第四十七話
突然現れた赤いティラノサウルス!
足元には無残な姿になったボスキャラマグマタートル!ボスキャラなのに一度も戦えないなんて!なんて不憫なキャラなんだろ。
「ユウ先輩、どうするっすか?」
「モイラさんよ、特別強化個体が出たらギルドはどうしてるんだ?」
「発見者が倒せるならそれで問題ないのですが、倒せないなら、ギルドに報告して対応します。何せ特別強化個体はダンジョンから出て来ますから」
「ダンジョンから出る?」
「ええ、ダンジョンで生まれた魔物は余程の事が無ければダンジョンから出ません」
「まあ、ダンジョン氾濫はあるけどな」
「ダンジョン氾濫が余程の事なんですがね。つまり、ダンジョン生まれの魔物はダンジョンから出ないのですが、特別強化個体は別です。アレは普通に出てきます」
「ダンジョン出れば逃げれる訳じゃないって事か。アイツ、俺等をロックオンしてるよな」
ユウ先輩の言う通り、赤いティラノサウルスがこっちを見つめてヨダレを垂らしている。
あれは完全に食料として見てますわ。
「しゃーない、やるぞ。ノリとマシロは少し下がって様子見。俺とダイ、それにモイラで相手をする」
「そうっすね。アレ見る限り逃がしてはくれないっすからね」
「やるしか無さそうですね」
「師匠。私も戦います」
「いや、マシロはノリと一緒に、万が一の時の逃げ道を作ってくれ。それも大事な仕事だ」
「・・・分かりました」
「よし。やるぞー」
「作戦はあるんですか?」
「うーん。そもそもアイツの強さが分からんからな。ひとまず、少し戦って考えるか」
「了解っす。ユウ先輩武器はどうします?」
「そうだな、アイツデカイし、アレ使ってみるか」
「あー、アレっね。了解っす」
「アレとは何ですか?」
「ふふふ、俺が作った試作武器。斬馬刀っす」
「斬馬刀?それはいったい?」
「じゃじゃーん!これっす」
俺は二メートル弱あるデカイ刀をユウ先輩に渡した。
「良い大きいだ。これならアイツにもダメージ与えられるだろ」
「確かに、これほどの大きさなら、しかし、これだけの大きさなら重量もあるはず。振れるのですか?」
「それは魔導甲冑を発動すれば問題無い。とりあえず、俺は前衛、モイラは中間、ダイが後衛でいくぞ」
ユウ先輩はそう言うとティラノサウルスに突撃していく。あんな重い武器を持っても動きが変わらんな。
「とりま、最初の一撃いただくぜ」
ユウ先輩が繰り出した一撃はティラノサウルスに当たりよろけはするが傷は出来ていない。
「硬いな。アレで傷がつかないのか!」
「そうっすね。物理ダメージには強いみたいっすね」
「なら、これはどうだ?」
そう言うと、ユウ先輩は魔法で水の槍を発動。見事に命中するもあんまりダメージを与えられていない。
「魔法も駄目か?」
「属性の問題かもしれないっすよ?」
「一里ある。ダイは他の属性を使ってみてくれ。俺とモイラは物理で攻めるぞ」
「了解っす」
「分かりました。何処か弱い所があるはずですから探してみましょうか」
「いくぞ」
ユウ先輩とモイラさんが突撃していく。俺は弱い属性が無いかを確認していく。火は無いだろうし、水も違う。木も駄目だし、風も違う。どれだ?相手は恐竜なんだから・・・もしかして!
「これでどっすか!氷結の槍!」
おっ!ダメージ入ってるぽい!
「ナイスダイ!氷結系が弱点だな!」
「しかし、私は氷結系はつかえないのですが」
「問題無い。俺とダイは氷結系で攻める。モイラは物理で行け」
「分かりました」
「了解っす!行きますよー」
ユウ先輩の指示通り、モイラさんは蛇腹剣で中距離攻撃を行い、俺は遠距離で氷結魔法で攻撃を行う。
ユウ先輩は攻撃しながら魔力を練っている。
あれかな?魔導甲冑に属性付与かな?
まてよ?属性付与か!それって俺にも出来るかな?
「モイラさん!ちょっとこっちに来て欲しいっす」
「分かりました」
お願いすると直ぐにモイラさんが来てくれた。
「どうしましたか?」
「ちょっと試したい事があるんでその剣貸して欲しいっす」
「し、しかしそれが無いと私は攻撃出来ないのですが!」
「大丈夫っす。直ぐに終わりますから」
「分かりました」
モイラさんから蛇腹剣を預かり、魔力を纏う用に流していく。属性は勿論氷結!剣の周りに粘土の用に魔力を付けていく。
「こ、これは付与魔術ですか!こんなことまで出来るなんて」
「出来たっす。ただ、あんまり長くは持たないっすから、気を付けて下さいっす」
「簡単に行うのですね。今回の旅では本当に驚く事ばかりです」
「とりまユウ先輩の援護お願いっす。今魔力を練っているんでそろそろ決める気っすよ」
そう言ってユウ先輩の方を見ると魔導甲冑が冷気を放っている。氷結魔力を纏ってるな。更に斬馬刀にも!やっぱりユウ先輩も武器に属性付与出来るのか。
「モイラ、ダイ。そろそろ決めるぞ」
ユウ先輩が斬馬刀でティラノサウルスの両足に薙ぎ払いを行いダウンを取った!俺とモイラさんで追撃をし、ラストはユウ先輩が上空から斬馬刀を振りかぶってティラノサウルスの首を目掛けて振り下ろす。
「これで終わりだー!」
ユウ先輩が振り下ろした斬馬刀で見事にティラノサウルスの首を切った!
「松山流斬馬刀術落雷」
「なんすかそれ?松山流?初めて聞いたっすよ」
「当たり前や!今考えたからな!」
「あと、落雷って。ただ斬馬刀を振り下ろしただけっすよね?」
「技名があった方がカッコイイだろ!」
「・・・まあ、どうでもいいっすけどね」
ティラノサウルスは流石に首を切られたら死んでいる。死体は一応回収しとくか。俺が死体を回収したらマシロが行き良いよく、ユウ先輩の所に行っている。
「師匠!かっこよかったです!」
「ふふふ、そうだろマシロ。一番弟子のお前には俺の松山流を全て教えてやる」
「本当ですか!」
「勿論だ。ただ、修行は厳しくいくぞ。ついてこれるか?」
「勿論です!師匠!」
何かあの二人、だんだん面白くなってるな。
「お疲れ様でした。ダイ、モイラさん。怪我はありませんか?」
「ノリ先輩、俺は大丈夫っすよ!モイラさんは?」
「私も大丈夫です。ユウさんが前衛で殆どの攻撃を受けて頂いたので」
「それなら良かったです」
「・・・貴方方は本当に強いですね。もし、私達が・・・」
モイラさんが何か言っているけど声が小さくて聞こえなかった。けど、ノリ先輩には聞こえてたらしく
「貴方達がもし、女性ではなく私達を召喚したとしても、私達は戦う事が出来なかったので、結末は変わらなかったでしょう」
「いや、しかし・・・、そう、ですね」
「どれだけ後悔しても、過去は変わりません。ああすれば良かった。こうすれば後悔は無かったかも。タラレバを繰り返しても先には進めません」
「・・・、では、私はどうすれば」
「正直、私達では貴方を救う事は出来ません。貴方を救えるのは、他ならぬ貴方自身なのですから」
「そう、ですか。そうなのかもしれません」
「ただ、もし、一人で進むのが辛くなったのなら、私達なら話を聞きましょう。一緒に進む事も出来るでしょうから」
「ありがとうございます」
「さあ、帰りましょう。目的の物は無事に回収出来たのですから」
正直ノリ先輩とモイラさんの話はよく分からなかった。
けど、モイラさんが辛そうにしてるのは、何となく分かった。少しでもよくなればいいなと思う。
火の勾玉。無事にゲット出来たので残りは二つ!それをゲットして無事に還りたい!そう強く思った!




