収納されたのはこちら
ー3ー
「はぁ……ようやく街に着いたわ。昨日よりも断然疲れたんだけど」
俺達は街に到着。街といっても、木で囲いが出来た広い場所で、集落みたいな感じだ。
「ポン骨を持ってるからだな」
「違うから!! 肉体はないけど、肉体的にも精神的にも疲労があるからね」
クサイさんの言葉に、レイも思わずツッコミを入れた。俺もレイと同じく精神的に疲れていた。というのも、かおリンが使った【能力】も一つの原因だった。
「あの悪臭がよもやよもや、あんな事になるとは思わなかったからさ」
かおリンが吐いた【臭い息】は俺やレイからしたら魔物を遠ざける臭いだと思ったのに、植物系の魔物がその臭いに釣られて、寄ってくる始末。蔦に絡まれそうになったり、種を弾みたいに飛ばしてくるわで散々だった。
「けど、色んな素材が手に入ったんだから、そこまで文句を言う事はないでしょ」
確かに来る敵、来る魔物を悉くかおリンが倒していき、魔物が落とす素材の幾つかを貰ったわけで、他にも【茸の森】に生えてる素材も、かおリンが教えてくれた。
かおリンも【収納】があるみたいで、そこまで特別な能力でもないらしい。ただ、かおリンの所持出来る数は百近く……とレベルが全然違う。俺の【収納】は今は十が最大で、手持ちにあるのが……
【ドクドクキノコ】【解毒草】【毒草】【肉厚茸】【石ころ×10】【笑い茸】【謎の草A】【謎茸B】【粘着草】
【収納】に入ると、その名称は分かるんだけど、効果までは不明。けど、名前からして何となく想像出来る。【ドクドクキノコ】や【毒草】は毒にさせる物だったり、【肉厚茸】は焼いてみると美味しそうだ(食べるのは別として)
【石ころ】は……ただの石だな。木型の魔物が根の足で石を蹴ってきたところ、レイは俺を盾にする事で防いだ結果、【収納】の中に入ってしまったわけだ。
「そうだよな……素材が多く入った事は本当に助かるわけで、【進化】とか【能力】が手に入るのはなさそうだったけど」
素材集めの中で骨の素材がなかったのは本当に悔やまれる。
「ポン骨は【骨】が欲しいんだよね。素材集めの時にも言ったけど、基本的に物々交換だから。相手と駆け引きが必要になるよ」
素材を集める理由の一つ。店の商品は物々交換で行われるらしい。
「売る側の好みもあるし、会話も重要。物の価値も分かってたら尚良し。【謎】系や、私が貰った【腐石】は絶対レアだから、交換しやすいかも。ここまでの案内だったけど、少しお手本を見せてあげるから」
【謎】系の素材と【腐石】はクサイさんが生み出した物……というか、体から生えてきたというべきか。クサイさんが気になった物を口にすると、茸や草が生えてきた。食べた物によって、ちゃんと違いはあるらしい。それは【収納】に入れた事で分かったわけなんだけど……
「魔王候補に挑戦するまで、クサイさんを貸してくれない? 色んな素材が生まれそうで、面白そうだからさ」
【能力】集めをしてるかおリンにとって、特殊な素材を生み出すかもしれないクサイさんは魅力的なのかも。
「断る。私はレイと一緒にいる」
クサイさんは即断即決した。ある意味、かおリンはクサイさんで実験するようなもんだから。嫌がるのも当然……いや、率先して食べてたから違うか。本当にレイと一緒にいたいだけか。
「仕方ないか。一緒に行動する時だけで我慢するわ」
「なら、問題ない。私も【進化】や【能力】は少しは気になる」
と、かおリンとクサイさんの契約は成立したみたいだ。これによって、かおリンの交渉術が御披露目されるのか?




