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骨・骨・骨!!  作者: マネージャー
32/67

クサイ七変化

ー4ー


「はぁ……よく寝た。慣れない事をすると疲れるよな」


 俺達はかおリンがダンジョンから戻ってくるのを待つため、ベルゼブ城から転移してきた廃屋へと戻った。その道のりで、野良魔物達と遭遇する場面はあったけど、かおリンが暴れているのを覚えてるのか、襲い掛かってくる事はなかった。


 ただ、俺の場合、翼で移動するのは結構しんどく、いつもならレイが運んでくれたんだけど、筋肉があるクサイさんが運ぶ事に……


「クサイさんはよく眠れたのか? 外で寝てたから、野良魔物に何処か食べられたりは……って、大丈夫か!!」


 俺やレイ、クサイさんは死霊系なんだけど、睡眠を取る事も出来る。野良魔物を警戒して、廃屋の中で寝た方が良いんだけど、クサイさんが男女別と紳士的な提案して、レイが廃屋で休む事に。俺とクサイさんは外で寝たわけなんだけど……


「問題ない。効果が切れただけだ」


「いや……問題はあると思うんだが……」


【ミノタウロスの肉】で筋肉クサイになってたのに、それが(しぼ)んだ形になっていた。以前よりも細くなり、爺さんみたいにヨボヨボだ。【ミノタウロスの肉】は一時的な強化であって、反動として、筋肉が激減するみたいだ。 


「ん……どうしたの? クサイさんが細く見えるんだけど」


 俺が驚いた声を出した事もあって、寝惚け(まなこ)でレイが起きてきた。それも壁から半分体をすり抜けた状態だ。


「【ミノタウロスの肉】の効果が切れたらしい。その反動で細くなったみたいだけど」


「……えっ!! 私の【能力】も消えたりなんかは」


 レイは俺の方へ両手を向けて、【ポルターガイスト】を発動させる。


「う、浮いてる!! 俺で試すのは止めてくれ!!」


 石ころとか(きのこ)とか落ちてる物は色々あるのに、俺で試さなくてもいいだろ……変に落ちて、翼部分を骨折させるのは嫌だからな。


「ゴメンゴメン……けど、【能力】が消えてなくて良かったよ。問題はクサイさんの体が戻るかだよね。かおリンが来るまでに治ればいいんだけど」


 クサイさんには……いや、魔物には自然治癒がある。ミノタウロスやオークの身売り販売はそういう事だろう。


「魔力のある物や肉を食べたら回復が早くなる」


 肉は持ち合わせてないし、近いのは【肉厚茸】ぐらい。魔力のある物を【茸の森】に探しにいかないと駄目かもしれない。


「これでなんとかなる」


 クサイさんが掴んだのはかおリンの欠片(かけら)。俺達と合流するために渡してくれた物だ。このスライムから連絡が取れたらいいんだけど、そんな力は備わってないみたいだ。とはいえ、かおリンの一部だから、クサイさんを回復するぐらいの魔力はあるのかも……


「いやいや!! 駄目だろ。かおリンから協力してもらえなくなるぞ」


「……そこは面白さでカバー出来ないか?」


 クサイさんはミニスライムが美味しそうに見えたのか、未練タラタラだ。魔物が面白さを重要視するのであれば、それもありなのか?


「一度は食べられてみたかったの……なんて、言うわけないでしょ!!」


 ミニスライムが弱ってるクサイさんの手を振りほどき、元にいる場所に戻っていく。


「かおリンだ!! 無事に戻ってきたんだね。アクアマンのいるダンジョンはどうだった? そのパーティーで倒したりとか……」


「ないない。弱いパーティーだったから、アクアマンがいる場所まで辿り着けずに全滅したんじゃない? 分断時に取り残されてる魔物もいるだろうし」


 アクアマンがいる場所まで辿り着けずに全滅……って、余程の罠があるか、強い部下がいるんじゃないのか?


「でも、そこまで深刻な話じゃないよ。対策は少し考えてるし、正攻法で行くつもりもないから」


 かおリンは意味深な言葉を口にしたけど、『正攻法で行くつもりはないから』って、どういう事だ?


「取り敢えず、お土産があるから、ポン骨とクサイさんは、それで【強化】すればいいんじゃない?」


 かおリンの【収納】から出てきたのは大量の肉と……骨!! 昨日の【蝙蝠の骨】に続いて、新しい骨を持ち帰ってきてくれたのか!? それにクサイさんの回復に肉が必要だったから、滅茶苦茶助かる。


「ポン骨とクサイさんにはお土産があるのに、私にはないの?」


「レイには止めといた方がいいのだから」


 それを聞いてしまうと、【補骨】もそうだし、クサイはんも得体のしれない肉が食べ辛くなるだろ……

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