街へ行こう
「ポン骨の目的は魔王候補、魔王になる事なんだよね」
「まぁ……そうなるな。今はこんな格好でしかないけど」
というか、レイ達に見捨てられた時点で終わる状態だから。
「私としては自由になるために、魔王候補から外れたいんだよね。けど、他の魔王候補がベルゼブみたいな奴ばかりだったら嫌だし……出来るなら、ポン骨に譲りたいかな。その方が面白い魔王になりそうでしょ」
「という事は……これからも協力してくれるのか?」
「うん。そのためにポン骨が目覚めるのも待ってたし、一緒にいたら楽しそうだから。魔王候補を目指すにしても、危ないのは私も同じだし。私自身も強くなれそうでしょ?」
レイが強くなる=俺の物を奪っていくイメージが出来てしまったんだが……
「私もレイと一緒に行くぞ。目的もなし」
クサイさんは俺というよりも、レイと行動を共にしたいみたいだ。理由がどうであれ、レイとクサイさんと一緒に冒険出来るのは本当に助かる。
「というわけで、私達はポン骨を魔王候補にするために動くわけだけど、ポン骨がこんな状態だからね。まずは骨を見つける事が先決かも。そうだよね?」
「そうだな。まずは自分の力だけで動けるように【補骨】で強化したいぞ。そのためには魔物を倒す必要があるわけで……」
ドクロの杖じゃなくなったから、戦闘するにも攻撃手段がないんだよな。クサイさんの【鉄骨】を引き抜いて【補骨】するにしても、尻に刺さった物を使いたくはない。装備するレイも嫌がるのは間違いないだろう。
「魔物なんだけど、『茸の森』というだけあって、キノコや植物系ばかりなんだよね。獣系は全然見てないから。けど、街の中に骨が売ってるかも。色んな店があったし、骨付き肉が美味しそう……って、骨があるわ!!」
街があるのだから、店があってもおかしくない。という事は、俺達みたいな知性がある魔物が多くいるわけだ。
「言っておくけど、遊び行ったわけじゃないからね。情報収集のためなんだから。何人かに声を掛けられて、ご飯についていきそうにもなってないし」
「そんな事があったんだな。まぁ……騙されてないだけ、ましか。骨付き肉の骨を【補骨】するかは別だけど、街に行ってみる価値はあるな。他にも何か情報があったりするのか?」
「そうそう!! ベルゼブが死んだ事がここまで伝わってるみたい。魔物達は魔王候補を倒すためのパーティーを組もうとしてたから」
センリが言葉通り、俺達がベルゼブを倒した事で、魔王候補を倒そうとする魔物達が増えてきたわけだ。パーティーを組むのも、複数人で挑んでもいいとなったのかもしれない。俺達もそうしたわけだし。
「なるほど……という事は、この付近に魔王候補がいるかもしれないのか。そのパーティーに入るのは……止めておいた方がいいよな」
メンバーが増えるのは良い事かもしれないけど、魔王候補になりたい魔物もいるわけで、そこで争いが起こるかもしれない。レイとクサイさんが例外で、仲間を作るのは本当に難しいと思う。
「どうなんだろう? 魔王候補がいるのはダンジョンが多いみたいだし。パーティーで徒党を組んで、一緒に行くのもありかも」
ダンジョン。それはベルゼブ城(洞窟)みたいに迷路になってる場所だ。そこには魔王候補の部下が配置されてるだろうし、罠も仕掛けられてるかも。宝箱は……あったら嬉しいかも。
「今思ったら、魔王候補に部下がいたとしても、何人も相手をしなければならないわけだし、ダンジョンの奥に隠れるのは当然だよな」
ベルゼブもそうだったみたいに、何人も連続で相手をしていたら、いずれは負けてしまうかも。それを少しでも減らすためのダンジョンだ。それがあるために、魔王候補を狙う者も少なかったかもしれない。
「だな。声を掛ける。強くないと駄目だ」
弱い奴を仲間にする場合は壁役等、嫌な役回りをさせられそう。どっちにしても【補骨】するのが先決だ。
「よし!! まずは【茸の森】の先にある街に向かうか」
「ポン骨は自分で動く事が出来ないけどね」
レイは俺の頭を両手で持ち、ドアを通り抜けようとする。【銀の首輪】で俺の右手と一体化してもすり抜ける事が可能になったんだろうけど……
「俺自身はすり抜ける事は出来ないって!!」
俺だけ壁にぶつかり、下に転がるのは、前回同様の展開だからな!!




