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ぼくは自分が安全な人であることを証明しなくてはならない。

たとえば、無知で人を傷つけたことはあるが、犯罪は犯していない。

たとえば、ちゃんとした家族がいる。


庭には肥後菖蒲が鉢植えで、毎年なんとか花を咲かせるようになった。

睡蓮も五つほどある株のうち、二つ三つは花をつけるようになった。


知り合った人からもらった珍しいメダカも、五月になって、暖かくなって、ゆっくりだけど順調に増え始め、来年には友人に分けてあげられるだろう。


しかし、心の中には、光と闇がある。

強く信じた神さまの保護を感じる時は、自信が満ちてくるが、仕事を通して、いろんな人の欲と付き合い、彼らが吐き出している毒やウィルスのようなものが満ちた空間に共にいると、吐き気と目眩に惑わされて、たくさんの呪詛の言葉を口に綴るようになる。


明日を諦めたくもなる。


そんなぼくを好ましく、友情を感じてくれた友達は、もういない。

残されたのは、師匠とか、先輩だとかだけど、互いに忙しくしていると、結局は相談する人はなくて、犯罪を解決する探偵のドラマをまとめて全部見たりする。

それでも、頼りになるのは自分だけで、誰かにぼくは信頼できる人徳とか生き様とかありますよって、言えない。


弱いぼくは、自分を証明できない。

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