第八話
あの盗賊騒動から1ヶ月が経過した。
あの騒動以降、俺は今までより真面目に訓練に打ち込んでる。流されるままやっていた訓練よりいい訓練ができてると思う。
その成果がでているのか知らないが魔法ランクが3まであがった。正直な話俺は武器で戦うよりも魔法の方が良いみたいだ。
あとユウ先輩だがあの盗賊騒動の後はいつも通りだった。俺達を心配させないようにしてる。それとユウ先輩の低レベルの理由が分かった。あの人魔法を使って誤魔化してたんだ。
光魔法のミラージュがある。分かりやすくいえば幻術だ。それでステータスを誤魔化してた。
なんでそんな面倒くさいことをしたのかを聞くと
「レベルが高いと面倒を押し付けられそうだったから」
だってよ。じゃあ教えて下さいよって言ったら
「お前隠し事苦手だろ?下手に喋られたら嫌だから黙ってた。まあ敵を騙すなら味方からってな」
て言われた。確かに隠し事は苦手だけど教えて欲しかった。ちなみにノリ先輩は知っていた。・・・教えて欲しかったなぁ。
ユウ先輩のレベルはなんと26だった。高~い。なんでそんなに差が出たんだろうって聞いたら休みによく討伐クエスト受けてレベル上げしてるんだって。誘って欲しかったなー。
魔法ランクも4だった。マジで高い。本当にハイスペックなんだよな。この人。
本当のレベルを知っているのは俺とノリ先輩だけ。ユウ先輩から口止めもされたしな。
俺やノリ先輩もクエスト受けてレベル上げをして、俺が20、ノリ先輩が22だった。
ある討伐クエストが終わった後三人で飯を食べていたらユウ先輩が
「そろそろ俺等も行ってみるか?」
どこへって?思っているとノリ先輩が
「そうですね。一回ぐらいは見てみないと分かりませんから」
あれ?ノリ先輩は分かってるぽいけど俺はなんのことか分かっていない。
「ダイは分かってないな。ダンジョンだよダンジョン。俺等が呼ばれる原因になった所だよ」
「あー、分かってますよ。そうっすよね。ダンジョンですよね」
そう言うとノリ先輩は笑いをこらえながら
「ぷっ、そうそうダンジョンだよ。でもまだメンバー集めてないけどどうする?」
「それなんだがカヤから聞いたんだがダンジョンは深く潜れば潜るほど魔物が強くなるらしい。だから深い階層じゃないなら三人でもいけるだろ」
「まあ、いけるかな。無理は禁物だけどな」
「了解っす。じゃあ次の休みに行きますか?」
「おう、まあ各自準備しっかりとしとけよ」
そんな会話をしてその日は解散。でダンジョンに入る日がやってきた。城門の前で待っているとノリ先輩とユウ先輩、それにカヤ将軍までもきた。
「あれ?カヤ将軍じゃないっすか?どうしたんすか?」
「今日は休みだったんだがユウからダンジョンに入るって聞いたからな。どうせなら一緒に入ってみようかと思ってな」
「まあ、道案内は必要だしな。ダンジョンはこっから近いんだよな」
「ああ、馬車で少し走った所にある。馬車も用意してる。では行くぞ」
カヤ将軍が用意してくれた馬車に乗って移動してる間にダンジョンについて聞いた。
ダンジョンは二つに分かれている。地下に出来るタイプと塔の様になるタイプ。ここにあるのは地下タイプ。
「中はどうなってるんだ?」
「地下一階は草原エリアになっている。二階は森林エリア、三階は迷路エリア、四階は砂漠エリア、五階は墓場エリア。で六階からは草原、森林、迷路、砂漠、墓場となっている」
「中にいる魔物の強さはどうなんだ?」
「そうですね。このメンバーなら五階まではいけます。ただ六階からは強さが上がりますので厳しいと思います」
「まあ今日はダンジョン見学が目的だから五階までにしとくか?」
「様子を見ながらでいいんじゃないですか?無理は禁物ですから」
「そうっすよ!命を大事にっすよ!」
「わかってるよ!だからカヤ将軍にもきてもらったんだからな」
「まあ私もそこまでダンジョンには入ってないんで詳しくはないんですが案内ぐらいなら出来ます」
「そういえばダンジョンに入っていいのか?王様は反対してなかったか?」
「まあ今回はお試しってことでいいんじゃないですか?そんなに深くは入らないんですし」
「まああんたがいいならいいか。じゃあそろそろ着くから準備しろよ」
馬車の中で話をしていたら目的地についた。ちょっとした村みたいな所だな。村の真ん中にある洞窟みたいなのがダンジョンか。一応ダンジョンに入る前にチェックがあるのか。
チェックしてるのは冒険者ギルドなんだ。俺達はダンジョンの近くに馬車を止めて受付に向かう。その際にめちゃくちゃ注目されている。流石はカヤ将軍だ。黄色い声援もすごい。・・・べ、別に羨ましくなんかないんだからね。
受付ではギルドカードを見せてから初のダンジョンに入る!一体中にはどんな世界がまっているのやら!楽しみだ!