アクアマン戦開始
「管理者……魔王センリ様!! センリ様が何故、俺達の戦闘なんかを」
「もしかして、私達を監視してるんじゃ……注目してるとか言ってたよね」
センリの登場にアクアマンは驚き、レイは助けて貰った恩を忘れたかのように嫌がっている。
『いえ……私もそこまで暇でありませんよ。貴女達のお陰で、魔王候補争奪戦は白熱し始めましたからね。色々見回ってますから』
違う支配域でも魔王候補に挑むパーティーは存在するの確かみたいだ。その火付け役は俺達になるわけだな。
『とはいえ、注目するべき戦闘を見逃すわけにもいきませんから。勿論、前回同様、貴女が勝利した場合は正体を隠しましょう』
「注目!! センリ様が奴等を……」
『私だけではありませんよ。ベルゼブブもある意味そうなりますね。それに……貴方の推薦者もこの戦闘を見ています。私も管理者として、貴方の行動を何度か見ていましたが……彼女の信用を下げるばかりかと』
「そんな!! 俺はカオスール様の側近に言われて」
『彼女は自由奔放ですから、部下達に任せたのでしょう。文句を言える立場でもないのですが、魔王の名を汚すような行動は……ここで圧倒的な勝利を得ないと』
「ちょっ!! そんな煽るような事を言ったら」
アクアマンが直接魔王に推薦されてないのは驚きだけど、センリがそんな事を言ったら、アクアマンは最初から本気を出しかねないぞ。
『魔王候補争奪戦なんです。つまらない戦闘は駄目ですよ。何しようが自由。卑怯な手なんてありません。勝てばいい。仲間が何人いても、誰の手を借りても、今回に限り……』
それは……センリはかおリンが待機してる事を知ってる!? それを臭わせるような発言は止めて欲しいんだけど!!
『勿論、私は両方に手を貸さないのでご安心を』
そう言いながらも、アクアマンがセンリの会話に集中しているのもあって、かおリンが上手く水の中に侵入する事に成功した。それはレイが【ポルターガイスト】で【石ころ】を俺に当てた事が合図。ある意味、センリが協力したといっても過言ではない気がする……
『といっても、忠告も無駄に終わるようですが』
センリの会話を利用したのは俺達だけじゃない。事前に会話を引き延ばす事で攻撃準備をしていると考えていたはずなのに……
「戦闘開始の合図があるなんて、一言も言ってないから」
「クサイさん!! 後ろ!!」
レイの声は遅く、アクアマンは俺達の背後から水鉄砲を放ち、クサイさんの背中に直撃された。その勢いにより、水の中……いや、水死体みたいに浮いた状態になってしまった。そこから、クサイさんは微動だにしない。
「カオスール様が見ているんだ。無様な真似はしない。前座にはさっさと舞台から降りてもらうよ」




