天使の像
「ぷっ!! 格好つけて、何も起きないとか笑わせてくれるわね。私が他の魔物とは違うと思わせたのが原因?」
俺の失敗にかおリンは爆笑してる。シーン……となるよりかは笑ってくれた方が助かる。
「センリも面白い存在と言ってたから……」
ここでサタリアの名前を出すのは止めておこう。魔王センリが俺達に注目してるのは確かなわけだし……
「もう……恥ずかしいなぁ。ポン骨は骨なんだし、この綺麗な絵と関係あるわけないよ」
レイも結構酷い事を言ってるぞ。今は骨の姿だけど、昔は違ったかもしれないんだからな。
「あるとすれば、私でしょ。魔王候補になってるんだから」
今度はレイが意気揚々と扉の前に立とうとする。その言い方は失敗するフラグだからな!! 魔王候補だからって、扉が開く事なんて……
「魔王候補が無関係なのは断言出来るんだけど……開いたわね」
「えっ!! こっちは冗談のつもりだったのに……魔王候補が関係ないのなら、私は本当に特別な存在?」
レイが近付くと、扉はそれに反応するかのように開いた。かおリンが言うように魔王候補が無関係だとすれば……
「【××××の左腕】が関係してるんじゃないのか? レイに【回復】が引き継いだみたいにさ」
「だよね。【××××の左腕】があった祭壇にも、似たような絵があった気がしたから」
あの時は祭壇に【××××の左腕】があったのと、クサイさんが混乱してたせいで、祭壇自体をよく調べてなかった。けど、俺の中に【収納】されている【××××の左腕】じゃなく、レイに反応したのは、力が継承されたからか?
俺じゃなく、レイが特別な存在というのは、あながち間違いじゃないのかも。
「なるほど……他に似たような場所があれば、左腕みたいな物が必要なわけね。今回はレイの体に力を宿したようだけど……取り敢えず、中に入ってみないと」
かおリンは興味津々で部屋の中に入り、それを追うように俺達も続いたを
「……転移装置はあるわね。それも同じ魔法陣だから問題なさそうだけど……」
部屋の中に入ると、すぐに転移装置である魔法陣があった。これはベルゼブ城で見た魔法陣と同じで、かおリンも起動する事は可能らしい。
「宝箱も見当たらない。ただ……」
クサイさんが部屋の周囲を確認しても、宝箱は見つからなかった。最下層なんだから、それぐらいは用意して欲しいところなんだが……
「……天使」
レイが無意識なのか、声に出していた。部屋にあったのは転移装置以外に二つ。【××××の左腕】が置いてあった祭壇と、その奥には天使の像……というべきなのか。
その像は背中に翼を生やしているが、頭と両腕が切り取られていた。勿論、それが何を意味するか分からない。
「天使? 人魔大戦において、勇者を導いた存在だったような……レイもよく知ってるわね。なら、祭壇に書かれてる文字は分かる?」
かおリンも天使の存在は知っていても、どんな姿をしてるかは分からないみたいだ。それに祭壇に書かれてる文字もかおリンには解読出来ないらしい。
「私も『天使』って言葉が出てきたのか全然で……祭壇の文字も読めないし」
「勇者よ、我等の剣を掲げよ。さすれば、伝説の鎧が手に入るであろう……だと」
レイには読めなかったみたいだけど、俺は簡単に読み取れた。なんせ、【ステータス】等で表示される文字と一緒だからだ。




