第十五話
マシロが俺達のパーティーに入ってから三ヶ月が経過した。そう約束の時が来たのだ!その話を王様にするために俺達は城に向かった。
「さて、約束の時が来た訳だがどうだろうな?」
「どうでしょう?多分ユウ先輩の思ってる通りになるんじゃないですか?」
「どういうことっすか?」
「もし、還る方法が分かっていたら分かった時に伝えに来ると思うんだ。それが無いってことは?」
「まだ見つかってないってことっすかね?」
「まあ、ただの予想だ。取りあえず結果を聞きにいこうや」
城門につき門番に話して城の中に入っていく。途中の部屋で少し待ってからカヤ将軍と合流していつもの会議室へいく。
「じゃあ今度こそ、還れる方法が分かっている事を信じて会議をしますか!」
ユウ先輩達と会議室へ入ると王様とキャンベル団長とカヤ将軍がいる。まあいつものメンツだな。
「よく来た。取りあえず席に座ってくれ」
「分かりました。とりあえず今回は面倒な会話は止めましょう。単刀直入に聞きます。まずは魔物氾濫について何か分かりましたか?」
「ふむ、確かに面倒な会話は時間の無駄だな。ではカヤよ。報告を」
「はい!魔物氾濫ですがあれから三ヶ月経ちましたがあれ以降おきてはいません」
「つまり解決したということでいいのか?」
「そうですね。いつもなら大体二ヶ月周期で起きていたあの氾濫がこの三ヶ月おきていませ
ん。それにダンジョンにあった資料を確認した結果、あの部屋にいた賊が犯人であったことも分かりました。まだ油断は出来ませんが今回は終息したと考えてもよいかと思われます」
「なるほどな。つまりこの者達は一応約束を守ったと言えるな。では次は其方の番と言うわけだ」
「うむ。ではキャンベルよ報告を」
「はっ!結論から言いますと送還方法は分かり
ました」
「まじで?」
「はい。過去の記録を確認した結果、送還事実を発見し、それと共に方法も書かれてありました」
「やったじゃないっすか!これで俺達は還れますよ!」
俺は嬉しくて笑顔でユウ先輩とノリ先輩を見たのだが何故か二人は難しそうな顔をしている。
「どうしたんすか?還れるっすよ!ユウ先輩もノリ先輩ももっと喜んだらどうっすか?」
「はぁ~、ダイよ。少し落ち着け。キャンベル団長が言ったのは送還方法が分かったと言っただけだ」
「そうっすよ!だから俺達は還れるっすよね?」
「方法がわかったが出来るとは言ってないだろ?」
「はっ?方法が分かってるなら後は行うだけじゃないんすか?」
俺がユウ先輩に聞くとノリ先輩が
「多分だが送還方法に必要な物がいるんだろ?そして、今この国にそれがない、ってところじゃないかな?そうじゃないとここまで報告を先伸ばしにする理由がないからね」
「いやいや、ユウ先輩もノリ先輩も考えすぎっすよ?ねぇ、キャンベル団長」
そう言ってキャンベル団長の方を見たがキャンベル団長は苦笑いの様な顔をしている。
「・・・まさかそこまでわかるとは。そうです、方法は分かりましたが、この魔法を発動するための五つの道具がこの国にには無いのです」
えっ?つまり何?方法はあるけどまだ俺達は還れないってことなのか?
「だ、だったら早くその五つの材料を集めて下さいよ。国を使えば直ぐに集まるんじゃないっすか!」
俺はちょっと怒りながらキャンベル団長に早口に言葉をかける。それに対しての答えが俺を絶望させた。
「五つの内二つは準備出来ます。しかし、残りの三つはまだ何処に在るのかが分かっていないのです」
なんだそれ?つまり!
「俺達はまだ還れないってことだな。やっぱりそうなったか」
「いやいや、ユウ先輩冷静に会話してる場合じゃないっすよ!俺達還れないっすよ!」
「ダイ、少し落ち着け」
「でもユウ先輩!」
「聞こえなかったか?俺は落ち着けっていったんだが?」
あっ、これヤバイ!笑顔なんだがユウ先輩冷静に見えてキレてるパターンだ!
「わ、分かりました」
「それでいい。ではキャンベル団長、それはつまり俺達の約束を守られないって事でいいのか?」
「いえ、未だ道具が集まってないだけです。今も我々は探しています。もう少し待っていただければ必ず見つけて見せましょう」
「ふむ、キャンベルもこういっておる。もう少し待っててくれぬか?」
「それは約束を破るってことでいいのか?」
その言葉を聞いて王様が話始める。
「まあ、待て。確かに我々は約束を期限内に守れてない。しかし、それはお主達も同じではないのか?」
「どういうことですか?」
「我々は今回の魔物氾濫の解決を頼んだ。それは間違いないな」
王様の言葉にユウ先輩が頷く。
「確かにお主達は魔物氾濫を止めた。これは間違い無いが、解決はしていないのではないか?」
王様が言っていることが意味が分からん。そんな事を考えているとユウ先輩が
「つまり王様は犯人を捕まえてないのだから約束は守れてないと言いたいのですか?」
「まあ、そういう事だ。犯人が捕まって無いのなら約束は完全に守れていないということではないか?」
なんだよそれ!そんなの屁理屈だろ!そう思って叫ぼうとするより先にユウ先輩が口を開いた。
「分かりました。では俺達に送還方法と必要な物だけでも教えてもらえませんか?」
えっ?ユウ先輩、引き下がるんですか?こんな屁理屈認めるんすか!
「ふむ、分かった。キャンベルよ、送還方法と必要な物を教えよ」
「ハッ!」
「して、それがわかったらお主達はどうするんだ」
「勿論必要な物を探しに行きます。この国を出て
この世界中を探しに行きます」
ユウ先輩がそう言うとカヤ将軍が慌てた口調で話始めた。
「まっ、待ってくれ。我々が必ず物は見つけて見せましょう。だからもう少し待っていただけないか!」
「すまないがカヤ将軍。こちらの望みを断ったのは貴方達だ。俺は信頼には信頼を、裏切りには鉄槌を下す。だから、俺は貴方達にもう期待はしない」
そう言うとユウ先輩は席を立った。
「では後で方法と物の確認に来ます。いくぞ、ノリ、ダイ」
まあ、これ以上話しても進展はないっすからね。じゃあ、出ていきますか。ノリ先輩と俺が出ていくとユウ先輩は中に残って扉を閉めた。
「あれ、ユウ先輩?」
「ちょっと待ってろ。すぐ終わる」
そう言うとユウ先輩は中に残ったまま扉を閉めた。3分程たったら出てきた。
「ユウ先輩何話してたんすか?」
「大した事じゃない。とりあえず宿に戻るか。マシロも待ってるし、今後の行動方針も考えないとな」
そう言いながら歩いていく。なんかはぐらかされてるような気がするんだか?まあいいか。
結局まだ還れない事が分かっただけだった。ただ還れる方法が分かっただけでも良しとするかな。
はぁ~、早く還りたい。




