第九十八話
前回のあらすじ!
マシロを誘拐したバビルサの館に潜入した俺達。俺とモイラさんは目的だったマシロを発見出来た!後、多分屋根にノリ先輩達も来てるな。強い魔力反応が三つある。あそこからなら援護してくれるだろうから、俺達がマシロ救出の本命かな。そんな事を考えていたらホグジラさんの方に動きがあった。
「おいバビルサ!何で無関係な姉弟子を誘拐した!俺に文句があるなら直接俺に言いに来い!」
ホグジラさんの怒りの咆哮にバビルサは余裕の笑みで答える。
「関係ないだ〜?お前の修行仲間なんだろ。関係無くないだろう。それに、静かにしないと姉弟子が起きるぞ。せっかく魔法で寝ているのに。しかし、フッ!」
「なんだ、何が可笑しい!!」
「こんな子供を姉弟子なんて、ホグジラ様ともあろう男が情けないな〜!」
「何だと!貴様!!」
「まあ、こんな子供を弟子にするなんて、師匠も大した事ないだろけどな!」
「お、お前!俺や姉弟子を馬鹿にするだけでは無く師匠まで馬鹿にするのか!どうなっても知らんぞ!!」
ホグジラさんが一歩踏み出そうとするとバビルサがマシロの首元に剣を突き立てる。
「おっと!動くなよ。下手に動くとコイツで喉を掻っ切るぞ!」
「ぐっ!卑怯な!」
「お前みたいな脳筋には分からんだろうが、これも戦略の一つなんだよ」
「それでお前の目的は何だバビルサ!何が目的で姉弟子を誘拐した!」
「目的だ〜?そんなん決まってるだろ。神器だよ、神器!それを俺の物にして俺は十ニ守護獣となるんだよ」
「こんな姑息な手を使ってまで十ニ守護獣になりたいのか!正々堂々、俺と勝負すればいいだろう!」
「魔力をロクに使えないお前なんか俺の相手ではないが、力だけは凄いからな。下手なリスクを俺は取らないだけだよ。さあ、御託はいいから神器を寄越せ!早くしないと首を掻っ切るぞ!」
「貴様ー!ん?・・・分かった。今から神器を渡す。受け取れ」
そう言ってホグジラさんは神器であろう斧を取り出してバビルサの少し離れた位置に投げた。あの斧、デカイし、斧の刃の部分が二つあるな。独特な形してるな。俺はアイツが神器を拾いに行っている隙に!!
「そう、その神器が俺は欲しかったんだよ!これで俺が、俺こそが十ニ守護獣だ!」
「さあ、神器を渡したぞ。姉弟子を返してもらおう」
「いいや、駄目だな。あと一つお前から貰わないといけないなあ」
「あと一つ?何だそれは!」
「お前の命だよホグジラ。お前に負けた雪辱をそれで果たそう。それが終われば姉弟子は帰え・・・いない!何故!」
「人質から目を切っちゃ駄目っすよ。こうやって簡単に奪い返されるっすからね」
俺はバビルサが神器を拾いに行った瞬間にマシロを保護した。俺とマシロを見ながらバビルサが吠える!
「何だお前は!一体何処から!返せ!そいつは人質だぞ!」
「返せと言われて返す訳ないじゃないっすか!行くっすよモイラさん!」
「はい!」
「クソ!逃がすな!お前等!侵入者とホグジラに撃て!」
俺達とホグジラさんに攻撃しようと、館の窓からバビルサの手下が攻撃しようとしたが、俺達へ攻撃しようとした手下は次々倒されていく。屋根上にいるノリ先輩達の攻撃だろう。俺はそれを信頼して屋根上に急いだ。そして無事にノリ先輩達に合流出来た!俺は大声でユウ先輩に語りかける!
「ユウ先輩!俺達の任務完了っす!後はお願いしますっすよ!」
「何だ?誰に話している?ユウとは誰だ?」
そんな事を言っていると、ホグジラさんのいた方から声が聞こえる。
「お前等は撤退していいぞ。後は任せとけ!」
土煙が晴れるとそこにはユウ先輩とホグジラさんがいた。俺達はユウ先輩の返事を聞いて撤退し始めた。
下手をしたら巻き込まれそうだからだ。ちょっと戦いを見たい気はしたが、マシロを安全な所に連れて行くのが大切だからな。
俺達は宿屋に向かって走り出した。
〜ユウ視点〜
珍しくダイがいい仕事をした。撤退もスムーズだったし帰ったら褒めてやらないとな。ダイもノリも仕事をキチンと果たしたのだから次は俺の番だな。
ホグジラの横にいる俺を見たバビルサが大声で吠える!
「な、何だお前達は!さっきまでいなかっただろう!一体いつからそこにいたんだ!」
うろたえるバビルサ。精神力弱いな。まあ、急に人が現れたらビックリはするか。俺はバビルサに向かって話し始めた。
「俺の名前は松山遊星。お前がさっき馬鹿にしていたコイツ等の師匠だ」
「き、貴様がホグジラの師匠か!ふ、ふん。見るからに情けなく、貧相な男よ」
「お前は!師匠に向かって何度無礼な口を叩くんだ!」
「いいんだホグジラ。好きに言わしておけ」
「しかし、師匠!」
「別に俺の事を悪く言うのはいいんだよ。俺自身そんなに出来た人間じゃあないからな。ただ・・・」
俺はそこで言葉をやめて、魔力を解放する。今までの怒りを乗せて!!
「俺の仲間に手を出した奴には地獄を見せてやるよ!!!」
俺の魔力にあてられたのか、バビルサの手下達が倒れていく。情けない手下だ。ダイやノリでもこれくらいは耐えれるぞ。
「な、何だ!この圧力は!お、お前は一体何なんだ!何者なんだよ!」
「さっき自己紹介したろ?何だ?記憶力ないのか?」
「いえ、師匠の魔力で可怪しくなったんでしょうね。師匠の魔力を知っている俺ですら震えていましたから」
「まあ、いい。ホグジラ、アイツはお前に任せる。本当は俺が殺りたいが、お前に譲ってやるよ。ただ、負けたら許さんぞ!」
「お任せ下さい師匠!必ず俺が勝ちます」
「俺は周りのザコを片付けてくる。じゃあな」
俺はそう言ってホグジラの横から消える。三階建ての館の窓からコチラを伺ってる奴等の所に行き、一撃必殺で終わらせてくる。
あっ、ちなみに必殺と言っても殺す訳じゃ無い。気絶させるだけだ。今の所はな!
しかし、いざ攻撃に行ってみるとさっきの魔力解放で殆どの手下が気絶していた。
ちょっと残念だが、まだ二、三人気絶してない奴がいるからソイツ等を気絶させて、ホグジラとバビルサの戦いを見学する事にした。
「流石は師匠だ。凄い速さだ。俺もゆっくりは出来ないな」
「いい気になるなよ。俺とお前の戦いは、少しお前の方が強かったが、今はどうかな?」
「何を言っている?俺は、お前と戦った時よりも強くなっている。お前の勝ち目は無いぞ!」
「舐めるなよ!今の俺にはコレがある。神器があるのだ!お前に勝てるかな!」
「神器一つで埋まる差ではないと思うがな。さあ、始めるか!」
俺は三階からホグジラとバビルサの戦いを見ていた。成程、二人の戦いを見ていると分かった。
ホグジラの方が力が強い。ただ、魔力はバビルサの方がある感じか。確かに前のホグジラならいい勝負だろうが、今のホグジラは魔力が使える様になっている。
となれば結果は分かっているな。
「な、何故お前が魔力を使える様になっている!」
「師匠のお陰だ。以前の俺とは違うぞ!」
「確かに強くなっているな。だが、俺には神器がある!コレの力を見せてやるよ!いくぞ!神器解放!」
「な、何!」
バビルサが神器を掲げて神器解放と叫ぶ!
しかし、何も起こらなかった!
「な、何故だ!何故解放しないのだ!」
そう呟いているバビルサが哀れに見えて俺は答えを教えてやった。
「何だ、バビルサ知らなかったのか?神器は知性を持つ武器なんだよ。つまり、持ち主が武器を選ぶのでは無く、武器が持ち主を選ぶんだよ」
「な、なんだとー!」
「成程、だから師匠は神器を手放しても良いと言ったのですね」
「ああ、アイツは神器の持ち主としては、ふさわしくないからな。確実に拒否られると思ってたわ」
「流石師匠!お見事です!」
「ふ、ふざけるな!武器如きが俺を拒否するだと!そんな事があるものかー!」
「おい、ホグジラ!神器を回収しろ!」
「分かりました師匠!」
ホグジラがバビルサに突っ込んで持っていた神器を奪い取る!
自分が神器に選ばれないと知ったバビルサは茫然としていたため簡単に奪えた。
俺は神器を持ったホグジラに命令する。
「さあ、ホグジラ。唱えろ!神器解放と!」
「はい!師匠!神器解放!」
ホグジラが唱えると神器が答えた!一つだった斧が二つに分かれ片手斧を両手に持っている!形態が変わる神器は初めてだな。さらに、ホグジラの周りに魔力の鎧が出来ている。あれがアイツの神器解放か。
「こ、これは一体!力がどんどん溢れてくる!」
「ま、まさか本当にホグジラには解放出来たのか!な、何故だ!何故俺には解放出来なかったのだ!」
「ふっ、坊やだからさ」
「そ、そんな答えで納得出来るかー!」
そう言ってバビルサがホグジラに突撃する。ホグジラはそれを簡単に弾け飛ばす!その一撃でバビルサは気絶してしまった。
「あーあ、バビルサは気絶したか。よし、ホグジラ。後始末はお前に任せる。俺はマシロが心配だから帰るわ」
「分かりました!後始末が終わったら俺も宿屋に向かいます」
「おう、待ってるぞ!じゃあな」
そう言って俺は宿屋に向かって走り出した。マシロは無事だろうか?ノリとダイは無事に宿屋に着けただろうか?しかし、本当に面倒事が起きるな。
日本に還ったら厄落としでもするか。この世界でもあるかな厄落とし?
早くアイテムゲットして還りてーなー!




