魔王候補なのでは?
「もしかして……あれがガラークの鳴き声か? それにしては大きすぎる気がしないでもないんだけど……」
かおリンが持ち帰ってきた【ガラークの骨】はそこまで大きくなかったし、イメージ的にはレイやクサイさんと同じ大きさ。カエサルの二、三倍はデカさぐらい……けど、ここまで鳴き声が届くとなると……
「ゲゲロ……ゲ~ロゲロゲロ」
「ガラークで間違いないが……ここまでの咆哮は初めてらしい」
鶏冠カエサルは【与骨】で【強化】されたせいでもあるのか、他のカエサルとは違って堂々としてる。
「他の魔物の可能性はないんだね? 先に来ていたパーティーが何かしたのかも」
「何だよ……弱らせてくれたら良かったのに、怒らせたパターンか」
いや……逆にかなりのダメージを受けた状態だから、激昂してるのかもしれないか。その傷を回復するため、眠ってくれたら一番ありがたいんだけど……
「あっ!! 骨が落ちてる。折角だから【補骨】してみたら? 先に来てたメンバーの物かもしれないんだし」
レイが地面の端に落ちてる骨を見つけた。野良じゃなくても、バットが【蝙蝠の骨】を落としたように、知性がある魔物が素材を落とす事もある。
「【ガラークの骨】で【補骨】出来なかったし、少しでも戦力を強化しておいた方がいいか」
今思えば、【ガラークの骨】で【補骨】すれば、カエサル達がクサイさんを仲間と勘違いしたみたいに騙す事も出来たのでは?
「取り敢えず、【補骨】で何の骨かは分かるから……って、お前達の骨かよ!!」
レイが見つけたのは【カエサルの肉】じゃなく、【カエサルの骨】。落とす素材は一種類じゃないみたいだ。それでも、【補骨】による【強化】はされるはず。
俺は【了承】を選ぶと【カエサルの骨】は白い光を放ち、俺と一体化する。
「……何も変わった様子はないけど?」
レイは俺の体に変化がない事を教えてくれた。
【鉄骨】や【蝙蝠の骨】、【ガラークの骨】とは違って、体の変化がない? 【ゾンビの骨】の時みたいに、両手が付属された様子もないし……
「【ステータス】を確認してみるか」
【補骨】したのにも関わらず、【種族】はスカルハイのままだ。【パラメーター】に変化はあるものの、【力+10】が追加されただけ。
「【能力】は……【串刺し】? 増えた箇所は舌!?」
【串刺し】=舌骨を伸ばすだけでなく、回転させて突き刺す。
調べてみると、舌みたいなのがあるのが感じ取れる。【補骨】は【種族】が変化せず、体の一部や【能力】が追加されるだけなのもあるみたいで、【串刺し】もカエサルの高さぐらいまで舌が伸びた。
「ここに来て、まともな攻撃手段が手に入ったぞ」
しかも、【ガナークの骨】を【補骨】した時は【飛行】が機能しなかったけど、今回は問題なし。【水泳B】は【ガナークの骨】を【与骨】した事で消えてしまったけど、それは仕方がない。
「良かったね。私には【ポルターガイスト】があるし、クサイさんには……ポン骨には槍みたいに伸びる舌があるから、ガラークも簡単に倒せるんじゃないの?」
「ゲロゲロ……ゲロゲロ!!」
「そろそろ、ガラークが待ち構えている場所らしい。遠目からで覗いてみるか?」
この角を曲がった先が下の階層に続く道があり、そこを守ってるのがガラークなんだよな。
「壁をすり抜けてながら見てみるよ。流石にガラークも気付かないだろうし」
レイは壁をすり抜けて、ガナークの姿を確認してみる。俺達にとっては初対面になるわけだ。
「……ねぇ……あれが魔王候補じゃないの? ちょっと、ヤバい雰囲気しかしないんだけど」
レイの顔は幽霊くせに青ざめた感じになってるんだけど……滅茶苦茶不安になるじゃないか。




