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とはいえど、放っていくわけにはいかない。僕は今命を狙われてる状態だ。
玄関の鍵を探しながら、僕は溜息をつくしかなかった。
どうして、いつからこうなったんだろう。
僕が一体何をしたというのか。
ともかく、お祓いをしに出かけた方がいいだろう。でもどこへ行こう。
近所のお寺や神社は回った。有名どころにも足を運んだ。それでも結果は変わらなかった。
この悪霊たちは僕に寄り付き、嘲笑い、あげく殺すのだろう。自然死とか、心筋梗塞とかいった理由で、僕の死は処理されるのだろう。
嫌だな、と頭の片隅で思った。
僕はまだ死にたくない。
「見つけた」
不意に背後で澄んだ声がした。