表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホラークラッシャーアカリさん  作者: オオカミさん
第一話 アカリ登場
6/64

僕が振り返るのと背後に立っていた人物が手に持っていた何かを振りぬこうと構えるのが同時。


身の危険を感じほとんど倒れ込むように頭を下げるのと、その人が持っていたバットを横なぎに払うのも同時だった気がする。


頭上ですごい音がした。ドアの一部と思われる欠片がぱらぱらと降り注ぐ。恐る恐る目だけ上に向けると、木製のドアの表面が一直線に削れて塗装が剥げていた。


ゴァンと何かがコンクリートに叩きつけられる音と共に地響きがした。音の方を振り返るとどうやら目の前に立っている人物がバットを地面に突き付けたらしい。蜘蛛の巣状にヒビが入っていた。



「やっと…やっと見つけた…」


凛とした声が降ってくる。僕は藤色の着物を着た人物を見上げた。


全体的に冷ややかな印象を与える色合いの着物を流し、その人は立っていた。顔立ちは整っているというより、日本人形を彷彿とさせるほど綺麗だ。とはいうものの、着物の隙間から見える逞しい腕からして男性だろう。


そうして額の脇からは、透き通るような青色をしたツノが左右2本ずつ生えている。


いきなりでは美形、としか表現できないような彼の髪は、白かった。それを頭頂で結うようにしてまとめ、長く後方になびかせている。それをうずめるように、青いネックウォーマーを巻いていた。


長いまつげから覗く、紫色の瞳。


射抜くような、その目。

また恐怖が湧き上がってきた。



そうして、奇妙な…懐かしいような感じも。



「…君は…誰?」

情けないかな、声は震えていた。目の前の彼――鬼は整った眉を少しだけ上げた。





「誰って、私はアカリですが?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ