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さて、ご両親としては

「これは、変わり者すぎる、これでは困る」と思われるので、「何か特別に考えていることがあるのですか?本当に理解できません」と申し上げるのです。

しかし、姫君はそういう話をされると、ものすごく反発をしてくるので、

ご両親は

「なんと恐ろしい姫君だ」と思い、この姫君の理詰めの考え方と両親の意見に従わない強情さを恥ずかしいと感じます。

しかし、そうはいっても、

「このままでは世間体が悪くなります、人というのは、まずは見た目が美しいものを好むのです」

「それが気味の悪い毛虫を面白がっているなどの評判が世間に知られたならば、困ることになるのです」

などと、懸命に説得をなさるのです。


しかし、姫君もさるもの

「私は世間の評判なんか、どうだっていいの」

「全てのことについて、原因を究明し、結果を理解してこそ、因果関係がわかるのです、それは幼子でもわかることでね、あの可愛らしい毛虫だから美しい蝶になるのですよ」と、蝶が生まれる様子を取り出してお見せになるのです。

「例えば絹、絹という人間が着るものも、蚕がまだ羽が生えないうちに作り出すのですよ、それが蝶になれば糸も果てて無駄になるのです」

そんな風なので、もはやご両親も反論する気にもなりませんし、呆れ果ててしまいます。


そんな状態とは言っても、姫君はご両親に直接顔を見せて、差し向かうことはありません。

「鬼と女は他人に姿が見えないのがよい」と考えているらしい。

そのため、母屋の簾を少しだけ巻き上げ、几帳を隔てて、いかにも賢げに、お話をされるのである。

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