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未来について

 大学の昼休み。あゆみはカフェテリアで奈緒とかずきと一緒にランチを取っていた。昼下がりの光が差し込む中、いつもの和やかな雰囲気が漂っている。


「あれ? 如月、何それ?」


 かずきが、あゆみの首元に目を留めた。あゆみの胸元には、小さなネックレスが揺れていた。その先には、輝く指輪がしっかりと収められている。


 あゆみはその視線に気づくと、嬉しそうに笑いながらネックレスを手に取った。


「これ? すばるさんからもらったの。」


 指輪を誇らしげに見せびらかすあゆみの顔は、喜びに満ちていた。




「ええっ! すごい! それ、つまり……プロポーズってこと?」


 奈緒が声を弾ませて身を乗り出すと、あゆみは恥ずかしそうに頷いた。


「うん……結婚することになったの。」


 その言葉に、奈緒は目を輝かせて両手を叩いた。


「おめでとう! すっごいじゃん! いや、まじで感動だわ!」


 一方で、かずきもニヤリと笑いながら腕を組んだ。


「そっか。まあ、あいつなら安心だな。お前がそう決めたなら俺も祝うよ。」


 素直に祝福の言葉をかけるかずきの様子に、あゆみは少し驚きながらも、心からの感謝を込めて微笑んだ。




「あ、でもなんで指輪を指にはめないの?」


 奈緒が不思議そうに尋ねると、あゆみは指輪を軽く指先で撫でながら答えた。


「卒業してからにしようって、すばるさんと約束したの。今はまだ学生だし、落ち着いたらちゃんとつけるつもり。」


 その言葉に、奈緒はうなずいて「なるほどね」と納得した様子を見せた。


「それにしても、すっごく素敵だね。その指輪。」


「ありがとう。」


 あゆみは満面の笑みを浮かべ、ネックレスを胸に戻した。その仕草には、彼女の幸せが滲み出ていた。




「そういえば、来年は卒業だよね。早いなぁ。」


 かずきが感慨深げに呟くと、奈緒が頷きながらあゆみを茶化すように言った。


「あゆみは卒業と同時に結婚でしょ? いやぁ、なんかもう大人だなぁ!」


「違うってば!」


 あゆみは顔を赤らめて慌てて否定したが、その表情にはどこか嬉しそうな色が浮かんでいた。


「でもさ、あゆみが先に先生になるのか、それとも先に結婚するのか、どっちが先かちょっと賭けようか?」


 奈緒が冗談めかして言うと、かずきも笑いながら頷いた。


「こいつなら、どっちも同時にこなしそうだけどな。」


 その言葉に、あゆみは困ったように笑いながらも、二人の言葉がどこか嬉しかった。




「ありがとう。二人がこうやって喜んでくれるの、本当に嬉しい。」


 あゆみは心からの感謝を込めて言った。


「当たり前じゃん。友達でしょ。」


 奈緒が笑いながら返し、かずきもうなずいた。


「まあ、如月がちゃんと幸せになってくれれば、それでいいよ。」


 その日の昼休みは、あゆみの胸に温かい余韻を残した。友人たちに報告を済ませ、改めて自分の選んだ道を歩む覚悟が強まった気がした。


 その指輪が、あゆみにとってかけがえのない未来を象徴するものであることを、彼女は改めて感じていた。




 その日の夜、自宅リビング。

 れんとりおが寝静まった後、リビングにはあゆみとすばるが並んで座っていた。テーブルの上には、あゆみの手元から外されたネックレスが置かれている。その指輪が輝く光を放っていた。


「子どもたちに、どう話そうか?」


 すばるが静かに切り出す。あゆみは深く息を吸い、少し考えてから口を開いた。


「れんくんとりおちゃんは、すばるさんにとって一番大切な存在だから……私のことも、ちゃんと受け入れてもらえるか確認したいの。」


 その言葉に、すばるはうなずいた。


「僕もそう思う。二人の気持ちを無視して進むつもりはない。だから、正直に伝えよう。」


 その言葉に背中を押されるように、あゆみは頷いた。



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