弱冠
ただ生きてきただけなのに
気付けばおとなと呼ばれている
時間ばかりが過ぎただけで
変わっているのは外観ばかり
幼かったあの頃と
何かが違う気がしない
今でも変わらず愚かなままで
過去も未来も手に余る
いつか机を並べた彼らは
気付けば遠くに小さくなって
出遅れているとわかっていながら
それをどうとも思わない
できるようになったことは
その場を凌ぐ技術ばかりで
上を行く誰かを見上げては
自己嫌悪に悩んでいる
酒は不味くて飲めもせず
煙草も不味くて呑めもせず
数える時だけ重なって
おとなと呼ばれる歳になる
定まらない将来には不安
終わってしまった過去には後悔
現在に輝くこともなく
一喜一憂に振り回され
晴れに眩み 雨に毒づき
それでも、ただ
いつか老い痩せ枯れたとき
悪くなかったと言えるように
今はただ
精一杯の努力を