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第四話

目が覚めても現実は変わらない。広いベットに男三人で寝ている。まあ、ノリ先輩は起きてるけど。ユウ先輩は爆睡じゃん。


「まあ寝かしてやれ。昨日遅くまで起きてたからな。一応大丈夫だと思うが見張りは必要だからな」


「えっ?昨日見張りしてたんですか?俺はやってないんっすけど?」


「まあお前は一番下だからな。ユウ先輩は一番上だから気にしてんだよ。色々と」


知らなかった。あのユウ先輩がそんな気にしてたなんて。


「あー見えて責任感はあるならな。昨日の夜もしかしたらあの貴族がなんかしてくるかもしれなかったからな。一応警戒はしないとな」


俺は寝てるだけだった。二人の先輩はそんなこと考えてたんだ。ユウ先輩すんません。いつも乱暴者って思ってました。なんて考えてたらユウ先輩が起きてきて


「・・・なんか馬鹿にされてるきがした」


マジでこの人ニュータイプなんかな?なんで俺の考えがわかるんだ?しかも寝てたのに。


「ユウ先輩。起きたなら準備をしてください。そろそろカヤさんが来ますよ」


「了解」


全員で準備が終わった頃ノック音が聞こえる。カヤさんがきた。


「起きてるか?王より会議の場が設けられた。出れるか」


「はい。いつでも行けますよ」


「うむ。では行こうか」


俺達はカヤさんの後をついて移動する。途中で少しカヤさんと話をしてると昨日とは違う部屋の前に着く。


「では入るぞ」


そういうとカヤさんは扉を開けて俺達を招く。中に入ると大きなテーブルがあり反対側に王様と大臣?みたいな人と騎士団みたいな人がいる。カヤさんも奥の方にいる。俺たちは手前の椅子に座る。すると王様が


「よく来た。昨日は余り話せなかったならな。まずは自己紹介からはじめるか。余の名はネマ=ズウ=ミス。このベアルリング国の王である」


「次は私が。この国の大臣ロボロと申します。以後お見知りおきを。」


「我はこの国の魔法師団団長キャンベルである」


「そして私はもう知ってると思うが一応自己紹介を、騎士団団長カヤだ」


向こうの紹介が終わったから次はこっちの番。ユウ先輩、ノリ先輩、俺の順で紹介をした。紹介が終わった後王様から


「ふむ、そなたらはなんと呼ぶか?上の名かそれとも下の名で呼ぶのがよいのか?」


「よろしければそれぞれユウ、ノリ、ダイと御呼び下さい」


「ではユウよ。そなたらの代表はお主でよいのか?」


「・・・はい。俺で間違いないです。ただすいません。生まれがあんま良くないので敬語とか喋れませんがご勘弁を」


「よいよい、余もあまり堅苦しいのはすかん。普通に会話せよ」


「はっ、ありがとうございます」


「それでは本題に入ろうか。昨日の提案を受けてもらえるか?」


「その返事をする前にいくつか質問をよろしいですか?」


「申してみよ」


「まず、還す方法を探すとのことですがどれくらいを目安にしています?一週間ですかそれとも半年ですか?」


「それについてはロボロよ答えよ」


「はっ、現在王国の書庫などより情報を探しております。過去にも召還を行っていますのでその後の情報や魔法省に送還の情報がないかを探しております。何かあればすぐに情報が上がってくると思いますが、まだ詳しい時間まではわかりません


「つまり何時になるかわからないということですね。それだともし我々がこの国を守っても帰れないかもしれないということですかね?」


「・・・今の所そうですが、貴方方を還す為に全力で探しております」


「厳しいことを言いますが結果がでないようでは評価するのは難しいんですけど」


「確かにその通りです。ただもう少し時間を頂きたいと思います」


「分かりました。では次の質問を。この国が危険ということですがどういう風に危険なんだ?」


「それについてはキャンベルが」


「はっ、ではまずはこの世界について話そう」


キャンベルさんの話を纏めるとこの世界は12の国によって成り立っている。12それぞれ別の種族が納めている。っでお決まりの魔族や魔物なんかもいる。更に12種族以外もいると。あとダンジョンもあるみたいだ。

この国の危機とはダンジョンからの魔物の氾濫らしい。ただの氾濫じゃなくて何者かの策略があるらしいが正体は不明。この国の騎士団や魔法師団、あと傭兵っていうか冒険者みたいな人達がダンジョンに調べにいったのだが誰も何も分からないまま帰ってきたみたいだ。それを調べる為に呼んだってことらしい。全てを聞いたあとにユウ先輩が話し始める。


「率直に疑問なんだが何故最も強い奴等で調べないのだ?そこにいるカヤさんやキャンベルさん達で調べれば分かるんじゃないのか?」


「この二人は余の国の切り札なのだ。原因を分からないまま、もし何かあれば余の国は大ダメージを受ける。もしかしたらそれを狙ってのことかもしれんから迂闊には派遣できんのだ」


「まあそうだろうが、あと派遣した騎士団や魔法師団の強さはどれくらいなんだ?流石にレベル1とかではないだろ?」


「共に10~20の間の者達で構成されたパーティーだ。ダンジョンでは大人数では入れん。最高でも6人パーティーしか入れないからな」


「なら6人パーティーを沢山作って隊列を組めば良くないか?」


「無論試したさ。ただその時には何もないんだ。ダンジョンは10階層になっているが全ての階層を調べたが何も無かったのだ」


「ならばダンジョンは関係ないのでは?」


「いや今までに5回、ダンジョンから魔物の氾濫を確認している。これまでは多くて一年で一回だったのが今年だけで5回だ。明らかに異常だ」


「5回全て防げているのか?」


「ああ、ただ度重なるダンジョンへの遠征、氾濫への防衛で我が国の防衛機能はボロボロだ。もしこれをあと半年続ければ我が国の防衛機能は・・・」


「なるほど、それが我々を召還した理由ですね」


「その通り」


「ではその召還は意味をなさない。なぜなら我々は一般市民だ。それに昨日計ったがレベル1だ。これでは防衛は出来ない」


「それは知っている。ただ過去に召還されたものも初めはレベル1だったと聞いている」


「なるほど。だがさっきもいった通り我々は一般市民だ。戦う方法なんか知らないぞ」


「分かっている。その為に初めの方は騎士団団長のカヤをつける。あと魔法師団団長のキャンベルに魔法も教えてもらうといい」


「いやつけられてもどうしようもないんだが」


「少なくとも自身の身を守るすべは学べよう。経験は無駄にはならぬはずだ」


「・・・なぜそこまで我々を助けるのです?言っては何ですがそこまでする価値は我々にはないと思うのですが」


「ハッキリと言う男だ。確かにそこまでする必要はないのかもしれん。ただ昨日のお前の言葉を聞いて考えさせられた。もし我が子供達が同じ目にあったらと思うとな。一国の王としては甘いのだろうがな」


「確かに一国の王とは思えない考え方ですね。ただし嫌いじゃないけどな」


「では改めて聞こう。今回の提案を受けてもらえるか?」


「ええ、ただし我々は命はかけません。必ず元の世界に還るためにも。その代わりに出来るだけのことをやりましょう。ダンジョンの謎も解けるように頑張ります」


「それでよい。では余も約束しよう。そなたらを無事に送還するように全力をつくすと」


そう言うと王様とユウ先輩は握手をする。

ただ俺は不安でならない。この世界で本当に生きていけるのかと。戦いなんかゲームの世界でしか知らないぞ。マジで生きて還れるのか。


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