変身を邪魔するものではありません
短い付き合いながらも、かおリンが本気で言ってるのが分かった。かおリンの攻撃でアクアマンを倒したら、魔王候補になるだけで、元も子もない。
「それを信じるほど、俺は馬鹿じゃない。骨を倒した後は、お前が出てくるんだろ!? なら、何も変わらない。どんな方法を使ってでも、お前達を倒すしか生きる道はないんだからな!!」
敵の言う言葉なんて簡単に信じられないよな。ましてや、魔王センリが何でもありと言ったんだから、嘘を付くなんて当然。卑怯という言葉は、魔界の辞書には存在しないだろう。
「信じようが信じまいが、私としてはどっちでも構わないけど。ポン骨もここまでお膳立てしたんだから。核だけは物理攻撃が通る事だけは忘れない事ね。それを潰せたら……」
かおリンはレイがいる場所まで後退していく。それだけで、レイへの不意討ちを、かおリンが守ってくれるという安心感がある。
「本当に下がるのか……馬鹿にしやがって!! 体はどうなってもいい。俺の本気を見せてやる!!」
アクアマンは舞台周囲の水を【オイル】と一緒に取り込み、形が保てない程ドロドロな状態ながらも肥大化していく。核も【オイル】のせいで、見え隠れする状態。しかも、水と【オイル】の層で、このままだと核まで攻撃が届かないまでに……
「【電気玉】!!」
そんなの悠長に待ってられるか!! 阻止するに決まってる。
「そこは待つべきところだろ!! 見せ場を邪魔するのと一緒だぞ」
「強くなるのを待つ程、俺も馬鹿じゃないぞ。見せ場というけど、【オイル】が混ざってる時点で不完全だろ。逆に格好悪いからな!!」
雷系の攻撃が嫌なのか、アクアマンは肥大化した一部を捨ててまで、【電気玉】に当たる事を避けた。
「この際、勝ちさえすれば、姿なんかどうでもいいんだよ」
アクアマンの捨てた一部が破裂し、石礫のような固さの水玉が周囲に広がっていく。それを避けたとして、周囲の水に戻ってしまう。
「くそっ!! 一部を削ってもこれか……」
アクアマンが体の一部を捨てたところで、それ自体が攻撃手段となっている。しかも、範囲攻撃のせいで、なかなか近付けない。
「残念だったな。お前を取り込んで、粉々に圧縮してやるから」
アクアマンは舞台の1/3の大きさまで肥大化し、姿はドロドロとした手の形に変化した。掴まれるどころか、指に触れただけでも、形成された水と【オイル】の中に取り込まれそうだ。
「……その大きさは反則だろ」
【電気玉】じゃなく、【オイル】付きの【石ころ】を飛ばしてみるけど、貫くどころか、アクアマンの核まで届かない。途中で砕け散る始末。俺の頭蓋骨もアクアマンに取り込まれたら、さっきの【石ころ】みたいに粉砕されてしまうかもしれない。
「レイの【ポルターガイスト】で【石ころ】のスピードを上げても無理……じゃなくて、攻撃範囲が広すぎる!!」
アクアマンの攻撃を避けるために、レイの【ポルターガイスト】が必要までになってる。




