ガナーク戦突入
「この先にはアクアマンっていう魔王候補がいるんだぞ。流石にそこまで強そうな魔物が……いるな」
レイの言葉を半信半疑だと、俺も角から様子を伺ってみる。先には巨大な広場があって、そこにいるのミノタウロスと同等、クサイさんを呑み込める程の大きさを持つ蛇がいた。それも頭が二つもあり、一つは鶏冠、もう一つは襟巻きを付けている。
その姿は鶏冠カエルと似ている……という事は、ガナークで間違いないわけで……
「ゲ、ゲ、ゲロゲロ」
「以前は頭が一つで、大きさも半分だったらしい。もしかしたら、【進化】しているのでは?」
「【進化】って……そんな素材は……魔王討伐のパーティーメンバーを食べたわけ!?」
レイが驚くのも無理はないけど、広場をよく見ると、剣や槍が地面に突き刺さった状態。メンバーの死体がなく、素材もない。それらをガナークが取り入れた事で【進化】した可能性はある。
「余計に面倒な事になったじゃないか。けど、倒すしか方法がないんだよな」
「ゲロゲロ!!」
俺よりも先に、鶏冠カエサルが仲間のカエサル達を鼓舞し、ガナークに向けて突撃を開始した。
「キシャー」「キシャー」
ガナークの両頭がカエサル達を見つけ、雄叫びを上げる。そして、ガナークは体を伸ばし、カエサル達を簡単に、両頭で一匹ずつ丸呑みしていく。
その犠牲を元に、鶏冠カエサルは鶏冠をブーメランのように投げる。だが、ガナークの肉の弾力により跳ね返された。
「おい!! その攻撃を跳ね返すのかよ……って、うおっ!!」
鶏冠は【ガナークの骨】で出来ていて、それが弾き返されたとなると、【カエサルの骨】の【串刺し】が攻撃として届くかどうか……そう考えている内に、ガナークが俺達に向かって、体当たりをしてきた。
その勢いによる風で、俺とカエサル達は吹き飛ばされた事で、違った意味で攻撃を回避出来た。レイに関しては、ガナークの攻撃が魔法で無かった事で、体をすり抜けていく。
「ビックリした……攻撃を受けないでいいのなら、私は攻撃に集中出来るかも……と思ったけど、やっぱり怖い!!」
ガナークは体当たりした直後、尾の部分でレイに向けてなぎ払いを仕掛けた。その攻撃もレイの体をすり抜けるのだろくけど、レイは思わず空中で回避した。
俺は【飛行】の影響もあってなのか、風圧でまたしてもぶっ飛ばされる。【串刺し】が届く距離まで近付けない。というか、あの巨体の一撃を受けた時点で骨は粉々だぞ。
「クサイさんは!!」
俺は直撃の前に飛ばされるからいいけど、クサイさんは回避するのも難しいはず……
「戦ってないのかよ!!」
「いや、なかなか入りにくくて……だが、分析するのは任せてくれ」
それもそうか。俺自身、クサイさんが入るのはヤバいと思ったんだから、本人はそれ以上かも。分析というのは、ガナークの行動や弱点を調べる事か?
「ポン骨とカエサル達は捕まらないように、動き回って」
いつの間にか、レイもクサイさんがいる場所に戻ってるんだけど!!
「文句はなし。ここからなら集中出来るんだから」
レイとクサイさんがいる場所は、ガナークの大きさだと入る事は出来ない。そこからレイが狙うのは【ポルターガイスト】。パーティーが落とした剣や槍を遠隔操作し、ガナークにぶつけた。
「キシャー!!」
ガナークの体は鶏冠カッター同様、剣を弾き返した。だが、槍に関しては見事に突き刺す形に。
「おおっ!! 攻撃が通ったのは武器の違いか? もう一度その槍で攻撃出来たら」
「駄目……突き刺したところから引き抜けそうにないんだけど!!」
【ポルターガイスト】では、ガナークの体から槍を引き抜く事が出来ないらしい。




