第八十四話
ダイが師匠と出会っている時、ノリは悟空親分の屋敷の庭で特訓を行おうとしていた。ノリとゴーリラ、キンシコウ、オラウータンは話し合いを始めた。
「さてと、では私達も始めましょうか?」
「いいが、どんな特訓をするんだ?」
「そうだな。俺達三人は何をしたらいいんだ?」
「簡単な事です。三人で私に攻撃して下さい。私はそれを避けながら貴方達に攻撃します」
「ちょっとまてよ。つまり、三対一でやるのか?」
「ええ、そうです」
「おいおい、それはいくら何でも・・・」
「俺達を舐めてないか!」
そう言ったゴーリラの身体が少し膨らんだ。ノリの発言に怒りを見せている。しかし、そんなゴーリラの様子を見ながらノリは三人に伝えた。
「・・・ダンジョン内でユウ先輩と悟空親分が敵と遭遇した事は聞いてますか?」
「ああ、シシオ爺さんを変えた奴だろ。親分から聞いてるよ」
「では、敵の強さはどう聞いてますか?」
「あー、あんまり詳しくは聞いてないな。どっちかというとシシオ爺さんの事を中心に聞いていたからな」
「そうですか。ちなみに私はユウ先輩から敵がどれくらいの強さか聞いています」
「へえー、あのユウの評価か。どれぐらいだ?まあ、あの場にはユウと悟空親分、それにダイが居たんだろ。あの三人なら勝てるだろう」
「ユウ先輩の意見では、あのまま敵と戦っていたら、間違い無く殺されていたと」
「!!なんだと!あのユウがそう言ったのか!」
「ええ、更に私とマシロがいても勝てたかどうか分からない相手だそうです」
「そんなにヤバい相手なのか!」
「私は直接見た訳ではありませんが、私達が今まで戦った相手、ネコショウ、セッショウ、オロチはそれ程の強さでした」
「聞いていた奴等か。確かにそんなヤバい相手なら俺達三人を相手にしないといけないか」
「・・・私は今まで、ユウ先輩に任せておけば、何でも解決出来ると思っていました。だが、最近の敵の強さは異常です。ユウ先輩だけでは万が一の事が起きるかもしれない。そう思うようになったのです」
「だから強さを求めるようになったのか?」
「ええ、ユウ先輩だけに負担をかける訳にはいきません。私も変わらなければいけない。その為にも強さを求めているのです」
「分かった。俺達が出来る事を手伝う。お前の特訓に付き合えば俺達のレベルアップにも繋がるハズだ!」
「ああ、そんな化け物がいるなら強くならないとな!この街を、そして悟空親分を守らないとな!」
「なら、初めるか!どうする?」
「では、この庭の中心に私が移動します。貴方達は好きな方向から攻めてきて下さい。私はそれを迎撃します!」
「分かった。なら始めよう。キンシコウ、オラウータンやるぞ!」
「おうよ!」
「手加減しねーぞ!ノリ!」
ノリが庭の中心に向かって歩きながら、三人に話しかける。
「私も今回は本気でやらせていただきます。手加減出来ないので本気でかかってきて下さい!」
ノリはそう言うと風の魔導甲冑を発動させた!
「なっ!お前も悟空親分や、ユウみたいな事が出来るのか!」
「ええ、ユウ先輩曰く、魔導甲冑。悟空親分的には炎王モードでしたか?なので遠慮は無用です」
「そうみたいだな!行くぞ!」
ノリの三方向からゴーリラ達が攻めてくる。
ノリは弓を構えながら迎撃態勢に入る!
「おいおい、弓で迎撃するつもりか!これ程接近されたら弓では無理だろうよ!」
「さて、それはどうでしょうかね?」
ノリは矢を取り出し、弓で引かずに、そのままゴーリラに向かって投げ飛ばす!
「うお!危ねえな!」
避けて態勢が崩れたゴーリラに、ノリが接近し蹴り飛ばした!
ゴーリラは壁まで吹っ飛んで行った!
「ゴーリラの兄貴!」
キンシコウがゴーリラの様子目で追ってしまい、ノリから目を切ってしまった!
その隙を見逃すノリではない。今度は弓を引いてキンシコウに狙いを定める。
「まだ、戦いの最中ですよ。敵から目を反らしてはいけませんね」
ノリが放った矢がキンシコウの腹部に当たった!
「鏃は潰してあるので刺さりませんが結構痛いですよ」
そう言いながらも弓を引いてキンシコウに更に追撃をかける!
「それ以上やらすかよ!」
オラウータンがノリの背後から拳を振り上げ、殴りかかろうとしてきた!
しかし、ノリは落ち着いて対応する。
「背後から襲いかかるなら静かにやるべきですよ」
ノリはオラウータンの腕を掴み取り、キンシコウに向かって投げ飛ばす!
キンシコウとオラウータンがぶつかった!
そこに更にノリが弓矢を送り込んでくる!
「「ぎゃーーーー!」」
ノリから放たれる矢の雨を受けてオラウータンとキンシコウが倒れる!
ノリが二人に攻撃を仕掛けている間にゴーリラが立ち上がり、静かにノリに忍び寄る。
ノリの頭を目掛けて拳を振り下ろした!
ゴーリラは当たったと確信したが、ノリ頭に当たらなかった!
「馬鹿な!」
「先程の失敗を生かしているのは良いのですが、殺気が丸わかりです」
ゴーリラの背後からノリの声が聞こえた為、ゴーリラが振り返ろうとしたが、振り返る前に意識が飛んでしまう。
「まあ、こんなものですか。さて、三人共大丈夫ですか?」
ゴーリラの意識を戻しながら、キンシコウとオラウータンに声をかける。
「ああ、しかし何も出来なかったな」
「まさか此処まで力の差があるとはな」
「なあ、ノリよ。俺達は弱いのか?」
「ええ、正直に言うと予想よりも弱かったですね」
「そ、そうだよな。」
落ち込んでいる三人にノリが声をかける。
「しかし、それはまだまだ強くなれると言う事です。その為にもっと特訓をしましょう」
ノリの声にハッとした三人が顔を上げる!
「そ、そうだよな!今は弱いがこれから鍛えればいいんだよな!」
「ええ、その為にも特訓あるのみです」
「ああ、やってやるよ!俺達も親分の足を引っ張る訳にはいかないからな!」
「よし、ノリ!続きをやろう!俺達はまだまだやれるぞ!」
三人がやる気になったのを見て、ノリも気合を入れ直した。
「ではやりましょうか!今度はもう少し持って下さいね?」
「やってやるよ!」
それからも四人の特訓は続いた。
気がつけば夕刻になり、流石に四人共疲れ果てていた。
「き、今日はこのくらいにしておきましょう」
「そ、そうだな。しかし、まさか三対一で一回も勝てないとは」
「貴方達は身体能力は凄いのですが、魔力操作がイマイチ出来ていません」
「確かに俺達は、あまり魔力を使わないが、使った方がいいのか?」
「勿論、使った方が良いに決まっています。悟空親分だって使っているでしょう」
「確かに」
「今後の目標としては魔力操作ですね。それが出来るようになったら・・・」
「なったら?」
「今より強くなれるでしょうね」
「マジか!」
「マジです。これから一ヶ月死ぬ気で鍛えましょう」
「やってやる!やってやるぞー!」
四人は気合を新たに特訓をする事になった。
ノリは三人を鍛えながら自身の強化を行っている。
果たして彼は今よりも強くなれるのか?
ダイは鍛冶屋で師匠と共に特訓中!ノリは屋敷で特訓中!元の世界に還る為に頑張っている。
次回はユウとマシロの特訓!果てさてどうなる事やら!




