第四十話
宿の窓から差す光によって目を覚ました。
今日は船に乗って別の大陸に行く日だ。こんな日に寝坊したらユウ先輩に殺されてしまう!
ただ予定より少し早く起きてしまったから、ちょっと外を散歩してみようかな。
「ノリ先輩ー。ちょっと俺外に出てきますね」
「ええ、出発の時間までには帰って来て下さい」
「了解っす。あれ?ユウ先輩とマシロは?」
「あの二人も散歩ですよ。マシロが海を見たいと言っていたのでユウ先輩が連れて行きましたよ」
「なるホロ。じゃあ俺もちょっと行ってきます」
「はい。気を付けて」
ノリ先輩と別れた後、ユウ先輩達がいる砂浜に行ってみた。朝一からユウ先輩とマシロは元気に砂浜を走っている。
「師匠!海って大きいですね!」
「そうだな。そう言えばマシロは泳げるのか?」
「私、泳いだ事ないです」
「そうか。じゃあ、もし船から落ちた時の対処を二つ教えてやろう。しっかり覚えておきなさい」
「はい!師匠」
「まず一つは身体の力を抜いて水に浮くようにしろ!無駄な力を抜けば身体は勝手に浮く」
「師匠、本当に浮くんですか?」
「もちろんだ。お手本を見せよう」
そう言うとユウ先輩の姿が消えた!そして、次の瞬間俺の身体は海の中に投げ飛ばされていた!
ちょ!マジ!
バッシャーンと海の中に放り込まれる俺!
「ちょっと!ユウ先輩!何するんすか!」
「マシロに、実際に浮くのか見せてやらないといけないだろ?」
「何言ってんだよコイツは?って顔しながら言わないで下さいっす!せめて、事前に報告して下さいっす」
「どうせお前、朝は寒いから嫌っすって言って入んないだろ?」
「だから何で俺の考えが分かるんすか!」
「前から言ってるだろ。顔に書いてあるんだよ。取り敢えずダイ、浮いてみてくれないか?」
「はぁ〜、了解っす。これでいいっすか?」
俺はユウ先輩の指示通り海でプカプカ浮いてみた。ついでに魔力をソナーの様にして周りを確かめてみよう。
「おっ、いいねー。ソナーみたいにな使い方だな」
「何で俺のやってる事が分かるんすか!」
「そんなもん見てたら分かるだろ?っで周りに魔物とかいるか?」
「多分いないっす。魚みたいな反応があるだけっす」
「よしよし、っでマシロ。ダイみたいに浮いてれば良いからな。その後は俺が回収してやるから」
「分かりました師匠!それでもう一つの方法は?」
「ふむ、こちらはマシロにはまだ無理だろうから俺が手本を見せよう。」
そう言うとユウ先輩は海に向かって歩き出し、何と海の上を歩き始めた!ってなんで沈まないんだあの人は!
「ちょっ!ユウ先輩。なに普通に海の上を歩いてんすか!」
「なに、簡単だ。右脚が沈む前に左脚を前に出し、次は左脚が沈む前に右脚を出す。それを繰り返してるだけだ」
「うわー、何すか、その無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きは。どっかの漫画のキャラみたいっすよ」
「師匠ー!凄いですー」
マシロはユウ先輩の姿を見てはしゃいでいる。
そんな姿を見ながら俺は海から上がる。そして、宿屋に戻ってシャワーを浴びようとした。
「ユウ先輩、俺は先に帰るっす。出発迄には帰って来て下さいよ」
「分かってる。ではマシロ。次はお前が海で浮いてみるぞ!」
「分かりました!師匠!」
マシロとユウ先輩が海に入って行くのを確認にした後、俺は宿屋に戻った。
「帰ったすよー」
「おや、早・・・、なんでびしょ濡れになってるんです?」
「ユウ先輩のせいっすよ!取り敢えずシャワー浴びます」
俺がシャワーを浴びて、少ししてからびしょ濡れになったユウ先輩とマシロも帰ってきた。
「ノリ師匠!ダイ師匠!私、泳げる様になりました」
「おー、流石マシロ。成長が早いっすね」
「これで、万が一の事が起きても大丈夫ですね」
「はい!」
「ほれ、マシロ。シャワー浴びて朝メシを食べるぞ」
「今行きます師匠」
二人がシャワーを浴びた後、四人で朝メシを食べた。
その後船の出発時間が近づいてきたので港に向かった。
「これが俺達の乗る船かー」
「おっきいです」
「結構豪華な船っすね」
「ほら、三人共行きますよ」
四人で船に乗り込んだ。俺達の予約した部屋は一等席なだけあって豪華だった。
「これは優雅な船旅になりそうっすね」
「大体三日間、久しぶりにゆっくり出来そうだな」
「マシロ、船酔いしたら言いなさい」
「ノリ先輩?船酔いってなんですか?」
「そうか、船酔いがわからないのか。気持ち悪くなったら言いなさい」
「分かりました!」
無事に出発出来た俺達。これから三日間は船旅となる予定だ。
果たして何も起きずに船旅を終えるのか?
そして、次の大陸ではどんな旅になるのか?
さて、無事に日本に還れるように今日もがんばりますか!




