表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

(6)

さて、そんな騒動をしかけたあやしげな男は、右馬の佐という人物でした。

その右馬の佐は、姫様の風変わりな返歌を読むと、どうしても姫様本人を見たくなってしまい、友人を伴い、「女装して」姫様のお屋敷にしのびこみ、覗き見をしています。


姫様は、いつもの通り、男の子たちを使い、たくさんの毛虫を捕らせています。

その夢中になって毛虫を見ている姿は、まず髪の手入れはしていませんし、眉は黒々、ただ涼しげで本当は美人かもしれません。

口元は愛らしく可愛いのですが、お歯黒をしていないので、やはり違和感があります。


右馬の佐は

「化粧すれば、もともと可愛らしいのだから美しくなれるのに、残念だなあ」と思います。

姫様は身なりには無頓着であるけれど、本当は可愛らしく華やかさもあるので、もったいないのです。

また、若い女性では滅多にないのですが、男物のような白い袴を着ています。

毛虫をしっかりと見たいらしくガッチリとした漢字が書かれた白い扇の上に、拾わせて這わせています。

右馬の佐としても、せっかく可愛らしい姫様なのだから、このような振る舞いが「お気の毒」などと、あきれています。


さて、右馬の佐たちが、そんな覗き見をしていると、とうとう男の子たちに見つかってしまいました。

そして、驚いてしまった姫様ですが、それでも毛虫だけは袖の中に入れ、簾の中に逃げ込んだのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ