【石ころ】による攻撃
「そう言いながら、レイに攻撃を向ける気か? なんせ、魔王候補争奪戦だからな。レイも注意しておけよ」
この舞台周囲の水を全て使用出来るなら、レイがいる場所まで攻撃が届く事になる。前座という言葉で油断させて、本命を攻撃……なんて事もありえる。
「仲間が瞬時にやられたのに余裕だな? お前の攻撃方法はすでに拝見させてもらってる。俺に攻撃が届くどころか、全く効かないだろうな」
俺を狙って、前後左右から水鉄砲が放たれる。アクアマンの魔法の一つだろう。勿論、戦闘の最中にそれを全部見れるわけもない。後方にいるレイの判断により、【ポルターガイスト】での回避。けど、全部を任せるわけじゃなく、部分部分で。
「その回避力は面倒だな。急な加速は【能力】の類か?」
アクアマンは攻撃を止めない。水が天井まで上がり、氷柱のように無数の水槍に形成され、舞台一面に降り注ぐ。自身も攻撃を受ける……わけもなく、水もしくは、自身の魔力では無効化されるのかもしれない。
「ベルゼブと強さが全然違うんだけど!!」
これも俺達というより、センリが煽った事が原因だろ!! アクアマンは本気の本気に違いないぞ。
「玉砕覚悟のつもりか……あの時以上に伸びる!!」
俺は【水槍の雨】に【蝙蝠の骨】は削られながらも、アクアマンの距離を縮める事を選ぶ。【串刺し】が届く距離は……伸びている。【補骨】だけじゃなく、戦闘でも【パラメーター】や【能力】は向上していくみたいだ。
「と、驚けばいいのか? 効果がないと教えてやったのに」
アクアマンは防御もせず、【串刺し】で腹を突き抜かれた……が、出血はなし。風穴が開いたが、それも自然と回復していく。
「これでお前も戦線離脱だな。幽霊が倒されるところを見学しても構わないが」
【蝙蝠の骨】は【氷槍の雨】で削られたうえ、頭蓋骨部分を守る事で根元が残されただけで、粉砕されてしまった。そして、アクアマンは動けなくなった俺を蹴飛ばした。
「さっさとこっちに来なよ。それとも仲間の骨の完全粉砕が好みか? それも魔王らしいけど」
アクアマンの視線はレイの方へ。
「ププッ……完全粉砕? アンタはポン骨にダメージなんて与えてないんだけど?」
「仲間の死を笑えるなんて流石だよ。希望通り、骨を粉々に……いないだと!!」
アクアマンが俺の方に視線を向けるが、すでに遅し。
「がっ!! 何だ……背後から攻撃!? 単なる石ころだと」
無数の【石ころ】がアクアマンの体を突き抜け、風穴だらけになる。しかも、【串刺し】になかったダメージを受けた声が……
「魔力を帯びた【石ころ】か? だが、何処から……骨は何処に行った!!」
「飛んでますが、何か!?」
俺はアクアマンの目の前に現れ、頭部分に【石ころ】を放った。
「……翼が回復してる? 自然回復するにも速すぎるぞ。魔王候補が回復するにしても、遠すぎるだろ」
頭を潰しても倒れるどころか、視覚も潰れてないらしい。【串刺し】同様回復していく……が、無数の穴が開いたせいか、塞がるのが遅くなっている。
「俺は【不死】だからな。簡単に回復出来るんだよ」
と、アクアマンに言ってみるが、嘘だ。一瞬で回復するのには【返還】が必要。それをしたのは他でもない、レイだったりする。




