第五十七話
オロチ対ユウ先輩&ベンガルさん。
ベンガルさんの神器解放状態でも勝てず、ユウ先輩の魔導甲冑全力解放でも勝てなかった!
それどころかまだ余裕が見えるオロチ、どれだけ強いんだ!
俺達の不意打ちをくらっても、まだ余力がありそうだ。そんな絶望的な場面で少しの希望、シュガールさんが帰って来た!
オロチとの最終決戦が今始まる!
「どうやらまだ決着はついてないのですね」
「おう、まあ何とか生きてるだけだけどな」
「そうですか。まさか、ベンガルが神器解放しても倒せないとは思いませんでした」
「うるさいねえ。それだけオロチは強いんだよ」
「そのようですね。ユウ、貴方は大丈夫ですか?」
「悪いな。全力を出して、もうマトモに動けそうにないわ。後は任せて大丈夫か?」
「任せて下さい。ベンガル、貴方はどうしますか?」
「へっ、アンタだけに良い所は渡さないよ!それに、ユウのおかげでアタイは少し余力があるからね」
「じゃあ、やりますよ。神器解放!」
シュガールさんも神器解放をした。全身を包む鎧が現れた。見た目は龍の様な姿だ。翼まであるし!それに、ベンガルさんと同じ様に帯電している。属性が一緒なのか?
ベンガルさんの武器は爪で、シュガールさんの武器は青龍刀だ。
「行きますよ!合わせて下さいベンガル!」
「任せときな!行くよ!シュガール!」
「ハハハ、かかってこい!十二守護獣!」
シュガールさんとベンガルさんがオロチとぶつかり合う。流石に、オロチもこれだけの連戦だ。体力も無限じゃないから少し動きが鈍くなってきた!
このまま押し切れるかと思っているとユウ先輩が話かけてきた。
「おい、ダイ。見ていないであの武器を出してくれ」
「あの武器?どれっすか?」
「お前が試しに作ったアレだよ!今使うわ」
「アレっすか!けどユウ先輩、動けるんすか?」
「いいから出せ!俺の予想だと、この後ヤバい事になる」
「まだ、何か起こるんすか!」
「予想だよ。あと、ちょっと耳かせ!お前とノリにやってもらいたい事がある」
「私もですか。一体何をするんですか?」
ユウ先輩からの作戦を聞いてびっくりした!なんて事を考えているんだ、この人は!
「マジでやるっすか?ユウ先輩?」
「当たり前だろ。本当は俺一人でやりたいけど流石に魔力がもう少ないからな」
「しかし、私達がそれをやった後、ユウ先輩はどうするんですか?」
「最後の助けはマシロ!お前に任せる!」
「わ、私ですか!で、出来ますか?私に?」
「当たり前だろ。お前は俺達の一番弟子だ!やってみろ」
「わ、分かりました!やってみます!」
「おし、俺が合図したらいくぞ!全員配置につけ!」
「これ、上手くいきますかね?」
「やるしかないっす!やってやるっす!あ、ユウ先輩!これ、渡すっす」
「私も頑張ります!」
俺達が話し合いを終えて、配置に付いて戦いを見守る。
流石のオロチも『十二守護獣』二人の神器解放相手に苦戦している。
「クッ、腐っても十二守護獣か。手強いな!」
「貴方こそ、私達相手に、これほど持つなんて、敵なのが惜しいわ」
「全くだぜ。けど、そろそろ終わりにしようかねえ」
「クックックッ、アーハッハッハッ!」
「何が可笑しいんです?」
「殴られすぎて頭可笑しくなったか?」
「いや、すまない。お前達が勝ちを確信してるのがな。可笑しくてな」
「どういう事です?」
「簡単な事だ。俺はまだ本気を出してないんだよ」
「なっ!」
「ハッタリだよ!此処まで追い詰められてハッタリを言ってるんだよ!」
「ハッタリかどうか見せてやるよ!お前達の神器解放とは違う、最強の力をな!」
オロチは懐から何かを取り出し、それを右手で天に掲げた!
それと同時にユウ先輩から合図が来た!
「絶望しろ!これが最強の力だ!幻魔・・・グハッ」
「松山流抜刀術疾風迅雷!」
ユウ先輩の合図で俺とノリ先輩はユウ先輩に向かって風魔法を放った!その風魔法を背中で受けたユウ先輩は凄い勢いでオロチの方に吹っ飛んだ!そして、オロチとすれ違いざまに俺の渡した日本刀でオロチの右腕を切ったのだ!凄い勢いだから着地も厳しいがそこはマシロの作った水魔法の立方体の中に突撃して止められた!
「ぷは!よくやったマシロ!」
「何とか出来ました師匠!」
「き、キサマー!松山遊星!やりやがったなー!」
「敵を前に悠長に語りすぎなんだよ!お前が、パワーアップするのを黙って見てられるかよ!」
「この、死にぞこないめ!先に殺してやる!」
「おいおい、俺ばかり見ていて大丈夫か?お前の敵は俺だけじゃないぞ?」
「その通りです」
「アタイ達の事を忘れてもらっちゃあ困るねえ」
「くっ!お前等如きに!何で此処までコケにされるんだ!」
「慢心したからだよ。いつだって格上が格下にやられる時は慢心が原因何だよ」
「ふ、ふざけんな!たとえ片腕だろうとお前等如きやられる俺ではない!かかってこい!」
オロチとの最終決戦が始まろうとした時、空から声が聞こえた!出来るなら二度と聞きたくない声が!
「オロチ〜、ええ加減にしなさい〜」
「げっ!まじかよ。お前が出て来るのかよ!セッショウ!」
現れたのは、何時ぞやの超強敵。セッショウだった!
やっぱりあいつ等は仲間同士だったのか!
「テメー、セッショウ!何しに来た!」
「貴方が〜、負けそうだから〜、助けに〜きたんですよ〜」
「ふざけんな!俺はそんな事を頼んでねーよ!」
「ええ〜、貴方には〜頼まれて〜無いですよ〜」
「なら、とっとと帰り!」
「あのお方に頼まれたから私が来たんです」
「なっ!なんだと!」
「じゃないと私が直々に来るわけないでしょう。四の五の言わずにさっさと帰るわよクソガキ!」
「おいおい、セッショウさんよ。口調が変わってるぞ」
「あら〜、私とした事が〜申し訳ありません〜」
「いーや、そっちよりさっきの方がアンタらしかったぞ!」
「そうですか〜それにしてもよく会いますね〜」
「全くだぜ。俺達は会いたくないんだけどな!」
「そんな〜連れないこと〜言わないで下さいよ〜」
「ま、まて、セッショウ。あのお方が何で!」
「今〜、貴方を〜失う訳には〜いかないから〜ですって〜」
「な、んだと!あ、あのお方は俺が負けると思っているのか」
「はいはい〜、落ち込むのは〜後に〜して下さいね〜それでは〜私達は〜失礼しますね〜」
「な、ふざけないで下さい!このまま、おめおめと逃がすと!」
「動くなシュガール!ベンガル!」
突然、ユウ先輩が大声を出して二人を静止させた!
「な、何故です!ユウ!」
「今のまま戦うと俺達の負けは確実だ。オロチを回収して帰るなら帰らした方がいい」
「そんなにヤバい相手なのか?」
「そうだな。オロチの倍は強いと思っていい」
「そ、そんなに!」
「あらあら〜買いかぶりすぎですよ〜私はか弱い狐ですからね〜」
「誰がか弱い狐か!まあいい、早くオロチと一緒に帰りな。あとコレも持ってけ」
ユウ先輩がオロチの右腕をセッショウに向かって投げた。それをセッショウは簡単にキャッチした。
「おおきに〜ほな私達は〜この辺で〜帰りますね〜」
「ちっ、あのお方の命令じゃしょうがない!おい、松山遊星!」
オロチが大声でユウ先輩を指名する!
「テメーだけは俺がぶち殺してやる!それまでに少しは腕を上げとけよ!簡単に死なれたらこの腕の礼が出来ないからな!」
「うるせ!お前こそ腕を治せして来いよ!片腕のお前に勝っても嬉しくないからな!」
「ほざけ!松山遊星!この腕の借りは必ず返す!絶対にだ!」
そう言いながらオロチとセッショウは空に出来た、ブラックホールの様な所に入っていく!
「ほんなら〜皆様〜お疲れ様でした〜次に会うのを楽しみしてますね。それでは〜失礼〜」
そう言ってオロチとセッショウは消えていった。
今回も何とかなったかな?
「あー、やばかった!まさかセッショウが出てくるとは思わなかったな」
「本当っすよ!俺鳥肌たってるっすよ!マジでやべーっす」
「けど、ユウ先輩。よくオロチの腕を切れましたね」
「この日本刀のお陰かな。よく作ったなダイ!」
「まあねって!ユウ先輩が俺を誉めてるっす!珍しい事もあるっすね」
「はあ〜?いい仕事をしたら褒める。当たり前の事だろう!」
「けど俺、あんま褒められた事ないっすけど?」
「それはいい仕事をしてないからだよ」
「ちょ!そりゃ酷いっすよ!ユウ先輩」
俺達が話し込んでいるとシュガールさんとベンガルさんが話かけてきた。
「貴方方には本当に感謝しかありません。私達二人だけだったらこの街はオロチに破壊されていたかもしれません」
「全くだぜ。本当助かったよ。ありがとなユウ!」
「礼はいらねーよ。俺達が勝手に巻き込まれただけだ。そうだろ?」
「そうっすね。俺達ってか、ユウ先輩が決めたっすけどね」
「ええ、私達ではなくユウ先輩の決定ですから」
「それでもありがとうございます。それでオロチ達について少しお話を聞きたいのですが」
「あー、悪い。流石に今日は疲れてるから、明日でもいいか?」
「そう、ですね。今日は私達も疲れいますから。では明日、私達の方からお迎えを出しますのでその時に色々教えて下さい」
「そうだな。アタイも流石に疲れたよ。明日にしようかね!」
そう言ってシュガールさんとベンガルさんは街に帰っていった。
長き激闘のオロチ戦はこれでひとまず終わった。
今回の件で止まっていた船が動き出せば次の大陸に行けて俺達の送還の義に必要なアイテムを取りに行ける。
あー、早く日本に還りたいなー。




