第八十二話
新たな敵、百鬼が去ってから少し様子見をしていた俺達。本当に去ったのを確認してから、ユウ先輩が話し始めた。
「ふぅー、本当に消えたみたいだな。ヤバい奴だったな」
「本当だぜ、兄弟。お前の知り合いなのか?」
「いや、初めて見た奴だった。あれほどヤバい奴なんて一度見たら忘れないだろうからな。まあ心当たりはあるんだけどな」
「心当たりっすか?」
「ほら、オロチやセッショウが言っていただろ。あのお方って。多分アイツの事だろうな」
「マジっすか!」
「多分だよ多分。ネコショウやセッショウもヤバかったが、あの男、百鬼から感じたプレッシャーは彼奴等以上だった。そんなヤバい奴等がゴロゴロいたら堪らんわ!」
「それはそうっすけど」
「まあ、これ以上考えても分からん。取り敢えず今は現状をどうするか考えよう」
「俺も兄弟に賛成だ。分からない事は考えても分からん。今はやれる事をするべきだ」
「・・・分かったっす!それで何をするっすか?」
「俺達はノリとマシロと合流しよう。アイテムもゲット出来たか分からんからな。兄弟、お前はどうする?」
「俺は狒狒、いやシシオ爺さんを外に連れて行ってくる。このまま死体を此処に置いとけないからな」
「・・・いいのか?敵だったんだろう」
「死んだら仏様だ。それに、昔は世話になったんだよ。最後ぐらい弔ってやりてえよ」
「そうか。じゃあ俺達は行くわ。一人で大丈夫だよな兄弟!」
「任せとけ兄弟。アイテムゲットしたら、また屋敷に来てくれ。打ち上げをしようぜ。焼肉だ!」
「おう!待ってろよ!兄弟!すぐにいくぜ!」
そう言って俺達は悟空親分と別れた。ユウ先輩と一緒に元の道を戻っていた。そこで、俺は思っていた事をユウ先輩に聞いてみた。
「ユウ先輩、ノリ先輩とマシロに今回の事話すっすか?」
「情報は共有しとくべきだろ。アイツ等はいつ現れるか分からんからな」
「そうっすね。あともう一ついいっすか?」
「何だよ?」
「アイツ、百鬼っすけど戦ってたら勝てたっすか?」
「・・・多分無理だな。初めてネコショウと会った時よりも無理に感じた。半端ないプレッシャーだったからな」
「そこまでっすか!次会ったらどうするっすか!」
「出来れば二度と会いたくないな。それくらいの奴だったな」
「まじかー!会わない事を祈るっす!」
「だなー。まあ今はノリとマシロに合流しよう。アイテムゲット出来てると思うか?」
「俺は出来て無いと思うっす!」
「俺は出来てると思うな!さて、晩飯でも賭けるか!」
「いいっすよ!じゃあ確認しに行きましょうっす!」
そして、俺達は無事にノリ先輩とマシロと合流出来た。そして、賭けは俺の負けて終わった。まあ、アイテムゲット出来ていたからいいか!
そして、ダンジョンを無事に脱出して悟空親分の屋敷へと向かった。まあ、向かう前に俺のお金で色々材料を買わされたけどな!賭けに負けたから。
そして、晩飯は豪華な焼肉を腹いっぱい食べれたから良しとするか!
〜何処か分からない場所〜
「ふう、どうやら彼女達にはバレずに戻って来れたかな。しかし、あそこに彼等がいるとは予想外だったが、まあ、いい機会だった」
彼、百鬼がそんな事を考えていたら、不意に扉をノックする音が聞こえた。百鬼は少し驚きながらも入室を許可する。入ってきたのは、ネコショウとセッショウだった。
「失礼します〜。今〜、少しよろしいですか〜」
「ええ、問題無いよ。どうしたんだい?」
「では質問ですにゃ、何処に行っていたのですかにゃ?」
「!!い、いや、私はずっとこの部屋にいたが?」
「いえ、先程来た時には居ませんでしたにゃ。それで、何処に行っていたのですかにゃ?」
ネコショウが笑顔で聞いてくる。知っている。この顔のネコショウは怒っているのだ。
「えーと、そのー」
「誤魔化さないでしっかりと答えて下さいにゃ。何処に行っていたのですかにゃ?」
これはもう誤魔化せないと思ったので正直に言おうと思った。
「実はね、ちょっとしたアイテムを回収する為に出ていたのだよ。ほらコレだよ」
「成程〜、でも〜そのアイテムから〜何故か嫌な匂いがするんですけどぉ〜」
「えっとー、気の所為じゃないか?」
「いえいえ〜、間違い無く〜匂いますね〜」
「ええ、そうだにゃ。彼等の匂いだにゃ。どういう事ですかにゃ?百鬼様?」
「えっと、そのね、実は回収した時に彼等がいたんだよ。あの異世界人が」
百鬼がその言葉を発した途端、部屋の温度が下がった様な気配がした。目の前にいる二人の女性の背後から般若の様な顔が見えた気がした!
「私達が〜あれほど〜言ったことをお忘れですか?」
「ちょっと、セッショウ落ち着くにゃ。口調が変わってるにゃ。まあ私もそれくらい怒っているけどにゃ」
「ちょっと落ち着いて二人共!大丈夫、戦って無いから、少し話をしただけだから」
「それでどうだったにゃ?アイツ等は?」
「彼等はいいね。三人の内二人にしか会えなかったけどね。」
「なるほど〜、誰と〜誰に〜会えたのですか〜?」
「ユウとダイだったね。ノリには会えなかったけど、彼に会えたのは良かったよ」
「ってことは貴方様から見た彼は成りそうですかにゃ?」
「ああ、彼は成れるね。直接見て確信したよ」
「そうですか〜やはり〜って感じです〜」
「そうだにゃ、初めて会った時からそれは感じていたにゃ」
「ああ、君達から聞いていた通りだったよ。計画を続けよう。我々の目的の為にね」
「「はっ!」」
ネコショウとセッショウは百鬼に頭を下げた。その様子を見て百鬼は振り返り、この部屋を出ようと扉へと向かって歩き出した。
「じゃあ、私は研究を続けるよ。それじゃあね」
ネコショウとセッショウの間を通り過ぎようとした瞬間、右腕をネコショウが、左腕をセッショウに掴まれる!
「えっと、二人共。腕を離してくれないか?」
「いえいえ〜、まだ〜私達に〜黙って〜出ていった件が〜終わっていませんよ〜」
「そうだにゃ。あっちの部屋で詳しく聞かせて下さいにゃ!」
「えっと、まだ研究したいから後でって訳にはいかないかい?」
「そうするとオロチも加わるにゃ。それでもいいかにゃ?」
「あはは、それは勘弁してもらいたいな。・・・お手柔らかにお願いするよ」
「それでは〜あちらの部屋で〜話し合いを〜しましょうか〜」
そう言って三人のは、別の部屋に消えていった。
そんな会話がされていた事なんて知らない俺達はバーベキューを楽しんでいた。
還る為のアイテムも残り一つとなりなんだかんだ順調に行っている!
あー、早く日本に還りたいなー!




