かおリン逃亡す!!
「どうだい!! どうだい!! 貴重な鉱石だよ。ゴーレムの【進化】、【能力】が追加される可能性大。残り三つは早い者勝ちだよ」
「ハチミツ~ハチミツ~、薬にもなるし、美味しいよ。綺麗にもなれる品だ。交換は美に関係する道具だけでお願い」
「肉はどうだ? 体力満タン、力を増やすにはオークの肉。俺自身の体から切り取るから、新鮮だぞ。俺が欲しいの武器。良い武器なら、好きな部位を選んでいいぞ」
街の外からも声は聞こえてきてたけど、中に入ると騒がしいというか、活気に溢れているのがよく分かる。街の中に入るのも許可なんか必要なく、誰でも気軽に来れる場所になっている。
ゴーレムや蜂型の魔物、オークが商売してるし、様々な種族が集まってる。街の中を歩けば、俺やレイの同族がいてもおかしくないかもしれないけど……
「昨日と活気は変わってないね。【骨付き肉】じゃなくて、【骨】自体を交換してくれる店があるんじゃない?」
「魔王候補撃破の話があったから。【進化】や【能力】追加で目指す魔物が増えてる証拠ね」
「普通に話してるけど、自分の体を切り売りしてる魔物がいるけど大丈夫か!?」
レイとかおリンは普通に話してるけど、オークの店は見る方が怖いだろ。クサイさんみたいに自然回復出来るって話なのか?
「身売りする魔物はいくらでもいるけどね。店に置いてあるのも、野良以外の魔物から出てきたのもあるから、気にしたら駄目でしょ。骨の素材なんて、身売りしやすそうだし」
「確かに……魔物を倒して、素材になるのもあるんだよな」
「そういう事。身売りなら、クサイさんが店を出したら面白いかも。違った物に変化させてくれそうだし」
かおリンはクサイさんに店の出店を勧めそうな勢いだぞ。
「そこの綺麗なお嬢さん。うちの売り物を見てってくれよ。ピッタリな装飾品もあるからさ」
小さなゴーレムが俺達に声を掛けてきた。交換するのは首飾りや腕輪。素材というより、このゴーレムが作った物か? サタリアから貰った【銀の首輪】みたいに、レイは装飾品で強くなる可能性もあるのか?
「こういう時がチャンスなのよ。好みの魔物には甘く接してくるんだから。よく見ておきなさいよ」
「えっ!!」
思わず声が出てしまった。女の声をしてるのは分かってたけど、スライムに性別はあるようで、かおリンは女らしい。強気な台詞でかおリンは前に出たけど、ゴーレムが声を掛けたのは……レイだと俺は思うんだが?
「はっ!? お前みたいな汚い雑魚スライムには言ってないんだよ。後ろの綺麗な幽霊ちゃんに決まってるだろ。ろくな物も持ってなさそうだし、さっさと消えてくれ」
ゴーレムはかおリンに暴言の嵐を巻き起こした。とはいえ、勉強になったのは見た目で強さを判断してはいけないって事だ。
「メタルアターック!!」
かおリンは体を銀色に硬化させ、ゴーレムに体当たりをかました。その威力はゴーレムの体をバラバラに……
「お前の目は節穴か!! 一から生まれてこい」
かおリンが彼に啖呵を切った時には、すでに素材へと変わっていた。
「…………」
「…………」
「…………」
その光景を見て、俺とレイ、かおリンは黙ってしまった。威勢の良い事を言って、結果は交渉成功じゃなく、力で素材にしたんだから。交換という話じゃないよな。
けど、周囲の魔物達はかおリンの行動に盛り上がりをみせた。
「ヤバっ!! 街での戦闘は禁止されてるの。喧嘩を売ったのはアイツだけど、倒しちゃったから……迷惑かけるかもだから、一時離れるわ。ポン骨達も離れなさいよ」
「おい!! 結局交渉のやり方はなしかよ」
「力で押すのは止めておく事ね。後、戦闘以外は厳しくないから注意しなさいよ」
騒ぎが広がるのを見て、かおリンは警備の魔物が来る前に、この場から離脱。勿論、ゴーレムの素材と交換の品をかおリンは【収納】するのを忘れてなかった。




