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骨・骨・骨!!  作者: マネージャー
17/67

この者、魔王候補最弱である

ー7ー


「あの……ベルゼブが倒された事は魔界全体に伝わるわけですよね? 倒した私の名前も広まるなんて事は……」


 レイは恐る恐る、センリに聞いてみる。魔王候補の名前が全体に知られてるなら、レイの名前が公開されてもおかしくはないかも。


『名を上げれるチャンスですから。したくないのであれば、伏せても構いませんよ。余計な戦闘を増やしたくない気持ちは分かります。ですが、紋章がある以上は難しいでしょうね。幽霊(ゴースト)の貴女に隠す方法があれば良いのですが』


 名前を広める事は阻止したけど、魔王候補の紋章を消す事は出来ないらしい。俺の右手とは一体化してるけど、【装飾品】の類をレイが装備出来るかどうか……


『更にいえば、隠すのに成功したとしても、私のような魔王、他の魔王候補同士が接触すれば、バレてしまうので』


「はぁ……名前が知られないだけでもいいです。後の事は外の空気でも吸ってから、ゆっくり考えます。……ポン骨には責任取ってもらうからね」


 ベルゼブを倒すのに巻き込んだのは、俺じゃなくレイの方なんだけど……とはいえ、頭蓋骨しかない俺にとって、レイやクサイさんに放置される方がキツい。俺の方から一緒にいるのをお願いしたいぐらいだ。


『ゆっくりですか? それは難しいかと。腐敗のベルゼブブが息子の死に気付きました。(かたき)討ちと魔王候補奪還のために、部下を差し向けるでしょう。ここに乗り込むのもそうですし、転移先にも配置するかもしれません』


「……えっ!? 魔王が手を出すなんてありなの!! ベルゼブが魔王の息子だって知らなかったんだから」


『ですよね。ベルゼブは魔王候補の中でも最弱。 ただし、ベルゼブブの息子であるがために、誰もが狙う事が出来なかったわけです。私も含め、他の魔王は候補者に愛着はありませんから』


 ベルゼブは魔王候補の中で最弱だなんて……俺達に倒されるぐらいだし、納得出来る話だな。それでも、親である魔王が出てくるのは卑怯じゃないか?


「センリ様が俺達を助けてくれるなんて事は……ベルゼブブが手を出すなら、それもありなのでは? レイが倒されたら、ベルゼブブの方に候補が移動するわけで」


 生き残るためにはセンリの部下なり、手下なりになって、逃げる事を第一に考えた方がいいはず。推薦した魔王候補が魔王になった場合、その恩恵があるなら了承してくれると思うんだけど……


『貴方達が私に従い、助けを求めると……ベルゼブブの邪魔をするのは面白そうですが、私は魔王候補争奪戦の担当者として、特定の魔物を贔屓するわけにもいきません。まして、私が選んだ候補でもありません。簡単ではないのです。それに……ベルゼブブ本人が動くわけではなく、その部下達が候補になろうとしているだけで、問題はないはずですから』


「正論過ぎて、何も言い返せないんだけど……そうなると、話を聞くだけ時間の無駄だよね。その分、包囲が広がるだけたわし」


 レイは俺を右手で掴み、転移の魔法陣がある部屋に。ベルゼブ城の他の出口を探す暇はない。クサイさんも、レイの後ろについて来る。


『頑張ってください。貴方達の行動には注目しておきますので。では……また会う時まで』


 センリも俺達の邪魔をするわけでもなく、声は途切れた。その時、俺はふと思ってしまった。


「……もしかしたら、センリって魔王は俺達を助けてくれるかも」


「えっ!? 本人は無理だと言ってたよね」


「いや……『簡単ではない』と言っただけだ。センリ以外の魔王も俺達の事を覗いていたのかもしれない。それに『また会う時まで』とも言ってたしな」


 それは俺達が無事に脱出する事が出来ると分かってるからじゃないか? 注目するとも言っていた。


「けど、私達を助ける理由は? 何もないよね。部下になるわけでもないし、センリが選んだ魔王候補の敵に……私の魔王候補の権利を渡して欲しいのかな」


「確かに……けど、センリはベルゼブブと違って、候補を選びはしたけど、愛着はないと言ってたよな。権利を渡すのはどうなんだ?」


 センリが協力してくれる感じてたのは、俺の勘違いか?


「あれが転移の魔法陣? 動いてなさそうに見えるのは私だけ?」


 玉座の間の奥にある部屋。そこまで広いわけでもなく、魔法陣以外に何もない。動かす装置みたいなのも見当たらない。


「魔法陣というから、魔法とか魔力が必要なのかな? ベルゼブが死んでしまったから動かないとか?」


「ベルゼブは魔法が苦手と言ってたぞ。子供だから上手く使えないって。出口側の方に何かされたんじゃ……」


「魔力が必要なだけ。三人でも足りないようだ。それだけだ」


 クサイさんが正解を言ってくれるけど、三人の魔力が足りないとか、致命的だろ!! 転移の魔法陣が使えないって事だろ?


「取り敢えず、試しに乗ってみようよ。もしかしたら、誤作動とか起こってくれるかもしれないし」


 レイは諦めず、転移の魔法陣の上に立った。すると、魔法陣が光を放ち、起動する音が鳴り響いた。これは……センリが魔力を提供してくれたのか?


「これは……行けるでしょ!! クサイさんも早く」


 レイがクサイさんの手を掴むと共に、俺達はベルゼブ城から姿を消した。

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