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第九十四話

ユウ先輩とホグジラさんが戦う事になった。

ホグジラさんの案内で広い闘技場に案内された。此処で戦うらしい。


「ほー!広いな。これなら暴れられるな」


「そうだ!ここなら暴れても問題無い!さあ、やろう!俺はお前を倒してモイラと決着をつけないといけないからな!」


「えっ?お前、俺に勝った気でいるのか?」


「何を言っている。お前はモイラと戦う為の前座だ。ある意味準備運動でしかない。負ける訳ないだろう」


ホグジラさんは大笑いをしている。それを見ているユウ先輩の顔が真顔になってる。あれ、結構怒っているな。ユウ先輩がモイラさんに話しかけている。


「なあ、モイラ。このデカブツ倒してもいいのか?」


「ええ、勿論です。少し、現実を見せてあげて下さい」


「そうだな。ちょっと現実を見せてやるか」


そう言ってユウ先輩はホグジラさんと向き合う。


「さて、デカブツ君。お前の武器は何だ?早く準備したまえ」


「デカブツだと!まあ、いい。お前みたいな小物には武器はいらん。素手で相手をしよう!お前は好きな武器を使え!」


「はあ?素手だと?まだナメてるのか?ならいい。俺はこの剣を使うぞ!」


ユウ先輩は闘技場にかかっている一本の剣を手に取った。珍しい、ユウ先輩なら相手が素手なら素手で相手をすると思ったのに。


「ユウ先輩は素手の方が強いですからね。ハンデのつもりでしょうね」


「成程。ってノリ先輩まで俺の考えを読まないで下さいっすよ!」


「前から言ってますが、ダイは考えてることが顔に出てますよ。その内マシロにも読めると思いますよ」


「はい!ノリ師匠!頑張ります!」


「いやいや、マシロ!頑張らなくていいっすよ!はら、始まるっすよ!」


俺の声が合図となったのか、ホグジラさんとユウ先輩が突撃した!ホグジラさんは手甲を付けており、ユウ先輩に向かって拳を振り下ろす!ユウ先輩はそれを避けて剣を斬りつける!ホグジラさんは手甲で弾く!弾いた後にホグジラさんが拳を振り下ろす!ユウ先輩が避ける。斬る!弾く!殴る!避ける!それを凄い速さで繰り返している。


「へえー、ホグジラさんやるっすね」


「そうですね。ユウ先輩の剣撃について来てますね。流石はモイラさんのライバルですね」


「心外ですね。彼とライバルになったつもりは無いのですが」


「けど、成績は五分っすよね?」


「そうですが、彼にはとんでもない弱点があります。それが治ってないならユウが負ける事はありません」


「弱点っすか?それは・・・」


そんな話をしていると、ユウ先輩とホグジラさんの撃ち合いが終わった!少し距離を取ってユウ先輩が話始めた。


「成程、大口を叩くだけはあるな。」


「俺の方がビックリだ!俺の攻撃を此処まで捌き切れるとはな!思ったよりやるじゃないか!」


「思ったよりやるか。まだ気づいて無いのか?」


「何?」


ユウ先輩が指を鳴らすと、ホグジラさんの手甲が砕け散った。 


「何だと!いつの間に!」


「ちょっと戦って分かったが、ホグジラ、お前魔力を使ってないな」


「魔力?そんなもん使う必要あるか。俺にはこの鍛えた身体がある。これ以上必要無いだろ」


「あー、成程。分かった。お前今まで負けた事ないだろ」


「???何を言ってる?あるに決まっているだろう。モイラにも負けたしな」


「あー、そういう負けじゃない。俺が言ってる負けは完膚なきまでの完全敗北だ」


「ますます分からん?負けは負けだろう。完全敗北とはなんだ?」


「今から教えてやるよ。完全敗北ってやつをな!」


ユウ先輩は剣を捨てた。


「何故、武器を捨てる?もう辞めるのか?」


「辞める?違うな。今から本気でやるんだよ」


「面白い!かかってこい!」


ユウ先輩が再び戦闘態勢に入った。俺はさっき話していた弱点についてモイラさんに聞いてみた。


「モイラさんが言ってた弱点って、魔力を使わないって事っすか?」


「半分正解ですね。魔力を使わない、ではなく使えないが正解です」


「魔力が使えないっすか?それはどういう・・・」


そんな話をしていると、ユウ先輩は魔導甲冑を発動した。何か、ユウ先輩の魔導甲冑、威力上がってないか?少し離れているのに圧力が半端ない!


「こ、コレがお前の本気か!凄まじいな!これ程の圧力!初めてだ!」


「じゃあ、行くぞ!此処からは遊びは無しだ」


ユウ先輩がホグジラさんに突撃する。ユウ先輩がホグジラさんの腹に向かって拳を振るう。それをホグジラさんは両腕で防ぐも、壁までふっ飛ばされる。

それを見ていたモイラさんがビックリした顔で話かけてくる。


「ちょっと待って下さい!ユウ、ものすごく強くなっていませんか!」


「そうっすか?ユウ先輩前から強いっすよ」


「いえ、強いのは知ってますが、私と戦った時よりも強くないですか!手加減していたのですか!」


「あー、モイラさんと戦った時から結構経ってるっすからね。そのから成長してるっすよあの人」


「あれからそんなに時間経ってないですよね?それなのにあれ程強くなっているのですか!」


「ユウ先輩、成長止まらないですからね。まだまだ強くなりますよ」


「私、師匠に追いつけるか分かりませんが頑張ります!」


「あ、貴方達も大概おかしいですが!」


「酷いっす!ユウ先輩と一緒にされたら困るっす!」


「ええ、心外ですね」


そんな話をしていたら、ユウ先輩対ホグジラさんの戦いも終わりを迎えようとしていた。

ボロボロになったホグジラさんと無傷なユウ先輩。余りにも圧倒的な差だ。


「グッ、まさか俺が、これ程何も出来ないで負けるとは」


「お前は確かに身体はデカイし、強い。だが、魔力が全く使ってない。それじゃあ俺には勝てないぞ」


「魔力か。・・・俺は生まれた時から魔力が扱えんのだ。どれだけ訓練しても発動出来なかった」


「成程な。おい、モイラ。お前ホグジラとの戦いで魔力使わなかったのか?」


「ええ、彼が使えないと聞いていたので使わずに戦いました」


「だから負けてたのか。おい、ホグジラ聞いたか?お前、ライバルと思っていたモイラに手加減されてたんだぞ」


「そ、そんな!」


「どうだ、悔しいだろ。悔しいよな!どうするホグジラ。このまま諦めるか?」


「あ、諦めたくない!だが、どうすればいい。魔力が使えない俺ではお前達には勝てないのだろう」


「そうだな。しかし、お前が魔力を使える様になったらどうだ?」


「俺が魔力を?馬鹿な事を言う。使えるなら使ってみたいさ。俺がどれだけ訓練したのか知らないくせに!」


「ああ、知らないな。ただ、そこまで訓練したのならあと三日頑張ってみないか?」


「三日?その三日で何が出来るんだ?」


「お前を鍛えて魔力を使える様にしてやるよ」


「ほ、本当か?俺が魔力を使える様になるのか!」


「絶対ではないけどな。やってみる価値はあるはずだ。どうする?やるか?」


ユウ先輩がホグジラさんに向かって手を差し出す。ホグジラさんは床に倒れていたが、起き上がりユウ先輩の手を握る。


「どうせこのままだと打開策はない。俺はアンタに賭けてみる。宜しく頼む。えっと」


「俺の名前は松山遊星だ。ユウと呼んでくれ」


「ユウか。宜しく頼む。先程までの無礼な態度、本当に申し訳ない」


「気にすんな。じゃあ明日朝、此処に集合だ。遅れるなよ」


「分かったが、俺は今からでもいいのだが?」


「今日はしっかり休め。明日からの特訓に耐えられる様にな」


「・・・分かった。なら明日朝此処で待つ」


「おう、待ってるぞ」


ホグジラさんはそう言って闘技場を出ていった。ユウ先輩が俺達の所に戻ってきた。


「と言う訳で、俺は三日間、ホグジラを鍛えてくるわ」


「まあ、私達の情報収集もそれぐらいかかるのでいいですが、ユウ本当にホグジラは魔力を使える様になるのですか?」


「ぶっちゃけ分からん。まあ、やるだけやってみるさ」


「・・・分かりました。では宿屋に戻って休みましょう。行動は明日からと言う事でって、聞いてますか?ガーター、マンバ」


ガーターさんとマンバさんは固まっていた。なんでだろう?


「ちょ、ちょ、ちょっと待てよ。何だユウのあの強さ!めっちゃ強いじゃないか!」


「私もビックリしました。モイラから強いとは聞いてましたがこれ程とは」


ああ、この二人ユウ先輩の戦い初めて見たからか。確かに初めてだとビックリするかな?


「まあ、私ですらビックリしましたからね。初めての二人だとそうなりますか」


「とりあえず宿屋帰って休もうぜ。ちょっと疲れたわ」


ユウ先輩が宿屋に向かって歩き始めた。

俺達は見慣れてるけど初めての人はビックリするよなー。

さてと、ユウ先輩の予定は決まったけど、俺はどうしようか?まあ、宿屋に帰ってから考えますか。

還る為に必要な最後のアイテムがある大陸。何事も無く無事に行けたらいいな。

さてと、明日はどうしようか?

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