

「なんで?・・・なんで、私から離れていくの!全部全部全部全部・・・・!もう、私を・・おいていかないでよ・・・。」

大堀さんの声はどんどん小さくなっていく。大堀さんの目には涙が溜まっていた。

「大堀さんに何があったのかはわからないけど俺は聞くよ!いや、聞きたい!何があったのかを!

だって俺は大堀さんが好きな人なんだろ!!」

大堀さんは少し間を開けて俺にこう言った。

「聞いてくれる?」

俺が無言で頷くと大堀さんは話し始めた。


私は幼い頃、両親と友達に恵まれた。

何不自由ない生活、喧嘩もない友人関係、両親との関係も良好。それらは決して普通のものではない。

しかし、持っているときはそれを普通に持っているときに感じる。

それゆえに私は脆かった。だから、私の純心はいとも容易く壊れたのだ。

最初のヒビは母さんの死だった。交通事故で亡くなったそうだ。

子供を助けて。

当時小学生だった私には欠けること知らなかったため、今でもそれが疼く。

それを加速させるかのように父さんはストレスで仕事にのめり込み、私を構う人は友達しかいなくなった。

突然の孤独に私は絶望を感じた。

時というものは止まってくれなくて、その後父さんは私が中学生のときに過労で倒れた。

そして幸いお金には困らず、病院通いになるが父さんとの日々は再開したと思われた。

しかしそれは勘違い、だったとでも言うべきなのか、父さんは母を追うかのように高校の合格を伝えようとしたその日死んでしまった。

相続などは私に血縁者がいなかっため殆どが私のものになった。

両親と親戚にあったことはなかったがいないものとはその時になるまで知らなかった。

両親が亡くなり、私は自分を守るかのように過去のことを記憶から薄れさせ、自分じゃない自分を作り出し、普通に高校生活を営んでいた。

そんなときに出会ったのが彼だった。彼は私と似ていた。

彼は私と同類なのか、自分じゃない自分を作り出し、毎日過ごしていた。

最初は同類を見つけたとしか思っていなかった。

興味を持ったのは一緒に死んでくれるのではないかという今から思えばおかしな動機。

日が経つにつれてそれが恋というべきものなのかはわからないが彼のことを追うようになっていった。

あの時にあんなことが起きたことが私の心をかき乱したのだ。

私が電車に乗って安い食材を買い出しに行っていたところ、同じく電車に乗っていた彼を思わず尾行してしまった。自分でも何をしているのかわからなかったが、彼が何しているかが気になったのだ。

謎看板?の建っているの家の前で女の子と話している彼を見つけた。

その時胸がずきっとした。しかし、それと同時に裏切られたように感じた。

私はそこに立っていることが耐えられなくなり、その場から逃げ出した。

その後は八つ当たりのように彼と心中してやると考え、あんなことをした。



本当に私はどうかしている。

私がいなければよかった。


私は同類が同類から抜け出すことを許せなかった。

ただ、それだけだった。

お久しぶりです。これくれいろはです。いや〜、ついに大堀さんの過去が見れましたね〜。大堀さんの過去を考えるのにだいぶ悩んだのですが、思いついたときに書き殴りました。(この場合は打ち殴りか?)

ということで今回の話が面白かったら何かコメントでも書いていただけると幸いです!

ではまた2週間後にお会いしましょう!

おつくれ〜(YouTuber風)


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