死は突然に
「ま、魔物として箔が付くから!! お前も俺を倒す方法がなくて、他の魔物達を利用しようとしたんだろうけど」
それは別の形で考えはしたけど、……意外と元気だな? バットの体に毒が回ったわけじゃないのか?
「街の外まで追ってくる奴はいないはず。森にある【解毒草】で毒を消した後、お前を高い場所から落としてやるからな。それで今度こそ素材になるんだ」
本人の口から毒になってるのを教えてもらったけど、そこまで強い毒でもないんだな……って、それは駄目だろ!! しかも、【茸の森】に【解毒草】がある事も知ってるみたいだし……
「そ、そんな事をしたらどうなるか……不幸になるぞ」
勿論、不幸なのは俺。流石に高所から落とされるのは怖いからな。とはいえ、【不死】なので、素材になるかは分からない……とは言ってみるべきか?
「不幸どころか、上手く行けば魔王候補にもなれるかもしれない。幸運が舞い込むんだよ」
サタリアの事は気付かれてないはずなのに、そこまでの価値が俺にあるのかは疑問なんだが……
「ほら!! 柵を越えるぞ。結局、仲間は追い付けず仕舞いだったな。ハッハッハッ……はっ!!」
「あっ!!」
バットは街の柵を越え、勝利の高笑いをしていた。ただ……俺と一緒にいたのが、レイとクサイさんの二人だと勘違いしたのが、バットのミスだったかもしれない。
「スライムが炎を吐くなんて……そんなのってないよ!!」
バットの体が炎に包まれた。それはかおリンが吐いた【炎の息】。街の警備を掻い潜り、俺達が外に出るのを待っていたんだろう。不幸にも、バットはかおリンと鉢合わせしまったわけだ。
「折角注意してあげたのに、見事なまでに拐われるなんて……運良く、私が街の外に逃げてたから良かったけどさ」
かおリンが体をクッションにしてくれたお陰で、俺は無事に着地。バットはというと、毒のダメージが蓄積したせいもあるのか、かおリンの【炎の息】で焼け死ぬ形に。少し可哀想とも思わなくもないが……バットが骨を素材として落とす結果に……
「骨!! ようやく新しい骨を見つけたぞ」
ベルゼブの時は何もなかったけど、野良魔物以外でも、本当に素材を落とすんだな。これが運次第だとしても、バットじゃなく、俺の方に幸運が訪れてくれたわけだ。
「えっ!? 私があの魔物を倒して、ポン骨を助けたわけよね? つまり、その骨は私の……」
ちょっと待ってくれ。かおリンに助けて貰ったのは確かだけど、この骨を【補骨】する事で何かが変わるかもしれない。魔王候補を目指すための第一歩……【黄金の骨】を奪われてから、後退しかしてないんだ!!
「なんて、冗談よ。今回はポン骨に譲ってあげるわ。蝙蝠の素材は試した事があるし、ポン骨の【能力】がどんなのかも見てみたいしね」
「た、助かる。本当に助かります!! なので、遠慮なく【補骨】させてもらいます」
大事な事は二回言わないと。ここはお言葉に甘えさせて貰って……
【補骨】対象に【蝙蝠の骨】が出現。【了承/拒否】の選択をすれば【補骨】開始。俺と【蝙蝠の骨】が光を放ち、合体する。【補骨】と【与骨】、【返還】で光の色は違って、【補骨】の場合は白。
「頼む!! まともな体になってくれ」
思わず声に出してしまった。【黄金の骨】は無かった事にして、掌の部分だけとか、ドクロの杖とか、ちゃんとした体が欲しいんだ!! せめて、自分で移動出来る手段をください!!




