第十一話
ダンジョンから出て馬車に乗り街へ戻る途中カヤ将軍が話かけてくる。
「どうだった初めてのダンジョンは?」
「そうだな。地下にあんな空間があるのは驚いたが敵の強さはなんとかなったな」
「まあ五階まではお前達でも何とかなるが六階からは今の倍ぐらいの強さになるからな。流石に三人ではキツイだろうな」
「そこだよな。とりあえず今後はメンバー集めをしないとダンジョンは厳しそうだな。っとそうだカヤ将軍に聞きたいことがあったんだ」
「なんだ?」
「これまでの魔物氾濫で出てきた魔物ってどれくらいの強さでどれくらいの数だったんだ?」
「そうだな。強さは五階層ぐらいかな。数は多くて百ぐらいだな」
「百ってどこにそんなに居たんだ?」
「それが分からないから困ってるんだ」
「だろうな。因みに種類はどんなのがいたんだ?」
「基本は今日戦った種類だな。多かったのはムカデや蠍あとアンデット系もいたな」
「アンデット系もいたのか?」
「ああ、とりあえず今日戦った魔物は大体いたな」
「なるほどね。氾濫があった前日にダンジョンで異変は無かったのか」
「特に何も無かったと報告を受けている」
「じゃあ、いつもどこで対応してんだ?そんな数の魔物?」
「基本的には出てきて直ぐを叩くようにしている。ダンジョンから出てくるのは魔物も六体づつしか出てこないから」
「まあそれならそこそこ対応できるか。だからダンジョンの前に色々準備してたんだな」
「そうだ。ただすぐに対応しないとどんどん数が増えていくので・・・」
「防衛も大変ってことだな」
「そうですね。防衛隊が到着するまでに数が増えてしまうので早期に対応出来るかが勝負のカギですね」
「なるほど。とりあえず魔物氾濫については分かった。あと一つ聞きたい事があるんだが」
「なんですか?」
「・・・ハツカって人はどこにいってんだ?」
「!!!。・・・なぜハツカ様のことを!」
「この間ギルドの酒場で話してるのを聞いたんだ。この国で一番強いのがそのハツカなんだって?」
「・・・そうだ」
「ならなんでこの危機を救いにこないんだ?そいつがいれば俺達を呼ぶ必要がなかったんじゃないのか?」
「そうだな。多分ハツカ様がいたら今回のこの事件も解決出来たと思う」
「じゃあどうしてそのハツカを呼ばなかった?」
「それは・・・」
「言いたくはないが自分の国の危機に駆けつけないなんておかしいよな?よほど何かをやらかしたんだろ。ハツカかこの国が」
「ハツカ様は何もしていません。この国も。ただ少し間が悪かっただけなんだ」
「間ね?確かに普段ならどうでもいいが今回は俺達を巻き込んでる。それだけでも俺達は知る権利があると思うんだが?」
「そうだな。ただこの件は王様より箝口令がしかれている。今度王様にきいてくれ」
「はー、めんどいな。最初から説明してほしかったがな」
「すいません」
「まあ箝口令が出てたならしょーがないか」
ユウ先輩とカヤ将軍が話している間俺はノリ先輩と話す。
「ノリ先輩は知ってました?ハツカって人の事?」
「一応な。その辺の情報収集はしてる。むしろダイは知らなかったのか?」
「知らなかったっす。酒場なんていかなかったから」
「私やユウ先輩はちょくちょく行ってるぞ。情報収集はきちんとしないとな」
「へぇー。ノリ先輩は分かるっすけどユウ先輩がそんな事してるんすか?」
「そんな事いってるとまたやられるぞ。ユウ先輩が一番還りたいと思ってるからな。真面目なんだよあの人は」
「そうなんすか?」
「そうなんだよ。まあダイも還りたいと思うなら情報収集ぐらいしとけよ。情報は大事だならな」
「わかりました。所で残りのメンバーはどうします?」
「そうだな。今の私達に足りないものを補うメンバーじゃないとな」
「足りないものってなんすか?」
「とりあえず遠距離攻撃ができるのが二人、あと回復魔法使いが一人かな?」
「遠距離攻撃っすか?」
「ああ、出来れば攻撃魔法が二人欲しいな」
「確かに俺等魔法は使えるけど魔力が切れたら使えなくなりますからね」
「あと属性が被らないようにしたいな」
「そうっすね。あと回復ってユウ先輩が使えますよね?」
「そうだけど流石にユウ先輩だけに頼る訳にもいかないだろ?」
「まあ前衛をやりながら回復までなんて大変ですもんね。でもユウ先輩なら出来そうな気がするっす」
「それについては否定しないがさっきの話と一緒で魔力には限界があるからな」
「そうすっけどユウ先輩の魔力切れるんすかね?」
「ぶっちゃけるとわからん。あの人の限界を見たことないからな」
俺とノリ先輩が話してると街に着く。なんかカヤ将軍とユウ先輩は話は盛り上がってるな。
メンバーについては今晩またユウ先輩と話し合わないとな。次のダンジョン探索にはフルメンバーで挑みたいしな。
そんな呑気に考えていたんだ。しかし次の朝にアレが来た。
俺達がここに来ることになった原因の魔物の氾濫が!!




