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第九十三話

港町から四日かけて到着しました。エクスブラック!

此処まで本当に何も無かった!盗賊も出なければ、魔物も大した奴は襲って来なかった!

何て順調なんだ!そう思っているとユウ先輩が話始めた。


「すっげー順調に此処まで来れたな」


「そうっすねー!今までの旅が嘘みたいっすね」


俺達がそう話していたら、マンバさんが呆れながら聞いてきた。


「お前等、今までの旅はどんな旅だったんだよ」


「そうっすね。先ずは街から出ると盗賊に襲われる村娘を助けたり、街同士を戦争させようとする悪党の企みを阻止したり」


「街に入ったら、何故か面倒が襲いかかってきたり」


「面倒事とは?」


「街のならず者が戦いを挑んできたり」


「あー、私との出会いもそうでしたね」


「街の実力者が挑んで来たり、何故かユウ先輩の前で誘拐事件が起こったり」


「いやはや、トラブルには困りませんね。貴方達は」


「しかーし!今は何も起きてない!ただ、これはこれで不安になるんだよな」


「何故です?何も起きないなら良い事ではありませんか?」


「俺達の世界には、こういう言葉があるっす。嵐の前の静けさって言葉が!」


「それは!どういう事ですか?」


「俺達の世界では、何かヤバい事が起こる前には静けさあって、その静けさを超えると、とんでもないヤバい事があるかもしれないって、例え話だ」


「へー、そうなんですね師匠!勉強になります!」


「えーと、つまり何か?今は静かだけど、この後とんでもない事が起こるっていうのか?」


「その可能性があるって話っす!」


「具体的には?」


「それはな!」


「それは?」


「全く分からん!」


「いや、分からんのかーい!」


「まあ、起こったら起こった時に考えるか!それじゃあエクスブラックに入るぞー!」


「いやいやいや!今までの話は何だったのですか!」


「ん?いや、俺達の世界ではこんな話があるよー!って話しただけだが?」


「そ、それだけですか!」


「そう、それだけだよ!そら行くぞー!」


ユウ先輩の話に納得のいってない、ヨルムンガンドのメンバーに俺はそっと肩に手を置いて話始める。


「ちなみにっすけど、俺達、主にユウ先輩っすけど、今まで全ての街で、何かしら起こしているっすから多分、この街でも何か起こるっすよ。ねえ、ノリ先輩?」


「ええ、必ず何かは起こるでしょうね」


「な、ならユウは街の中に入れない方がいいんじゃないか?」


「いやいや、それだとユウ先輩は一人で勝手に入っていくっすよ?」


「それで何かしら面倒を起こすでしょうね。間違いなく!」


「それなら見ていた方がいいっすよ。精神的に!」


「そうですよ。原因も分からないまま巻き込まれるのは嫌ですし、面倒ですよ!」


「・・・お前達、今まで苦労してきてるんだな」


「少し、いや、かなり同情しますよ」


そう言って俺とノリ先輩はヨルムンガンドのメンバーと肩を抱き合っていた。すると、俺とノリ先輩の頭上にユウ先輩のゲンコツが落ちて来た!


「お前等、好き勝手いうなや!まるで全ての面倒事を俺が起こしてるみたいに言いやがって!」


俺は頭をさすりながらユウ先輩に反論する!


「何を言ってるっすか!殆どユウ先輩が引き起こした事じゃないっすか!」


「うるせー!お前等も何かしら起こしてただろう!」


「いやいや、俺は何も問題を起こしてないっすよ!」


「私は、まあ、少し心当たりがあるというか、なんと言いますか・・・」


「ほれみろ!ノリにも心当たりがあるんだよ!ダイにもあるだろ!思い出してみろ!」


「俺には無いっすよー!面倒事はユウ先輩のせいっすよ!」


「よーし、よく分かった。ならば戦争クリークだ!」


「えっ!ちょっ!ぼ、暴力はんたーい!」


追いかけてくるユウ先輩から逃げる為に全力を出した!

しかし、回り込まれてしまった!

残念、魔王からは逃げられない!


「だーれが魔王だ!そんな風に思ってんなら魔王らしくしてやるわ!」


「だから、人の考えを読まないで下さいっす!助けてー!ノリ先輩!」


「無謀な戦士、ダイに敬礼!」


「いや、秒で見捨てるっすか!決断早!」


なんて言っていたら、ユウ先輩に捕まってしまった!


「さーてと、久しぶりの必殺技いきますか!」


「ゆ、ユウ先輩!話し合いしようっす!話せば分かるっすから!」


「燃える赤き闘魂!あのプロレスラー必殺!魔性のスリーパー!」


「ギャー!締まる!首が締まるっす!」


「かーらーの!卍固め!元気ですがコノヤロー!」


「ちょっ!ギブ!ギブっす!ユウ先輩!」


「さてと、あの二人は置いといて、私達は都市に入りましょうか?」


「えっ!置いといて大丈夫ですか?特にダイは死にかけてるんじゃ?」


「大丈夫ですよ。いつもの事です。さあ、行きますよ。ユウ先輩、先に行ってますよ」


「分かった。俺達もコレが終わったら行くわ!」


「ちょっと!ノリ先輩!ユウ先輩を止めて下さいっす!マシロ!モイラさん!マンバさん!ガーターさん!何でこっちを見ないっすか!」


「さーてと、じゃあフィニッシュホールドでもいくか!」


「いや、コレがフィニッシュホールドでしょ!もう勘弁して下さいっす!!」


俺は離れていくノリ先輩達を見送りながら、ユウ先輩に技を決められていた!何で俺だけこんな目に合うんだ!

ユウ先輩との格闘を五分程続けた後、皆と合流した。その時に俺は、ユウ先輩に担がれていた。

俺は一方的にやられただけだからな!

その後、問題無く都市に入れた。まあ、門番には変な目で見られたけどな!

そのまま宿屋を押さえて、俺達は今後の予定について話し合いをした!


「さてと、とりあえずエクスブラックには入れたが、これからどうするか?」


「私達は情報収集ですね。私、マンバ、ガーターはヒバカリの行方を調べます」


「俺達はどうする?」


「俺は少し休みたいっす。身体中が痛いっす!」


「へー、大変だな」


「えっ!まさかの犯人が他人事っすか!」


「何を言ってる!お前の自業自得や!」


「えー、そんな殺生な!」


「私は少し街の中を見てみたいですね」


「私もー!師匠!街の見学したいです!」


「よし、なら街の見学にいくか!」


「え!三人で行くっすか?なら俺も行くっす!」


「無理すんな。ゆっくり休んどけ」


「何すか!その仏の様な顔は!嫌がらせする時の顔っすね!俺は付いて行くっすよ!」


「師匠ー!意地悪しないでダイ師匠も一緒に行きましょう!」


「マシロは優しいな。仕方ない行くぞダイ!」


「マシロ!ありがとうっす!」


そんな感じで話がまとまり、それぞれ動こうとした時、宿屋の入口が行き良いよく開く。入口を見て見ると、縦にも横にもデカイ一人の男が立っていた。アイツが入口を開けたのか!するとデカイ男が大声で話始めた!


「この宿に、モイラが泊まってると聞いた!何処にいる!」


サッとモイラさんの方を見ると頭を抱えてうずくまっている。もしかして、アイツこの都市に入る前に言っていた十ニ守護獣なんじゃ?


「おーい、呼んでるぞモイラー!」


ユウ先輩空気読んで!何でわざわざ教えてるの!

ほらぁ、ユウ先輩がバラすからあの大男がこっちにくるー!しかも大男の後ろにいて見えなかったが、お供が二人いる!モイラさんを見つけた大男が話しかける。


「よう、モイラ。久しぶりだな」


「ええ、久しぶりですねホグジラ。何か御用ですか?」


「おいおい、この都市に来たら俺に挨拶しに来いよ!

俺とお前の仲だろう」


ホグジラさんがモイラさんの肩をバシバシ叩きながら大笑いをしている。モイラさんめっちゃ嫌がってる。


「そうですか。では、挨拶も終わりました。それじゃあ失礼しますね」


去ろうとしたモイラさんの腕をホグジラさんが掴んだ。そして笑顔でこう言った。


「よし、モイラよ!戦うぞ!お前とは六戦して三勝三敗。決着をつけようぜ」


「貴方との戦いなんて、私には興味ありません!私は忙しいのです!手を離しなさい!」


何やら、モイラさんとホグジラさんがもめている。

ユウ先輩がそれを見ながら笑っている。


「見ろよ、いつも冷静なモイラがあんなに慌ててるぞ」


「ユウ先輩、アンタ鬼っすね」


そんな笑っているユウ先輩をモイラさんが睨みつける!しかし、すぐに笑顔に変わる。えっ!何あの顔?


「そうですね、ホグジラ。私と戦いたいのなら、先ずはあの男に勝ってからにしてもらえますか?」


そう言ってモイラさんが指を指したのはユウ先輩だった!


「何だ?この男に勝てばいいのか?おいおい、こんな男が強いのか?」


ホグジラさんがユウ先輩の頭を叩いている。

あーあ、やっちゃった!どうなっても知らないぞ!


「おい、コラデカ男!何してんだお前!」


「なんだぁー、やる気満々じゃないか!いいぜ、やるか!」


「いいぜ!やってやるよ!やれる場所まで案内しろ!」


「おーおー、元気がいいなー!ついてきな!」


ユウ先輩とホグジラさんが争いながら出ていく。

これ、また面倒事だよな。せっかく何も起きなかったのに!

最後のアイテムゲットまで、まだ道のりは遠そうだ。

しかし、ユウ先輩とホグジラさん。勝つのはどっちかな?この戦いは少し楽しみだ!

次回!ユウ先輩VSホグジラさん!







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