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元の理考察  作者: 東雲之東風
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第一部解釈篇  【段落・四】

【段落・四】

『更に、東のほうからうなぎを、坤の方からかれいを、西の方からくろぐつなを、艮の方からふぐを、次々と引き寄せ、これにも又、承知をさせて貰い受け、食べてその心味を試された。そして夫々、飲み食い出入り、息吹き分け、引き出し、切る道具と定め、その理に、くもよみのみこと かしこねのみこと をふとのべのみこと たいしよく天のみこととの神名を授けられた。』


 【段落・四】では更に、人間を創造する上で必要となる道具衆を呼び寄せている。「東」から「うなぎ」を。これはぬるぬると長い生命体、現在の腔腸動物の原型のようなものだろうか。これは「飲み食い出入り」つまり消化器系の元となるものを持っていた訳である。

「坤・ひつじさる」は西南である。その方面から「かれい」を。平たくひらひらした生命体であったのだろうか。これは「生き吹き分け」つまり呼吸器系の元となるものを有し、細胞内小器官のミトコンドリアの元となった生命体ではと推測する。

「西の方からくろぐつなを」私は、この「くろぐつな」が解らなかった。これは、「くろ」は色の黒であり、「くつな」は「くちなわ」、朽ちた縄が変化したもので蛇の方言である。なので、この生命体だけは色もはっきりしている。黒蛇ににたうねうねと長い生命体である。これは細胞小器官の中心体のような分裂時に引っ張り分裂をさせる役目と考え、そのような仕組みを有していたのであろう。

最後に「艮・うしとら」北東から「ふぐ」を呼び寄せている。この「ふぐ」は「出産の時親と子の胎縁を切り、出直しの時息を引き取る世話、世界では切る事一切の守護の理」と教えているので、自己細胞を破壊したり、生命活動を停止させる仕組みへと進化し、そのような仕組みを有していた生物と考える。

「出直し」とは天理教で「死」を意味する言葉である。また、艮は陰陽道等で鬼門と言われ忌み嫌われる方角でもある。

神は、死も神の守護の一つであるとしていることから、神から見れば死は決して忌むべき事ではないが、死の本当の意味を理解できていない人間側から見ると死とは忌むべきものであるという考えの相違が発現した訳である。

 では、何故死が忌むべきものではないのか。神の言葉に「魂は生き通し」とあり、「古い着物を脱いで、新しい着物を着せてもらって帰ってくるようなもんやで」と説いている、魂は未来永劫生き続け、その「魂の器」である新しい身体を再び神から借りて再びこの世に戻って来るのである。

神の言葉によると、死ぬと身体より魂が抜け神の元へと帰る。人によりその時間差があるが、前生までの因縁に順った新しい身体を神より借り受け再びこの世に帰って来る。つまり、天国や地獄と言った所謂あの世は存在せず、この世があるばかりであると言う。ただし、人間に必ずしも転生するとは限らない。前世の行いの如何により「牛馬に堕ちる」とも言っている。つまり、人間以外の生物へと転生し、人間になるまで再びやり直さなければならない場合もあるのである。仏教の六道輪廻に似ている。

「新しい身体を借りて」としたのは以下の神の言葉による。

「人間神のかしものかりもの心一つ我が理」とあり、これを「かしものかりものの理」と言い、人間(の身体は)からのかしもの(であり、人間から見れば神からの)かりもの(なのである)心一つ(だけが)我が(ものである)と言う意味の言葉である。つまり、身体は借りているだけであって、心以外は自分のものではないのである。その証拠とは、一度病気や怪我をすると自らの意志では動かしたり自分ではどうすることも出来ない状況となる。

 次に、【段落・四】では【段落・三】までの時間経過により新たに四種の生命体が誕生している。また、これらの生命体は「承知をさせて貰い受け、食べてその心味を試す」は同様であるが、「呼び寄せ」ではなく、【段落・二】と同じく「引き寄せ」となっている。「引き寄せ」なので意思とは関係なく引っ張って来られたと思われ、【段落・三】の生命体よりもより「ぢば」の近くに生息、また、機動性が乏しかったのではと推測する。

ここでは【段落・三】に見える「仕込む」が見られない。これは、捕食しそのままの形で取り込まれたものと、その性質、器官等のみを取り込んだものがあるのではないかと考えられる。具体的にはその形質が発現する遺伝子が取り込まれたのであろう。

そして、「試す」とあることから、その遺伝子に起因する性質や器官が発現し、一つの生命活動として成り立つまでに時間を要しているのである。

更に、「次々と」であるから【段落・三】よりも時間経過的には早急である。これは【段落・三】までの間にある程度進化しており、より時間の短縮が出来たものと考えられる。

ここでも食う食われるの関係から見るとやはり【段落・四】の生命体の方が夫々小さかったのではないかと推測する。

また、【段落・三】同様「うなぎ」には「くもよみのみこと」、「かれい」には「かしこねのみこと」、「くろぐつな」には「をふとのべのみこと」、「ふぐ」には「たいしよく天のみこと」の神名をさづけている。

 

 ここには記されていないが、教祖による説き分けを記しておく。

「くもよみのみこと」 人間身の内の飲み食い出入り、世界では水気上げ下げの守護の理

「かしこねのみこと」 人間身の内の息吹き分け、世界では風の守護の理

「をふとのべのみこと」 出産の時、親の胎内から子を引き出す世話、世界では引き出し一切の守護の理

「たいしよく天のみこと」 出産の時、親と子の胎縁を切り、出直しの時、息を引き取る世話、世界では切ること一切の守護の理

と説いている。

後の段落に出て来るが、「月様」に「くにとこたちのみこと」、「日様」に「をもたりのみこと」との神名をさづけている。

これを「十全の守護・じゅうぜんのしゅご」と教えている。

「くにとこたちのみこと」 人間身の内の目潤い、世界では水の守護の理

「をもとりのみこと」 人間身の内の温み、世界では火の守護の理

と説いている。

 前段落同様、生命体の生命活動の原理だけではなく、この世の根本原理として地球を形成してゆく自然の摂理、自然の大循環が、前段落の道具衆と合わせ十全の守護という形で形成されているのである。


 お気付きの方もあると思うが、引き寄せ或いは呼び寄せられた生命体の中に北と南の方角は無いのである。

現在に於いても、北極、南極は生命が存在するのに大変厳しい環境であり、当時もそうであったのではないかと推測できる。或いは、「うを、み」がその方角を司っているのかも知れないとも私は考える。

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