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はじまり

異世界物。

これは最近流行っているジャンルの一つだと思う。自分がいる世界とは別の世界への転生したり召還されたりして物語が進んでいく。そこは科学ではなく剣と魔法の世界だったり、時には人以外の姿をしたモンスターに転生したりとなんでもありの世界観となっている。そのため作者の独自性もでて面白い話がいくつも溢れている。


しかし、こういう話を読むとよく思う。転生はまだ分かる。一つの命が終わり別の世界へ送られる。それなら納得ができるが問題は召還だ。今まで普通に暮らして来たのに急に別の世界へ強制的につれてこられて化物を相手にしろって・・・。普通に考えたらあり得なくないか?しかもなぜか召還された者達は大半が文句を言いながらもその世界に馴染んでいく。まあ大抵は何かしらのチート能力があったり異世界に来る前に何かしらの特技(剣術やら格闘技など)があったりして馴染んでいる。


ではもしそういう能力や技術がない一般人が送られたらどうなると思う?答えは決まっている。物語なんてなかったって感じにその話は終わるんじゃないか?だって普通の人がそんな簡単に強くなれるなら召還なんかせずに自分達で頑張れよって思わないか?俺はそう思う。


さてなんでこんな話をダラダラと続けたかというと俺自身が今その異世界召還とやらにあっているからだ。何を言ってるのか分からないだろうが俺も分からない。だってさっきまで俺は友達二人と一緒に地球を守ってたんだぞ。・・・もちろんゲームだけど。


ゲームをやっている最中にでかい地震がきたからスカイプで友達とヤバイって話をしていたら急に目の前が真っ暗になったと思ったら訳の分からない魔方陣みたいな所に座っていた。


しかも俺1人ではなく一緒に遊んでいた友達のユウ先輩やノリ先輩も一緒にいるんだぜ。どう考えても夢だと思うよ。二人とも家からかなり離れた場所に住んでるのにあの地震のあとに同じ場所にいるなんておかしいよな?


二人ともさっきからキョロキョロしてるし、まあ俺も回りをみてるんだがどう考えても普通じゃない。こんな石垣で出来た部屋なんて知らないし、覗き穴みたいなところから覗きこんでる奴たちなんか変な衣装きてるし。あれだゲームで魔法使いが来てそうなローブを着てるし、間違いなくここは俺の部屋ではないな。っで扉は1つだけ。まるでゲームの牢獄みたいだな。とりあえず目の前に居る二人に話を聞いてみるか。もしかしたらどっちかがここのことを知ってるかもだし。


「あ、あのユウ先輩とノリ先輩ですよね?」


「ああ、お前はダイだよな?ここはどこなんだ?俺等はたしかスカイプ繋いで地球防衛してたよな?」


ユウ先輩が答えてくれたが俺にも分からない。


「そうだったはずです。っで地震が起きてヤバイって話をしていたら目の前が真っ暗になって気づいたらここにいたって感じです」


「お前もか。ノリはどうなんだ」


「こっちも同じです。何が起きたかはわからないけど夢ではないみたいですよ。頬っぺたをつねったけど目を覚ましませんから」


ユウ先輩の声にノリ先輩が答えた。三人で情報のすり合わせをしてると1つしかないドアが開く。先頭には多分護衛の騎士みたいなのが入ってきて真ん中に王様がいる。っで王様の後ろにも騎士が続く。全部で10人程の団体だ。こっちは三人で固まる。先頭は一番年上のユウ先輩、その後ろにノリ先輩と俺が付く。


先頭の騎士が少し横にズレて王様みたいなのが前に出てきて何かをしゃべっている。けど何を言ってるのかまるっきりわからない。ユウ先輩がこっちに向いて、


「おい、なんていってんだ?わかるか?」


って聞いてくるが俺もノリ先輩も首を横に振る。マジでなんて言ってるのか分からない。それを見たユウ先輩はジェスチャーをしてる。時々口に出しながら分からないと言いながら。すると向こうの王様みたいなのが騎士から指輪みたいなのを持ってこさせ、騎士に俺達の方へ持ってきて着けろとジェスチャーをしている。指輪は三つある。するとユウ先輩が


「とりあえず俺が最初につける。っで問題ないようならお前達もつけたらいい」


えっ、あのユウ先輩が自ら毒味役を!!いつもコンビニで新商品がでたらとりあえず誰かに買わせて味見と称して食べてから買う人が!なんて思っていると、


「ダイの考えてることは大体分かる。あとで一発ぶん殴るぞ!まあ俺が一番年上だからな」


えっ、なんで考えてることばれるの!おかしくない?って顔をしてたらノリ先輩が


「お前はすぐに顔にでるからなー。仕方ない。」


そんなことないですよー。あとでユウ先輩とめてくださいよ。ノリ先輩。信じてますよ?ユウ先輩は指輪を着けてみてる。着けたあとビックリした顔をしてこっちに顔を向ける。


「お前等もつけてみろ。この指輪ヤバイぞ」


ヤバイって着けていいんですか?体に異常ないです?ああノリ先輩はさっさと着けるんですね。まあユウ先輩が着けてるし問題ないでしょう。ノリ先輩に続いて俺も指輪を着ける。するとどうでしょう。今まで何を言ってるのか分からない騎士達の言葉が分かるようになった。それを見た王様みたいな人が


「これで言葉はわかりますか?」


と聞いてきた。ユウ先輩は俺達の方をみて頷いている。俺やノリ先輩が頷き返すと


「ああ、大丈夫だ。これなら聞き取れる」


ユウ先輩がそう答えると王様みたいなのの隣にいる騎士が大きな声で


「控えよ。このお方はこの国ベアルリング国の王で在られるぞ。口の聞き方に気を付けよ」


うわなにこの騎士。うぜー、こちとらそんなこと知らんがな。なんてことを思っているとユウ先輩が


「これはこれは失礼いたしました。しかし私達はまだ自分達の状況すら分からないものでして少し混乱しています。よろしければ少し多めに見ていただくとありがたいです」


おおー、ユウ先輩大人な対応やん。さすが介護の仕事してるだけあるやん。まあ手を握りしめて震えてるけどね。怒ってるな。すると王様が口を開く。


「やめよカヤ。この者達は我らが召還しここにおる。いきなりのことで戸惑っておるのだろう。部屋を用意しておる。本日はそこで休んで、明日詳しい話をしようではないか。どうじゃ?」


王様の提案か、ただこれは断れない感じだよなー。多分ユウ先輩やノリ先輩もわかってる。だからユウ先輩はチラッとこっちを見たあとに笑顔で答えてる。


「本当ですか。ありがとうございます。ただ出来れば三人同じ部屋をお願いしたいのですが」


「ふむ、個別に用意しておるがそっちの方がいいならそうするがよい。ではカヤよ。部屋まで案内いたせ。我は戻るとしよう」


「ハッ。おい付いてこい。部屋まで案内する」


王様達が去った後にカヤが俺達を連れていく。一体ここからどうなることやら。

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