第九十六話
エクスブラックに入ってから四日が経過した。今は夕方でユウ先輩とマシロ以外のメンバーが集まって晩御飯を食べている。
ヨルムンガンドのメンバーは情報収集をしており、この街にはヒバカリさんがいない事が分かったらしい。一応街の中を探していたがいなかったとの事。
ノリ先輩はアイテムの情報収集をしたり、街の見学をしていたらしい。
俺はユウ先輩の特訓を見学した後は、ノリ先輩と一緒に行動したりしていた。
ユウ先輩とマシロはホグジラさんと約束通り三日間の特訓をしており、今日が最終日だ。
「ユウ先輩、そろそろ帰ってくるっすかね?」
「ここ三日の感じだと、そろそろですね。あっ、噂をすれば」
宿屋の入口の方を見るとユウ先輩が入って来た。しかし、ユウ先輩一人でマシロがいない?どうしたんだろう?
「あー、腹減った!俺にも何か飯くれよ!」
「あれ?ユウ先輩、マシロはどうしたっすか?」
「ああ、特訓で汚れたから銭湯にいかした」
「えっ!マシロ、一人で大丈夫っすか?」
「護衛として、ホグジラに頼んである。今のアイツならそこら辺の奴等には負けんだろ」
「ホグジラに護衛って大丈夫ですか?ユウ?」
「大丈夫だよ。アイツ等、弟子同士でめっちゃ仲良くなってるんだよ」
「弟子同士って!ユウとホグジラは師弟の関係になったのですか?」
「この三日だけだよ。マシロが言い始めたんだよ。そしたらホグジラも認めたから、仕方なくだよ」
そんな話をしていたら宿屋の入口から、けたたましい音をたててホグジラさんが入って来た。
「師匠ー!姉弟子は帰ってますか!」
入ってくるなりホグジラさんが大声を出す!とても慌てた様子で!
「何だ!ホグジラ!マシロがどうした!」
「そ、それが待ち合わせ時間に来なかったので銭湯を確認したのですが、姉弟子が見当たらなく、もしかしたら先に帰ったのかと思い、此処に来たんです!」
「何だと!ちゃんと探したのか!」
「勿論です。俺の仲間に銭湯の中を探して貰いましたが見当たら無かったのです。コチラには帰っていないのですか!」
「ああ、帰っていない。一体何処へ!」
そんな事を話していると、入口から見たこと無い男が立っていた。
「おい、ホグジラ。何処に行ってんだ!お前に話があるんだよ」
「ん?お前はバビルサの所の!」
「バビルサ様からの伝言を伝えてやるよ。「お前の姉弟子は預かった。返してほしくば俺の家まで来い」だってよ!急いだ・・・」
男が話しきる前にユウ先輩が男を殴った!男はふっ飛ばされ向かいの家の壁にめり込んだ!
ヤバイ、ヤバすぎる!ユウ先輩!ガチ切れじゃないか!まあ、俺も怒っていたけど、ユウ先輩の怒り具合を見たら冷静になってしまった!
「おい、ホグジラ。バビルサって奴の家に案内しろ。マシロを取り返しにいくぞ。ダイ、ノリ出撃だ!皆殺しだ!」
「ちょ!ちょっと待つっすよ!ユウ先輩!落ち着いて下さいっす!」
「おい、ダイ。マシロが誘拐されたんだぞ!落ち着いていられるか!」
「ユウ先輩、落ち着いて下さい。先ずは相手を殺るよりもマシロの救出が最優先です。その為にも落ち着いて下さい」
「・・・スー、ハー!悪い、冷静じゃ無かった。スマン」
「いいっすよ!俺も怒ってたっすけど、ユウ先輩を見てたら逆に冷静に慣れたっすから!」
「私もです。では、ユウ先輩、先ずはホグジラさんの話を聞いてみましょう。バビルサって奴について」
俺達はホグジラさんの方を見る。ホグジラさんは頷いて話し始めた。
「分かった。バビルサは俺と共に十ニ守護獣の座を争った奴だ。最終的には俺が勝って、十ニ守護獣になった。もしかしたら十ニ守護獣の座を狙ってこんな事を起こしたのかもしれない」
「つまり、何か?お前達の争いにマシロが巻き込まれたって事か?」
「そ、そうなります。すみません師匠!」
「いや、お前が悪い訳じゃない。分かってはいる。分かってはいるが!!!」
「ちょ!ユウ先輩!魔力溢れてるっすよ!圧力半端ないっすよ!」
「・・・スマン。落ち着くわ。それでどうするか?」
「ユウ先輩とホグジラさんはバビルサの家に真正面から向かって下さい。私とダイで忍び込んでマシロを確保します」
「ノリ、私達ヨルムンガンドはどうしましょうか?」
「力を貸してくれるのか?モイラ?」
「当たり前です。マシロは私達の仲間でもあるのですから。いいですね、ガーター、マンバ!」
「勿論です。此処まで一緒に旅をしたのですから」
「俺もいいぜ。あんないい子をほっておけるかよ!」
「すまないな。助かるぜ!なら、ノリ達と一緒に行動してくれ。あと、モイラ。ちょっと頼みがある」
「なんですか?ユウ?」
ユウ先輩とモイラさんが何か話し始めた。なんだろ?ただ、モイラさんが驚いている。
「分かりました。最悪の時は私がやります」
「すまないな。お前にしか頼めないからな」
「任せて下さい」
「ユウ先輩、モイラさんと何を話してたっすか?」
「いや、何でもない。それじゃあいくぞ。ホグジラ、案内を頼むぞ」
「勿論です師匠。俺の命に代えても姉弟子は助けてみせます」
「阿呆、お前が死んだらマシロが悲しむだろう。必ず生きてマシロを助けるぞ。分かったな!」
「は、はい!師匠!」
俺達は宿屋を後にした。
しかし、バビルサって奴も馬鹿な事をしたな。怒らしたらいけない人を怒らしてしまった。
バビルサはこの後生きていられるのか?
そして、マシロを無事に助けられるのか?
還る為のアイテムをゲットする前に一仕事だ!
次回バビルサ死す!絶対見てくれよな!




