エロい彼女の正体
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「はぁ……食べ物と服の代替え品か。探すのはいいけど、あっちは大丈夫か? 今になって不安になってきたぞ」
あの小屋から追い出され、エロい彼女のための素材探し。【飛行】にも慣れてきたし、攻撃手段に【串刺し】や【電気玉】があるから、野良魔物に遭遇しても多分大丈夫だと思う。
問題があるとすれば、レイ……というより、クサイさんか。レイが魔王候補というのはまだ知られていないし、彼女がレイ達を警戒するかもしれないが、ボロボロな状態で無闇に攻撃するとは思えない。レイも彼女を心配していたわけだし。
クサイさんが紳士なのは確かなんだけど、何でも食べようとする面もあるんだよな。茸や肉は当然として、【××××の左腕】やかおリンの一部である【ミニスライム】も口にしようとした事がある。なら、傷だからの女魔物も美味しく食べる可能性も……
「……ないか。流石に俺やレイもドン引きするかもしれないし。クサイさんが彼女に魅了されて、レイを襲うなんて事も……ないよな」
クサイさんは彼女のあんな姿を見ても、何の反応もないんだから、魅了される事はないか。【××××の左腕】の時が特別だったわけだ。
「かおリンが言ってたのは彼女みたいな魔物なのか? エローリンの支配域から来た可能性はあるわけだし、あの誘惑に耐えれるのか……俺」
いや、そんな事よりも、彼女が傷だらけの理由を考えるべきだろ!? カオスールの支配域に逃げてきたのは、近くで何か起きてる可能性があるかもしれない。
『魔王候補の速報です。映像を見る場合は空を見上げてください』
「この声は……魔王センリか!? アクアマンが倒された事を魔界全土に知らせるとか言ってたからな」
空の色は青。それも薄くなり、白に変化する途中。一日の終わりを迎えようとしてる。そこに映し出されたのはアクアマンだ。
『魔王候補アクアマンが倒されました。魔王候補ベルゼブを倒したのと同じ魔物です。今回もその魔物を紹介出来ませんが、次に魔王候補を倒した場合、皆様に御披露目するので期待して待っていただけば幸いです』
「こんな風にされると、注目は避けられないよな。俺が活躍すれば、レイの方に魔王候補の権利が行かずに済んだかもしれないのに」
魔王候補の権利である紋章がレイを選んでしまったから仕方ない事なんだけど。活躍するためにも、骨探しを忘れたら駄目だよな。
『続いて、魔王候補の移動がもう一つ。新しく魔王候補となったのはゴブリンロードのゴブ蔵。魔王候補の一人、婬魔サキュはゴブ蔵戦において、支配域からの離脱により敗北扱いになり、魔王候補の権利が譲渡される形になりました』
「おおっ……レイ以外にも魔王候補が譲渡された魔物が出てきたんだな。しかも、ゴブリンか……」
ゴブリンに関しては何となく知識は残ってる。弱いながらもずる賢く、集団行動で敵を圧倒する。女に見境がないスケベ……だった気がする。
アクアマン同様、空にはゴブ蔵の姿と、敗北したサキュの姿が映し出される。
「そうだ……ゴブリンはあんな姿をしてるんだよな。それに対して、サキュの姿……って、おい!! ヤバいだろ」
どんなエロい魔物かと思っていたら、あの小屋に隠れてた魔物じゃないか!! 権利を失っても魔王候補になった奴だぞ。レイ達の身が危険が迫ってるのでは!?




