第七十九話
親分達とのバーベキューをした次の日!
俺達は二日酔いなどはなく、朝からダンジョンへと向かった。
「あー、二日酔いにはなって無いけど、ちと辛いな」
「ユウ先輩、結構飲んでたっすからね」
「そんなに飲んでないと思ったけどな」
「いえ、暴れるくらい飲んでましたよ」
「まじか!記憶ないんだよなー!」
「記憶が無いのが問題なんすっけどね」
「そりゃあそうか。っでアイテムがダンジョンの何処にあるか分かるか?」
「ええ、キンシコウさんから大体の場所は聞いてます」
「よし、じゃあ行くぞ!」
俺達はダンジョンの入口に向かって歩き出した。問題なくダンジョンに着くと、入口に見知った顔が見えた。
「あれ?悟空じゃねーか!どうしたんだ?」
「よう、ユウ。二日酔いは大丈夫か?」
「おう、大した事ないな。それでお前はどうして此処にいるんだ?」
「なーに、お前達が今日、ダンジョンに入るって言ってたからな。此処に居たら会えると思ってな!」
「それで、俺達に何か用か?」
「いや、ダンジョン内は道が結構複雑だからな。俺が案内しようと思ってな!」
「おいおい、親分自ら案内人になってくれるのかよ!いいのか?」
「兄弟を助けるのは当たり前だろ。よし、行こうぜ!」
悟空親分が仲間に加わった!これならアイテムはすぐにゲット出来るかもしれないな!
俺達は親分の案内でダンジョン内に入った!
「じゃあ、目的地まで最速で行こう。あー、マシロちゃんはどうする?俺がおぶっていこうか?」
「大丈夫です!私も鍛えていますから!」
マシロは腕を曲げて力こぶを作ろうとするが出来てない!
「安心しろ。疲れたら俺がおぶってやるよ!なんたって俺は師匠だからな!」
「おいおい、兄弟の弟子なら、俺の弟子でもあるな!何かあったら言えよ」
「何か過保護な人がもう一人出来たっすね」
「元々兄貴肌なんでしょうね。あれだけの弟分がいますからね」
「じゃあ、行くぞ!付いて来てくれよ!」
「そう言えばこのダンジョン。上に登って行くのか。何か珍しいな」
「このダンジョンは世界樹だからな!一番上がボス部屋になってるんだ!」
「それで俺達の目標のアイテムはどの辺にあるんだ?」
「クリスタルバタフリーは大体、中腹ぐらいに生息してる。しかも、ボス部屋に向かう道から少し離れているから普段は殆ど戦う奴はいないな」
「成程、そりゃあ誰も戦わないな。アイテムもギルドに持ち込まれないか」
「ギルドも買取してないな。使えないアイテムに金は払えんだろ」
「そりゃあそうだ。よし、行くぞ!」
俺達は悟空親分の後を付いて歩いていく。
しかし、この時に気づいていなかったのだ。俺達を見ていた悪意ある視線に!
「やっときた。俺の怨みをはらすことが。待っていろよ悟空!!」
そんな事はつゆ知らず、俺達はダンジョンを登って行く。途中に出る魔物はユウ先輩と悟空親分が片っ端からやっつけていく。
「あの二人相性いいみたいっすね」
「ですね。戦闘スタイルも似ていますし、考え方も似ているんでしょう」
「何か、師匠が二人いるみたいです!」
「順調だな兄弟!あと、どれくらいで目的地に着くんだ?」
「そうだな、このペースならあと一時間ぐらいかな。流石だな兄弟。相当なハイペースだったが付いてくるとは!」
「あれくらい大した事ないぜ!なあ、ダイ、ノリ、マシロ!」
「ついてはいけるっすけど、もう少しゆっくりでもいいっすよ!」
「まあ、早く終わる方がいいでしょう」
「私もまだいけますよ!」
「・・・なら、いくか!」
「どうした兄弟?何かあったのか?」
「いや、何でもない。さあ、行こうぜ!」
その後も問題なく移動出来て、目的地手前にこれた!
「さあ、この先にクリスタルバタフリーが好きなクリスタルフラワーが咲いている。その周りにいるはずだ」
「成程、っでお前は来ないのか兄弟?」
「おいおい、兄弟!俺が手伝ったら簡単にアイテムゲット出来るだろうが、それだと楽しすぎだろう。俺は此処で待ってるから兄弟達でゲットしてこいよ!」
「それもそうだな!じゃあ、すぐにゲットしてくるから待っててくれるか兄弟?」
「おうよ!頑張ってこいよ!」
「じゃあ、行ってくるっすよー!」
そう言って俺達は悟空親分と別れた。しかし、別れてからユウ先輩が何かを考えている。
「ユウ先輩、どうしたっすか?」
「いや、このダンジョンに入ってから、悟空の様子がちと可怪しいような気がしてな」
「えっ?そうっすか?」
「ノリはどう思う?」
「確かに、ダンジョンに入ってからの悟空さんに少し違和感がありましたね。ユウ先輩も分かっているでしょう?入った時に視線を感じませんでしたか?」
「ノリも感じたなら間違いないな」
「ユウ先輩が自信無いの珍しいっすね」
「恐らく、ユウ先輩にではなく、悟空さんに向けた視線だったからじゃないですか?」
「あー、それでか。さて、どうするか?」
「悟空さんなら一人でも大丈夫じゃないっすか?」
「確かにそうなんだろうけども、何か胸騒ぎがするんだよな」
「胸騒ぎですか?それは・・・」
「まあ、気の所為かもしれないしな。取り敢えずアイテムゲットしに行くか」
「いえ、アイテムは私とマシロで取りに行ってきます。ユウ先輩とダイは悟空さんの所に行って下さい」
「いいのか?」
「ええ、私も少し気になりますし。もし、何もなければ戻って来てくれればいいですし」
「分かった。ノリとマシロは無理をするなよ!二人で無理そうなら撤退していいからな!」
「分かってますよ。命を大事にですよね」
「そうだ!じゃあダイ!行くぞ!」
「了解っす!」
時間は少し戻り、悟空親分がユウ達と別れた頃に戻る。
「よし、兄弟達は行ったか!さてと、このダンジョンに入ってから殺気のこもった視線を送って来たのはお前だな!」
悟空親分が曲がり角に向かって声をかけると、一人の男が現れた。若くデカイ男だった!
「流石だな。俺の殺気を感じていたとは。久しぶりだな悟空」
「・・・誰だ?俺はお前を知らないのだが?」
「俺を忘れたのか!・・・まあ、この姿は初めて見せたから仕方ないか」
「この姿?」
「俺が誰だか知りたいならついて来い。そこで教えてやるよ」
「いいだろう!」
悟空と謎の男はダンジョン内の広場のような所まで来た。
「ここならいいだろう」
「それじゃあ、お前は誰だ?この姿って言ってたけど別の姿があるのか?」
「そうだ。じゃあ、この姿はどうだ?」
そのセリフを言った後、若くてデカイ男がみるみる内にしぼんでいき、先程の半分ぐらいの大きさの年寄りになった。
「どうだ?見覚えはないか?この姿に!」
「そ、その姿!まさかシシオ爺さんか!」
「覚えておったか。久しぶりじゃな悟空よ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!何でシシオ爺さんが此処に!ってか若くなれんのか?どうなってるんだ!」
「相変わらず落ち着きがないのう。そんなんでよく親分をやってられるわい!」
「うるせーよ!で、何でここに?」
「決まっとる。ワシから親分の座を奪ったお主への復讐じゃよ」
その言葉を言った瞬間、爺さんだったシシオの身体が倍ほどに大きくなり若返った!
「昔は年のせいで負けたが、今の俺ならお前を殺せるだろう。その為に俺は悪魔に魂を売ったのだからな」
「悪魔?」
そう疑問を口に出した瞬間、シシオ爺さんが目の前まで来ており拳を振りかぶって来た!悟空親分は何とか躱したが、悟空親分の居た場所には地面に亀裂が入っている!
「なっ!シシオ爺さん!何だそのパワーは!昔のアンタはどちらかと言うとスピード自慢だったはずだ!」
「言ったはずだ。悪魔に魂を売ったと!それにもう俺はシシオではない!俺の名は狒狒だ!」
「狒狒だと!アンタ、自分の名を捨てたのか!」
「だから悪魔に売ったのさ!何度も言わせるな!」
「そうか。もう、昔のシシオ爺さんじゃないんだな!なら、手加減しない!覚悟しろよ狒狒!」
「お前こそ、覚悟しろ!お前を殺して俺は親分に返り咲いてやる!」
そうして始まった、悟空親分VS狒狒!
因縁のある二人の対決の結果はどうなるのか?
そして、俺達は無事にアイテムを取って還れるのか!
ユウ先輩と俺は悟空親分と合流できるのか!
果たしてどうなるのか!次回に続く!




