お家に蛙
「結局、アクアマンに知られてしまったな。もしかして、本当に脱出するのか?」
アクアマンの言葉を信じるなら、野良魔物や罠に嵌まる事なく脱出可能。ガナーク戦において、疲れが出てるの事実だ。特に動き回ってた俺が……
「するわけないでしょ。かおリンを放置する方が怖い気がするし。あっちの警戒が少しでも薄まればいいよ。私も嘘を付いてたわけじゃないから」
「確かに……嘘は言ってないんだよな。アクアマンもそこまでヤル気があるわけでも無さそうだったし、戦闘を避けたいのは本当かも。けど、かおリンが……」
俺もサタリアとの約束のために魔王候補にならないと駄目だし、ここまでお膳立てしたかおリンを放置して脱出なんてしたら流石に……
「でしょ!! アクアマンもかおリンの存在に気付いてないかもだし、そこを上手く使おうよ」
レイがそこまで考えいたなんて……魔王候補に対して、意に介してもなかったし……これも魔王候補になった影響……なわけないか。
「かおリンが魔王候補にか?」
そうだよな。魔王候補はトドメをさした相手なのか、活躍した魔物なのか判断がつかない。ベルゼブ戦で活躍したのもレイなわけだし……
「かおリンも魔王候補には興味がないと言ってたけど、レイも同じだったからな……って、クサイさん!!」
「元に戻ったようだ」
普段のクサイさんの話し方だけでなく、姿も元に戻ってる。俺を含めて戦力が低下した事になるよな。いや、鶏冠カエサルがこのまま【協力】して貰えばいいか。そうすれば、俺も【返還】された時に【串刺し】用の舌骨も回復出来たら……
「鶏冠カエサルがいるわけだし、かおリンと合流するまでは何とか」
「何処かに行ったぞ」
「……誰が?」
「鶏冠カエサルだ。水路の中に入ったな」
「そこは止めてくれ……クサイさんの姿が元に戻ったからか!!」
鶏冠カエサルは俺達がアクアマンと会話してる間に離脱したみたいだ。ガナーク撃破の目的も果たしたし、クサイさんの姿が元に戻った事で、ボス扱いも解消されたのか。
「そこは最低でも【返還】してから、何処かへ行ってくれよ」
【返還】しても、鶏冠カエサルが元の姿に戻るわけじゃないんだからな。
「仕方ないんじゃない? カエサル達の住処はここで、下に行った事がないかも」
なるほど。ガナークが下に行く階段を守っていたら、それ以上はカエサル達も行けないもんな。
「かおリンの話だと、このダンジョンの難所は後一つだと思うよ。勿論、アクアマンが罠を解除してる前提だけど」
俺とクサイさんはかおリンの話を途切れ途切れにしか聞いてなかったからな……ガナークを相手にする以外にも難所がもう一つあるのか。
クサイさんがいなかったら、カエサル達も敵扱いだったわけで……多対一になるだろうけど、アクアマンはまともに戦う気がないよな?
「守護者。かおリンがそう言ってた相手が数体徘徊してる階があるんだって。魔物じゃないみたいで、倒すのも厳しいみたい。下手したら、アクアマンよりも強いかも……なんて、言ってた」
待て待て待て待て!! 魔王候補のアクアマンよりも強そうなのが数体!? しかも、守護者とか名前からしてヤバいそうだろ。かおリンがそう言う時点で相当でしょ。




