紋章の謎
「まぁ……クサイさんが文字を読めて、地図の見方も分かるみたいだし、問題ないでしょ。再会する時にはポン骨が魔王候補になってる事を祈ってるわ」
かおリンは前回の魔物パーティーの時みたいに、守護者のいるフロアから水路を使って、外へ脱出するつもりみたいだ。その方法はかおリンだから可能であって、俺やクサイでは多分……絶対無理だな。
「扉の先には行かないの? ベルゼブ城みたいに転移装置があれば、簡単に脱出出来ると思うよ。それに……宝箱が置いてあるかもしれないし」
確かに……最下層にある部屋なんだから、何かしら置いてあるかもしれない。守護者が守ってる遺跡なんだしな。転移装置もありそうな気はする。
「流石に宝箱なんてないわね。あったとしても、アクアマンが先に手に入れてるはずよ」
宝箱の中身が素材であれば、アクアマンも【能力】が追加されるか試した可能性はあるよな。隠し通路や【××××の左腕】は偶然見つけただけ。昔の遺跡なら、アクアマン以前に誰かが取ってるかもしれない。
「え~……宝箱の中身も野良魔物みたいに自然発生とか、回復すればいいのに」
一理ある。宝箱を開けて、空だった時のショック。けど、貴重な素材なら、限りがあった方が良い。頑張った分の価値が無くなくるからな。
「というのは冗談だよ。転移装置があった場合、かおリンにも起動の手伝いをして欲しいなぁ……って」
それが一番の目的だな。今回もアクアマンを倒した事で、転移装置が起動しているのか怪しい。必要な魔力、もしくはMPが俺達に足りてるかどうか。
「転移装置が動かないのは死活問題かも。俺達はかおリンの案内で近道してきたわけだし」
水路という近道を使った事で、ダンジョンの道順なんて分からない。守護者や再起動してたり、野良魔物達に遭遇し続けたら、地上に戻るのは難しい。
「はぁ……仕方ないわね。起動させるだけよ。転移装置に入るのはレイ達だけだから」
かおリンは溜め息を吐きながらも、先にある部屋までついて来てくれるみたいだ。
「そこまでワガママは言わないよ。先頭はかおリンが行ってくれて構わないからね」
奥の扉に罠があるとも限らないから、かおリンを先に行かせようとするなんて……それもワガママだろ。俺やクサイさんを行かせないだけマシになったのか……
「ここまで来て、危険な事はないでしょ。アクアマンが自滅するかもしれないし」
かおリンは扉の前に立つけど、何の反応も示さない。扉を開けるためのノブやスイッチは何処にも見当たらない。
「見た事もない紋章が扉に描かれてるわね。アクアマンも中に入れなかったかもしれないわ。……クサイさんは分かる?」
「いや……分からない」
かおリンは俺やレイが答えれるとは思ってないみたいだな。クサイさんも知らないらしい。ただ……サタリアと奈落で出会った時に出現した天使に似てるような気が……あの時、サタリアが魔法で蹴散らしたけど、俺を連れて行こうとしたのなら……
「かおリンじゃなく、俺が扉の前に立ってみたら……何も起きないのかよ!!」
俺に反応して、扉が開くと思ったのが恥ずかしい。あの紋章も天使じゃなかったかもしれない……




