面白さが重要です
「あ~……魔王候補ね。そこまで興味がないかな。強さというよりも、面白さで【能力】を集めてるから。常に狙われるとかも面倒でしょ?」
かおリンは言葉を濁しながら言ったけど、それは本心か? スライムには顔がないのもあって、レイやクサイさんみたいに表情で読み取るのも無理だし。
「ん? まさかだけど、レイ達はその強さで魔王候補に挑むつもりとかじゃないでしょうね?」
かおリンは興味がないと言ってるけど、すでにレイは魔王候補だという事は内緒にしておいた方が良いんだろうな。
「そうだよ。ポン骨が魔王候補になって、私の……んぐっ!! んーんー……何するんだよ」
レイはかおリンに余計な事を言いそうになったので、口を塞いだ。レイの右手は俺の骨と一体化してる事もあって、一次的に動かせる事に成功。
「何だか分からないけど、ポン骨は弱いくせに魔王候補になりたいんだ……これも何かの縁ね。挑戦する時、少しは協力してあげる。アンタ達みたいなのは、何だか放っておけないし」
「本当に!! 滅茶苦茶嬉しいかも」
かおリンが協力を申し出た? レイも素直に喜んでるけど、本当に大丈夫か? 魔王候補に挑むのが無謀だとしたら、『何かの縁』でも、そんな泥舟に乗る必要はないだろ。
「他に理由……あるだろ?」
まさかのクサイさんが聞いてくれた!! 俺やレイの保護者的位置にいるのがクサイさん。
「昨日、今日会った相手を疑うのも当然だろうね」
それを言われると、俺は何も言えないなるぞ。レイとは会ったその日に協力を求められて、すぐに了承したからな。
「理由としては、アンタ達が面白そうなのが一つ」
「そうか。なら、仕方ない」
「それで納得!? 面白ければ、それで良しなの!!」
サタリアやセンリも面白いのが好きそうだったな。魔物はそういう考えを持ってる感じか? クサイさんもそれで納得してるし、レイもそんな風ではあるよな。
「後は珍しい素材とか手に入れそうな気もするのよね。例えば……クサイさんが手に持ってるのとか。私は見た事がないし……街まで送ってあげるから、それを私にくれない?」
「『くれない』って……あれを? 私は全然構わないよ。クサイさんも、それで大丈夫?」
正気か!? と思う反面、【能力】集めを楽しんでる事に納得出来る行動だと思える。【謎茸】はまだしも、【腐った×××】だぞ。姿形もアレなのに、欲しいとはなかなか言えないぞ。
「勿論。助けてもらったお礼だ」
俺は【腐った×××】を【収納】せずに済み、クサイさんは、かおリンの前にそれらを置いた。
「見た事もない素材で間違いないわね。では!!」
かおリンは何の躊躇いもなく、【謎茸】と【腐った×××】を体の中に取り入れた。俺達の目にもかおリンの体内で【腐った×××】が消化されていくのが見えるのと同時に、澄んだ青、透明さが汚い茶色に濁っていくのが分かる。
「ねぇ……大丈夫? 悪臭が凄いんだけど、毒になんかなってないよね? 臭いのには慣れたと思ったけど、一度リフレッシュするとキツイものが……」
レイはあまりの臭いに左手で鼻を摘まんでる。ベルゼブ城の臭いもキツかったけど、今回もそれとは違った臭さが漂ってる。敵が逃げ出すような臭い……鼻の穴に石でも詰めて欲しいぐらいだ。
「大丈夫大丈夫。色が変わったのなら、【能力】を手に入れた証拠だし。私も臭いと思うし、犠牲は付き物だからね」
「自己犠牲……って、そんなのなら素材から【能力】なんか欲しくないかも。全部、ポン骨が試せばいいと思う」
レイも結構酷い事言ってないか!? 俺は【補骨】で強くなるんだから、そこはクサイさんに任せないと。それにスケルトンと幽霊だと【能力】の素材が違うと思うぞ。
「そこは無理させ過ぎるのも問題だからな」
それでも、かおリンは【能力】の事で体を張ってるのは分かるし、レイが俺に無理させそうなのを戒めたくれた事も、少しは信用しても良いか。
「分かった。俺もかおリンを少しは信用しようと思う」
「それは良かった……って、ゴメン。ちょっと、吐かせてもらうわ」
かおリンはそう言って、体内に溜まった臭い臭い(にお)いをおもむろに吐き出した。ゆっくりとかおリンの体の色は元に戻っていくけど……
「さっきよりも酷いんだが!!」
【能力】になったせいもあるのか、酷い臭い過ぎて、精神的にダメージが……前言撤回だ。信用してもいいけど、違った意味で警戒しないと駄目だ。




