起動停止中
ー7ー
「悪かったわね。遠回りさせたのは私のミス。無事……とまではいかないけど、よくここまでたどり着いたわね」
かおリンと合流すると、すぐに頭を下げて謝ってきた。隠し通路である水路の大きさでは、クサイさんが通れなかった事だろう。
「いや……こっちこそ、アクアマンに俺達の存在がバレてしまったから。流石にダンジョン……遺跡から出てない事には気付いてる気がするし……それにしても、かおリンがアレを倒したのか?」
【××××の左腕】を見つけた場所から、再度落とし穴に飛び込んだ先にあったのは、フロア中心部にある溜池に繋がっていた。
レイがそれを確認に行き、そこで水と一体化していたかおリンに声を掛けられたらしい。そこで念のために、かおリンの体をクッションとして、クサイさんの着地を成功させたわけだ。
「そういえば、私がかおリンと再会した時には守護者は動いてなかったけど、ここが一番の危険地帯と言ってたよね?」
アレの名前は守護者と呼ぶのか? 魔物とは呼べず、何者かに造られた存在……だと思う。ミノタウロスと同等の大きさで、知らない物質で生み出されたような……それが一体だけでなく、数体……それらがフロアを見回っていたんだろう。
あれは……ガラークなんて足元にも及ばない程の強さがあると肌……骨で感じ取れるぐらいだ。
その全ての守護者が膝を曲げ、全く動かない。
「……アクアマンか? 罠を止めるのと同じ」
守護者の動きも罠と連動して、解除された? あり得ない事もないけど……
「違うわね。そもそも、アイツにそんな力はないから。守護者は人魔大戦の遺物。簡単に操れる物じゃないわ。魔王達でもどうか……レイ達とアクアマンの会話を私にも聞こえてたのよ。まぁ……アクアマンの声だけね」
かおリンはアクアマンが守護者を動かしているのを否定した。というのも、アクアマンがガラークを通して、俺やレイ、クサイさんと会話していたようだが、その扱い方に失敗があり、かおリンにも聞こえてたわけだ。
「アイツの態度は魔王候補として最悪……誰が推薦したのよ。ヤル気が無さすぎだわ。自分の事は言えた義理じゃないけど……」
かおリンはアクアマンの態度に不満があるようだ。魔王候補に推薦された奴があんなのだったからな。
「別に良いんじゃないかな? そういう相手の方が戦う時に気兼ねしないでいいし、ベルゼブも大概だったよ」
レイとしてはアクアマンよりも、ベルゼブの方が最悪……魔王候補同士で似たり寄ったりに過ぎない。
「どの魔王候補もそんな感じなのね……そこは置いとくとして、守護者はアクアマンとの会話の後も動いていたわね。相手にするのが面倒だから、レイ達が来るまで隠れてたわけなんだけど……」
という事は、守護者達が止まったのはついさっき。レイとかおリンが再会した直前か直後。
【××××の左腕】の光が無くなった事や持ち去った事が原因か? それとも、サタリアから貰った【銀の首輪】が反応したのか?
人魔大戦の遺物であるなら、サタリアが動かしていたとしてもおかしくない。逆に人間側が使っていた可能性もあるが……ここは魔界にあるダンジョンで、そこを守っている理由もないんだよな。
「流石に守護者の動きが止まれば、確実にアクアマンはレイ達が何かやったと思うわね。アイツがいるのは、この下の階のはずだから」




